未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884310

感想・レビュー・書評

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  • ■人口減少カレンダー
    2017/「65~74歳」人口が減り始める
    2018/75歳以上人口が「65~74歳」人口を上回る
    2019/ITを担う人材がピークを迎え人手不足が顕在化し始める
    2020/女性の過半数が50歳以上となり出産可能な女性数が大きく減り始める
    2021/団塊ジュニア世代が50台に突入し介護離職が増え始める
    2022/団塊世代が75歳に突入し「ひとり暮らし社会」が本格化し始める
    2023/団塊ジュニア世代が50台となり企業の人件費はピークを迎える
    2024/団塊世代がすべて75歳以上となり社会保障費が大きく膨らみ始める
    2025/東京都の人口が1398万人とピークを迎える
    2026/高齢者の5人に1人が認知症患者(約730万人)となる
    2027/献血必要量が不足し手術や治療への影響が懸念されるようになる
    2030/団塊世代の高齢化で東京郊外にもゴーストタウンが広がる
    2030/ITを担う人材が最大79万人不足し社会基盤に混乱が生じる
    2033/空き家が2167万戸を数え3戸に1戸は人が住まなくなる
    2033/老朽化したインフラの維持管理・更新費用が最大5兆5000億円程度に膨らむ
    2035/男性の3人に1人,女性は5人に1人が障害未婚という「未婚大国」になる
    2039/志望者数が167万9000人とピークを迎え火葬場不足が深刻化する
    2040/全国の自治体の半数近くが「消滅」の危機にさらされる
    2040/団塊ジュニア世代がすべて65歳以上となり大量退職で後継者不足が深刻化する
    2042/高齢者数が3935万2000人とピークを迎える
    2045/東京都民の3人に1人が高齢者となる
    2050/世界人口が97億3000万人となり日本も世界的な食料争奪戦に巻き込まれる
    2050/現在の居住地域の約20%が「誰も住まない土地」となる
    2050/団塊ジュニア世代がすべて75歳以上となり社会保障制度の破綻懸念が強まる
    2053/総人口が9924万人となり1億人を割り込む
    2054/75歳以上人口が2449万人でピークを迎える
    2055/4人に1人が75歳以上となる
    2056/生産年齢人口が4983万6000人となり,5000万人を割り込む
    2059/5人に1人が80歳以上となる
    2065/総人口が8807万7000人で2.5人に1人が高齢者となる
    2076/年間出生数が50万人を割り込む
    2115/総人口が5055万5000人まで減る

  • 高齢化する日本について、何となく感じている恐怖感をリアルに描き出した一冊だと感じた。

    その中でも、企業の減少により競争が減り、それが結果的にイノベーションを阻むという意見にはなるほどと思わされた。
    私は都市部に住んでいるが、最近、事情により地方の山間部の病院で診療を受けたところ、あまりの低レベルな医療に驚きを禁じ得なかった。
    ちなみに、この山間部の病院は地域で唯一の存在のため、他の病院との競争がない。
    すなわち、企業間の競争が減った日本では、上記病院のような低レベルな商品・サービスしか生まれなくなるリスクがあるのだと思う。

    また、ガラガラになった国土に外国人が住み着くと、武力行使をすることなく日本が乗っ取られるというのも、空恐ろしく感じた。
    確かに、尖閣諸島も、日本人が住み続けていればあのような領土問題は生まれなかったのではないか。
    外国人参政権や外国人労働者の受け入れなどは、その場限りで考えるのではなく、長期スパンで日本に与える影響を考慮しつつ、考えるべきだろう。

    最後に、著者が提唱する「縮小を受け入れる」「ちょっとした不便を我慢する」という意見は大賛成。
    現在の、1億2千万人が住むことを前提とした社会インフラを、8千万人とか7千万人とかまで減った中で維持するのは無駄がありすぎる。
    これからは、国土について選択と集中が必要になると思う。
    居住区域・農業区域・観光区域といったように国土を明確に区分して、最小限のコストで日本を維持していく工夫をしていくことが必要だろう。

  • ざっくり言うと日本のこれからについて書かれた本。
    第一部はなんていうか、「どうあがいても絶望」と言いたくなるような日本の未来について書かれており、読めば読むほど落ち込みます(落ち込んでいる場合ではないですが)

    自分がいかに無知であったかを思い知るわけですが、
    第二部で筆者の課題解決に関する10のことが書かれています。

    私がいうのもなんですが、新しい視点から問題解決の糸口が書かれており、まだ手遅れではないと思わせてくれます。

    ただし、アクションを起こさなければ完全にアウトな気もしますが…。

    筆者も書かれていましたが、人は実際に問題を目の当たりにしたりしないとなかなかアクションしないものです。
    机上の空論で全然違う議論を振りかざしたりしてる政治家の方も多いと思いますが、いっぺんこの本読んだ方がいいと思います(もちろん、この本に書かれている内容が100%正しいとは私には証明できませんが、それと同時に100%正しくないとも証明できない)

