となり町戦争 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087461053

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが気になり買ったものの、5年ほどたってようやく読んだ一冊。

    ”公共事業としての戦争”設定は面白かったけど、
    最後まで戦争に関しての疑問が消えないまま終わってしまうので、消化不良というか・・・と思った方は多かったはず。

    でも、見えないからこその不気味さとか、主人公の職場の上司の一言とか、引き込まれるところも多かったです。

    映画版も見たけど、役場の職員の香西さんがイメージ通りでした!

  • タイトルに惹かれ、ずっと気になっていた作品。
    終始ぼやーっとしたままで終わってしまった。
    作者としてはそれが狙いなんだろうけれど、設定の割に情報がすくなすぎてついていけずでした。
    読み終わったあとも、なんだかスッキリしない。

  • 現代の日本で、戦争がおこるとしたら、きっとこんな感じなのかもしれない。実は淡々と、そして残酷に、下手したら自分の気づかない場所でいろいろ起こっているような、そんな戦争なのかもしれない。
    リアルさはあったけど、全体的にはなんか、山場というか、印象に残る部分があまりなかったような。おもしろかったーっていう感想は持てなかった。「ふーん・・・」という感じ。

  • 映画になったから、読んでみました。
    やたら、様々な雑誌でも広告載っていたし。

    戦争が「リアリティ」がない、って事に関しては、納得。
    だって、今現在地球のどこかで戦争があって、
    それをテレビで見て、
    かわいそうだなぁ?何かしてあげたいな~?
    と客観的に思っても、直接的に何も関わってない自分にとっては、
    全くリアリティないですから。
    ただ、どこかで間接的に関わっているかもしれない。
    沢山の何かを介しても、関わってるかもしれない。
    それを「リアル」に感じることができるのか。
    ・・・これが、テーマだったんだろうけど。

    実際主人公は、血や死体を目にすることはないんだけど、
    身近で起きている戦争を少しずつ「実感」していくんだよね。
    だから、途中はどうなるのか少し期待して読み進めました。

    がしかし、結末の方は尻つぼみというかなんというか・・・。
    少しガッカリでした。
    香西との性的な行為は必要な描写だったのかな・・・。

  • 初読。買ってから何年も放置していたのを読んだ。

    個人的に後味は良ろしくないと思う。だけど後味が良くて爽やかな終わりだったらそれはそれで微妙な感じがするからこの結末が良いのかもしれない。

    見えないものは「なかったこと」というのに納得。

    あと、「日常」を「不定形で得体の知れないもの」と語られていたのが印象的。

    ありえない世界が坦々と描かれていて、それがこの人の作品独特のうすら寒い感じに繋がってる気がした。
    これは『バスジャック』を読んだときも少し思ったこと。

    多分、高校生くらいに読んだらもっと楽しく読んだかもしれない。

  • 盛り上がりがなくて途中飽きそうになった。でも、あとからジワジワくる。最終的には盛り上がらないのも納得。

    浅いようで実は深くて、メッセージ性ある作品。

  • となり町との戦争は突然始まった。
    なんの実感もないままに戦争は進んでいく、何がリアルなのか、リアリティのない戦争の中で少しずつ戦争の匂いを感じ取り、そしていつしか戦争は終わっていく。

    文庫の書き下ろしである別章を読んで想う。
    今やリゾート地であるハワイやサイパンも以前は戦場であった。
    真珠湾攻撃やサイパン上陸戦のモノクロ写真を見ても、今のハワイやサイパンとは結びつかない。

    我々は誰もが戦争に関わっている。そのことに気づいているか気づいていないかだけの差。

    我々の税金は米軍への思いやり予算となり、米軍は中東で戦争により人を殺す。
    我々と戦争は切っても切り離せない。ただ戦争との向き合い方はひとそれぞれである。
    少なくとも戦争から目を背けるような付き合い方はしたくない。
    読了後はそんな感覚に襲われた。


    不思議なシチュエーションの中で、戦争という重たいテーマをポップに描いた奇妙な作品。
    読みやすさの中にメッセージ性がある素晴らしい小説である。

  • なんか釈然としないというか、消化不良な感じ。
    背景もよく分からないままだし、登場人物の人物像もあまり掴めなかった。漫画で、風景や表情などイラストで補えばまだ成り立つかも。
    「別章」の方はよかったかな。

  • 戦争が「見えない」事によって、より一層不気味さと怖さを増しています。深く考えさせられる話。一読の価値はあるかと。

  • 何も考えず読むと本当につまんないと思う。
    けどこの本を通して作者は何を伝えたいのか考えながら読むと面白いと思う。
    実際戦争を体験したことは無いけれどこの本を読むと実際に自分の生活に繋がる部分ってあると思う。
    テレビなんかでテロのこととか戦争のこととか見ていても自分の周りでは何も変わったことがない。
    でもどこかでなんらかの形で関わっているのかも知れない。
    それを隣町との戦争という身近に感じる規模の形で言いたかったんじゃないかな?(本当かはわからないけど、推測)
    この本はストーリーを読んで楽しむとかいうよりも自分で考えながら読むといいと思う。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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