スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ (講談社BOX)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 200
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062838313

感想・レビュー・書評

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  • 「キャットフード」に続いて、本来読みたかったこちらも読破。「名探偵三途川理」がいよいよそのドキャラぶりを爆発させており、楽しめました。
    「謎の答えを何でも正しく教えてくれる魔法の鏡」というミステリにとっての超反則アイテムが出てくるのですが、このアイテムの存在によって、手がかりと結論との間の「論理的推論の過程」をどうこじつけるのかという、ある意味「本格ミステリ」の楽しさのコアの部分を非常に明快に浮き出させてくれています。
    後半は三途川探偵による、この鏡の独創的な利用法のアイデアが秀逸で、全体を通して非常に内容の濃い楽しめるミステリでした。

  • 図書館で借りた本。
    鏡よ鏡・・・と質問すれば何でも答えてくれる不思議な鏡を持っているママエは、中学生ながらその鏡の能力を使って探偵の仕事をしていた。
    考えることが嫌いなママエは、依頼を受けてもすぐに鏡に答えを聞いて、「推理した」の一言で聴いてもいない事実を言い当てるくだりは、個人的にムカっときた。少しは考えろ!と突っ込みながら読み進め、最後には許せる程度には回復した。
    なんて書いちゃうと、自分に対して何様だ!って思う。

  • [ 内容 ]
    “魔法”と“探偵”が出逢うとき、完全犯罪の幕が上がる。
    「なんでも教えてくれる不思議な鏡」を使ってちいさな探偵事務所を営む女子中学生・襟音ママエ。
    自分の頭ではまったく推理をせず鏡の力に頼りっきりのママエだったが、とある事件がきっかけで、ずる賢い天才探偵・三途川理に命を狙われることになってしまい―!?
    奇想の新鋭が放つ、知恵と勇気の探偵小説。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • きっちりとミステリしてるが、小人が助手で、質問すると何でも答えてくれる鏡を使って犯人を捕まえる探偵なんて設定からメタ。
    最初の短編3篇は導入部。それでも推理は可能だしトリックはよくある手口。
    その後の中編は鏡を持った探偵同士のバトル。というより小悪党探偵が鏡を駆使して相手を出し抜こうとあの手この手で攻めてくる。最後は強制的に終わらせる。本格よりバカミスに近い。

  • 本格ミステリー大賞受賞作。

  • 「白雪姫」をモチーフとして、何でも教えてくれる鏡が登場するのだが、まさかこんな使い方があったとはといた。前作「キャットフード」も設定がおもしろかったがラストが失速した。今作の方が内容的には上。名探偵三途川理が一般的な名探偵とはまったく違う立ち位置なのも、前作から読んでいるので慣れた。

  • 探偵三つ巴

    ”鏡”というチートアイテムがうまく特殊設定として生きててすごい。
    また緋山、かわいそう。
    三途川、小悪党感すごい。

  • ノックスの十戒に真正面から挑んだ作品です
    見事に本格ミステリーしています

  • 論理的思考(=探偵)と神の視点(=何でも知ってる鏡)を巧みに融合させた新感覚の推理もの、面白かった。何しろ、副題にある三途川の扱いからして面白かった。本作がシリーズ2作目らしいので、他のも読んでみようと思う。
    ところで、本格ミステリ大賞受賞とのことだけど、講談社BOXに本作のようなまともなミステリがあったと知って反省。

  • シリーズ2作目。

    前作で活躍した緋山燃が探偵として再登場。性悪探偵の三途川理も残念ながら絶好調です。

    なんでも知ることのできる不思議な鏡で探偵業を営む襟音ママエVS良心の欠如した名探偵三途川理。
    怖い后とタッグを組んだ三途川の魔の手から、襟音ママエは無事逃れることが出来るのか?今作では「白雪姫」がモチーフになっているようです。

    なんでも知っている鏡で一足飛びに真実を知ったとしても、そこに至るまでのプロセスを証明しなければ解決しないというのがおもしろい。
    逆に言えば、そこに至るまでの説得力のある証明が出来れば、真実でないことも真実として通じてしまうということです。

    最初の事件で襟音ママエは探偵として最強の武器である鏡を所有しながらも、全く信頼を勝ち得ることができませんでした。
    対して三途川が状況に柔軟に対応して真実を歪めていたのがすごい。ピザのサラミひとつであそこまで想像力を働かせたのには感動しました。
    緋山もママエを助けるために素晴らしい推理を組み立てましたが。
    それにしても「おい、便所!」には笑いました。

    今作は「なんでも知ることのできる鏡」という超便利な道具をどのように使うかにかかっています。論理VS超常現象でもあり、論理×超常現象でもあり。

    こんな便利な道具を手に入れてもわたしなんかは使い道が全く思い浮かびませんが、三途川の発想力はやっぱりすごいと感嘆せざるを得ません。

    小人たちが一生懸命頑張っているのが可愛かった。

    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・














    前作でも今作でも、与えられていない情報や偶然や邪魔が重なって敗北しているだけで、三途川はちゃんと最善手を打っているように思います。
    こんなにも常識無視の性悪探偵ですが、一番ルールや論理に捕われているのは彼なのかもなぁ、とも思ったり。

    鏡爆弾という発想はとにかく驚きました。

    鏡の消失トリックはおもしろかったです。
    最後に止めをさしたのがリンゴというのも良い。

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著者プロフィール

1984年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。京都大学推理小説研究会出身。2010年『キャットフード 名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』(講談社BOX)でデビュー。〈名探偵三途川理〉シリーズは他に『スノーホワイト』『踊る人形』(以上、講談社文庫)、『ワスレロモノ』『トランプソルジャーズ』(講談社タイガ)。近著に『そのナイフでは殺せない』(光文社)。

「2020年 『死者と言葉を交わすなかれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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