    結構落ち込みながら読んでしまったので、日を改めて再読したいと思います。

  • 日本の少子高齢化はもうどうにもできないことをきちんと教えてくれる。日本は歴史に残る凄いことをやっている。予定通り日本は終わっていくだろう。みごとである。


     結局、日本人の特性は変わらない。太平洋戦争も何もみんな現実を見て見ぬふりし続けることができたからこそ、最悪まで持って行けた。
     少子高齢化も減少も30年前からわかっていたのに、抜本的変化なしにきた。すごい。このまま、予定通り最悪に突き進むのだろう。

     でも、それでも日本は乗り切ってしまうと思う。高齢化がピークになったら、単純に高齢者が生きていけなくなって、本当に単純にどんどん死人が増えてバランスとっちゃいそう。

     日本人の何かよくわからない自己犠牲でたくさん血を流して、乗り切ってしまいそう。まじ日本人ヤバイ。

  • 今後、少子化による働き手の現象にともない、社会全体の労働時間を縮めることが求められている。その施策のひとつとして、24時間社会からの脱却だ。 最初は反発が起きるだろうが、一度そのように設ければ、人々の意識は徐々に変化していくのではなかろうか。 すでにファミレスでは、注文は端末を利用して、商品もロボットで運ばれるなど、になっている。 今は、飲食業だけだが、この波は他にも普及していくだろう。

    人口減少にともなって、人がまばらに住むエリアも出てくることが予想される。 行政コストの効率から考えると、ヒト・モノ・カネの集約が大事になってくる。 コンパクトな街づくりが求められる。 今はリモートワークがオッケーな職場も増え始め、田舎に移住するヒトも居ると聞く、このような流れが今後も続くのだろうか。 

    定年退職した大学教授が所有している資料を、空き家などに書庫(+机、椅子)として蔵書を地方移住させるアイディア(知の巨人村構想)は中々興味深く感じられた。

  • 時々カチンと来る表現があり(女を何だと思っているんだ、とか、家族信仰とか、外国人に対してとか)読みにくさもあったが、これが現実だよなぁという感じ。お先真っ暗ジャン、と思うが実際そうなのだよ。
    提言には概ね賛成。居住地域を決める、とか、市区町村統合、とか、セカンド市民、とか。

  • 参院選前に読了できてよかった。おそらく、少子化対策に対する抜本的な案をもっている政党などいないだろう。ならばまず、東京一極集中を改善しようとしてくれている候補者を探してみようかな。

  • 未来予測は「確かにな」と思うようなことが多かったです。人口が減るのは自明の中で、いかに戦略的に縮小するか考えさせられました。
    具体的な処方箋を見ても、それが実現出来たらなと思う一方で、自分の身を切る覚悟で実施しなければならないことばかりで「国のためより孫のため」と思うとなかなか難しそう…。

  • ・天候による影響、農業従事者の高齢化により野菜の価格が高騰
    ・空き家が増え、タワマンが天空の老人ホームと化す
    ・2040年には人口8000万人?
    ・日本の人口減少が深刻な課題である
    ・買い物弱者によりネット通販の需要は高まるが、運搬者が減る事で物流破綻を起こす可能性が高い
    ・個人でできること。働ける時に働き、複数の仕事をこなす。

  • 今後の日本の人口動態、それに伴う日本社会の未来について様々な統計や推計を用いて説明していた。

    今後の日本で起こりうる事態に対しての1つの意見としては面白かった

    ただセンセーショナルにするために誇張しているのでは?と思う箇所もあった。
    また日本民族以外の移民が日本で増えること=既存の日本民族は不幸になると言う前提で話が進んでいるような部分がありそこは疑問に感じた。
    やみくもに移民を増やすのは私も反対だが、単一民族国家でなくとも住みやすい国を作ることはできると思うし、そうなっていくための議論が必要なのではと感じた

    後半の人口減少社会への対策の部分に関しては現実的でないものがほとんどでイマイチだった。

    しかしその中でも、戦略的に縮むと言う概念に関しては納得できるものであったし、それ以外にも面白いと感じるものもがいくつかあり参考になった


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著者プロフィール

1963年、名古屋市生まれの作家・ジャーナリスト。人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか、厚労省や人事院など政府の有識者会議委員も務める。中央大学卒業。2014年の「ファイザー医学記事賞」大賞をはじめ受賞多数。主な著書にはベストセラーの『未来の年表』『未来の年表2』『未来の地図帳』『未来のドリル』(いずれも講談社現代新書)のほか、『日本の少子化 百年の迷走』(新潮選書)などがある。


「2022年 『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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