- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087712766
感想・レビュー・書評
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からまるの方から先に読んで、そっちはあまり好みじゃなかったので少し心配しつつそれでも何故か面白い予感がしていた。
この島の者は眠っても誰も夢を見ない。電気すらない、ほぼ遊廓しかない隔離された島を舞台にした美しい姉弟、白亜とスケキヨの話。
想像が難しい世界と思いきや徹底した日本語で新鮮で大胆に素直な描写には情緒も漂っていて世界観を思い描く大きな助けになり没頭出来た。俺の好みにすごくフィットした。やはりわずかに少女マンガチックな感じは否めないけれど。
読んだと言うより自分の目で見た(あるいは観た)ような感覚。映画でいうならキムギドク作品のような色彩を感じた。
ハマった作品に恒例なのが、風呂の中で読んでいていい加減湯船からあがりたいけどもう少しだけ読みたい...を繰り返しふやけるパターン。この作品もそうだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感情起伏の乏しい主人公、白亜の傾いた視点から見える人物たちの心の機微が美しい。特に後半は万華鏡をのぞいているようだった。
白亜の目線から見た猫の描写も独特で面白かった。 -
読書完了日2012年12月07日。
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大人の御伽噺と言う雰囲気ですね。
どろっとした部分はあるけれど、綺麗なお話。 -
遊女をどこか違う世界の中に描き出したファンタジー色のあるストーリー。スケキヨという名前に犬神家かー!?と突っ込みたくなるが抑えて。白亜は感情がないという割には泣き笑いをするし、どちらかというとすべて持ってる。出てくる男は精悍な顔付きでとくると、う〜ん…理想的ね、としか言いようがない。何故かあと一歩なのにちぐはぐ感が拭えなくて…うちには話に入り込めなかった。独特の世界観なのにどっか現実で止めてて、そこがすごく話全体を普通にしちゃってる気がした。
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極彩色なのに煙ってる湿っぽくて生臭い頭おかしい夢見たような感じ。
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かつて一大遊郭が栄えた、閉ざされた島。夢喰いの獏、雷魚などの伝説が残る島で、本土を追われた人々は自治組織を作り、独自の文化を営んでいる。捨て子の白亜とスケキヨは、この島で捨て子の姉弟として育った。伝説の遊女の名を継ぐ姉・白亜と、デンキを放つ弟・スケキヨ。ふたりは互いのみを拠りどころに生きてきた。スケキヨは、あるきっかけから薬学の知識を身につける。しかし、その美貌ゆえ、悪評高い裏華町に売られてしまう 。離れ離れになり動揺したふたりは、ある夜、過ちを犯し仲違いしてしまう。成長した白亜もまた廓へ売られ、やがて島随一の美しい遊女となる。スケキヨのことが忘れられず、無感覚のまま身をひさぐ毎日。彼女は遊郭の女郎や裏華町の男達を通じて徐々にスケキヨへと近づいて行くが、彼の周囲には不穏な噂が漂っていた。強く惹 きあい、拒絶を恐れ近づけない姉弟。ふたりが再び寄り添うとき、島にも変化が……。