スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ (講談社BOX)
- 講談社 (2013年2月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062838313
感想・レビュー・書評
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「キャットフード」に続いて、本来読みたかったこちらも読破。「名探偵三途川理」がいよいよそのドキャラぶりを爆発させており、楽しめました。
「謎の答えを何でも正しく教えてくれる魔法の鏡」というミステリにとっての超反則アイテムが出てくるのですが、このアイテムの存在によって、手がかりと結論との間の「論理的推論の過程」をどうこじつけるのかという、ある意味「本格ミステリ」の楽しさのコアの部分を非常に明快に浮き出させてくれています。
後半は三途川探偵による、この鏡の独創的な利用法のアイデアが秀逸で、全体を通して非常に内容の濃い楽しめるミステリでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
きっちりとミステリしてるが、小人が助手で、質問すると何でも答えてくれる鏡を使って犯人を捕まえる探偵なんて設定からメタ。
最初の短編3篇は導入部。それでも推理は可能だしトリックはよくある手口。
その後の中編は鏡を持った探偵同士のバトル。というより小悪党探偵が鏡を駆使して相手を出し抜こうとあの手この手で攻めてくる。最後は強制的に終わらせる。本格よりバカミスに近い。 -
本格ミステリー大賞受賞作。
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「白雪姫」をモチーフとして、何でも教えてくれる鏡が登場するのだが、まさかこんな使い方があったとはといた。前作「キャットフード」も設定がおもしろかったがラストが失速した。今作の方が内容的には上。名探偵三途川理が一般的な名探偵とはまったく違う立ち位置なのも、前作から読んでいるので慣れた。
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ノックスの十戒に真正面から挑んだ作品です
見事に本格ミステリーしています -
論理的思考(=探偵)と神の視点(=何でも知ってる鏡)を巧みに融合させた新感覚の推理もの、面白かった。何しろ、副題にある三途川の扱いからして面白かった。本作がシリーズ2作目らしいので、他のも読んでみようと思う。
ところで、本格ミステリ大賞受賞とのことだけど、講談社BOXに本作のようなまともなミステリがあったと知って反省。