- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087498110
感想・レビュー・書評
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暗い話だった。
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高校生のときはなんとなく共感もできたような気もするけど・・・・
今読み返したいとは思わないかな。 -
辻仁成の処女作。
小説家のほか、Film DirectorとRock vocalistという顔を持つとのこと。残念ながらそちらの方は知らない。平成8年に「海峡の光」で芥川賞受賞。他の作品も読んでみよう。
人格統合のような話で締めくくられるが、精神医学的な分析は必要ないようだ。 -
幻想でつくりあげたヒカルの存在や、自殺者をヒーローと呼んだり、陳腐になりそうな材料だけど、妙にくだけた、ふまじめな(雨雲を生理綿と呼んだり)感じがよかった。憂鬱を軽やかに表現するのって、独特だしすごいなー。
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ヒカルの存在が面白い。
主人公の影のようで本心を表すものだったんじゃないかと思う。
子どもから大人になる過程の描写が好き。
子どもならではの妄想が途中からリアルになるところが好き。 -
・6/2 かおりんと一緒に読む約束をした.週末に本屋で見つけられたかなぁ.でももう既に3分の1読んでしまった.結構荒廃している物語かもしれないな.明るい気分になりたがってたけど、これじゃあ沈んだ気分になってしまわないかい?
・6/4 なんだかあっという間に読み終えてしまいそう.1ページの文字が少なすぎるんだよね.多分これが彼の原点の小説なんだろう.節々に今迄読んだ物語のキーとなるものが見えているからね.
・6/5 読み終わって、ちょっと寂しい気分になった.自殺の話しは時期が時期だけにちょっとドキッとした.切ないなぁ.かおりんは読み終えたかなぁ. -
【あらすじ】
僕にはヒカルがいる。しかし、ヒカルは僕にしか見えない。
伝言ダイヤルで知り合ったサキ。でも、知っているのは彼女の声だけ。
あとは、冷たい視線と敵意にあふれた教室、崩壊寸前の家庭……。
行き場を見失い、都会のコンクリートジャングルを彷徨する孤独な少年の心の荒廃と自立への闘い、そして成長―――。
ブランク・ジェネレーションに捧げる新しい時代の青春文学。
第13回すばる文学賞受賞作。 -
思春期の頃読んで非常に腹立った記憶があったので、思春期過ぎてもう一度読み直そうと思って再読……しかけたのですが、やはり無理でした。合う合わないがパッキリ分かれそうな作品。ストーリーやテーマ云々以前に、描写がどうもねちねちと執拗でくどい。わたしにはそう感じました。
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他の人のレビューを読むと、
後味が悪いとか、報われないという意見もあるようだが、
私はそのようには思わなかった。
父親の転勤のせいで、転校を繰り返し
学校になじめず、いじめられる透。
転校を繰り返すうちに自分の殻にこもるようになり
ヒカルというもう一人の自分を作り出して
他人に自分の心を見せなくなった透が
自分の殻を破って成長していく姿を描いたもの。
透が自分の殻を破る様子は
腹の底から湧き出す何か、力みたいなものが爆発するような感じで
勢いと恐怖、時には暴力といったものがあり
透と同世代の男の子達には、共感できる部分もあるのではないかと思う。
ただ、私は女なので
男の子だったら、あんな感じなのかなあ
と思って読んだ部分も多い。
でも最後には、透の成長した様子が描かれていて良かったと思う。 -
『すばる文学賞』第13回(1989年)