- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087498110
感想・レビュー・書評
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辻仁成処女作。心に深い闇を抱える思春期の少年の、諸刃のように鋭くも脆い感性が、丁寧で且つ臨場感溢れる文体で描かれていく。
物語事態に大きな展開などは特になく、人々の心の動きが緻密に行動や情景に現れている。じっくり丁寧に読み干したいと思える文章が魅力的。
処女作よりも、そのあとの作品の方が個人的には文体や雰囲気が好き。突然ぷつんと終わってしまう感じが少し。あとがきは村上春樹批判ではなく、無難にこの作品そのものに対しての方がよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議な世界。
なんとなく分かるようで、分からないけど世界にひきこまれる。 -
初めて読んだ時に混乱した本。
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面白くなかったの一言でした
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とてもみずみずしくて、若くて、青くて、私には到底読み終えることのできない作品。ごめんね。
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思春期の少年の狂気。
なんとなくわかるんだけど、なだかわからない。
引き込まれるんだけど突き放される。
ちょっと不思議な世界。 -
期待はずれだった。
昔読んだ『冷静と情熱の間』もなかなか入り込めなかったし、辻仁成は私には合わないのかな(..) -
自立と、成長することへの不安
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詩みたい。
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ミュージシャンから作家に転向して、すばる文学賞をとっちゃったデビュー作です。
こないだ読んだ『サヨナライツカ』とは似ても似つかない(*_*)作品でした...
家庭は荒んで、学校ではイジメられる孤独な中学生には、自分にしか見えないヒカルという、いわゆるもう一人の自分がいます。
寂しさと、よくある思春期の「苛立ち」の中で、情緒不安定になり、殻に閉じ籠って、あれこれ悩み苦しむ訳ですが、
ん~… 果てしなく暗いです...
寂しさのあまりに、伝言ダイヤルで話し相手を見つけて、孤独を癒した挙げ句の先の展開が一番面白かったですが、
村上春樹的に散りばめられた情景描写と、村山龍的な痛々しさが混ざりこんで、路線的には好きですし、後半のスピード感もスリリングで面白かったです。
ん~~、でも被害妄想的な暗さが痛いんです...