日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」

著者 :
  • 集英社
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087814859

感想・レビュー・書評

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  • 日本の無縁社会と困窮邦人との関連性を考える視点が面白かった。

  • 海外でホームレスに近いような生活をしている貧困日本人のことを、「困窮邦人」と呼ぶということは、この本を読んで初めて知った。
    この本は、フィリピンの困窮邦人を扱った本だ。この本に登場するほとんどの困窮邦人は、フィリピン・パブでフィリピン人女性と知り合い、そのまま女性を追う形でフィリピンに来たのだけれども、所持金を使い果たし、結果として追いかけてきたフィリピン人女性にも愛想を尽かされ、やむなくホームレスに近い暮らしをしている中年以降の年齢の男性だ。
    非常に個人的な自業自得的な話ばかりで、筆者自身もこの本の中に「こういったことを取り上げて記録する価値があるのだろうか」というようなことを書いている。
    う~ん、筆者自身からそのようなことを言われれば、そのような気もするけれども、でも、ノンフィクションの読み物の題材の選択のやり方として、逆に、それが「価値があるかどうか」ということを考えるものだろうか、とも思う。
    筆者は筆者の興味に従って、作品をものにし、あとの評価は読者がするものだ、と思う。僕としては、この本の記録に「価値があるかどうか」は分からないけれども、「興味を覚えた」のは確かで、そういうものではないだろうか、と思うのだが。

  • h10-忠生図書館2018.2.9  期限2/23 読了2/20 返却2/21

  • 2023/11/23

  • 榎本さんの話は、困窮=不幸ではないことを語っていたように思う。自炊の楽しみを活き活きと語る姿が目に浮かんだ。
    Kemiskinan adalah tidak sama dengan ketidakbahagiaan!!!

  • え、日本人困窮者がフィリピンにいる!?これは社会問題だ!日本社会の歪み!政府の責任!うまくいけば金になる!と思って海外の困窮邦人について鼻息荒く取材を始めたところ、ものの見事に自業自得な奴らばっかりで「これじゃ国民の同情は買えんなぁ」と著者はがっかりしてしまったのでした(まとめ)

    取材対象の困窮邦人、揃いも揃って清々しいまでのクズっぷりですよね。海外結婚をした在外邦人とかにも言えるけど、ルーツは日本だろうが現状住んでいないのであれば社会的には日本人ではないのよ。であれば彼らがどうなろうがまったく構わない。日本が好きだからとかでは全くなく、勝手に外に行って勝手に困ってるんだもの、そんなん勝手にしろよって感じ。高いところに勝手に登って降りられなくなった猫ちゃん、可愛いよね。よしよしおいでーって言って何度でも抱っこして下ろしてあげるけどさ、可愛くないおっさんだったらそのままそこでのたれ死んでろ降りてくんなドアホってなるだろ?税金なんか1円でもつぎ込んでみろ。ぶっとばすかんな?

    見事なまでに彼らに同情できないので、自業自得な人間をこき下ろしてスカッとしたいヤバめな読者の皆様にはおすすめです。

  • この本を読む前からフィリピンの貧困には興味を持っていたが、まさか現地で日本人が困窮生活を送っているとは思わなかった。
    5人のリアルな人物からの証言は生々しく、それぞれの人生においてどこかで”ボタンの掛け違い”があったことがわかる。
    それは、いつ、どこかのタイミングで誰にでも起こり得ることではないか。
    著者に会いにフィリピンのマニラ新聞社に行ったこと、バクララン教会に私も行ったことが懐かしい。

  • 壮絶としか表現のしようのない5人のエピソード。地に足つけた人生を送ることの大切さを教えてくれる、いわば反面教師のような本。

  • フィリピンにおける困窮邦人の生き様に関するルポ。非常に面白く一気に読めた。著者にはタイやベトナムなど、他国の続編を期待。

  •  フィリピンではほとんどの殺人事件は即迷宮入り。裁判所、弁護士、警察官すら金で動く。日本に生まれて良かった・・はずなのに日本を捨てた男たちのお話。

     よく似た話が5回繰り返される。誰かの話が誰かと混同してくる。印象に残った男は高卒、工場と往復生活30年。退職金4800万円。許しを請う手紙を書いてくれる健気な妻。休日にはパチンコとゴルフ三昧。羨ましい人生なのだが、彼は婿養子だった。

     もう一人、学歴詐称の見栄話をする寝たきりになった男。大学は卒ていなくても、詐称しても信じるくらい博識な人物は珍しいし、逆差別かもしれないが好感を持ってしまう。

     大学卒業後、連絡を取れなくなった友が2人いる。いずれも流転の人生を歩んだと推定される。タクシー運転手でもやっているのか?ハガキにメールアドレスを書いて同窓会をよびかけたが、いずれも返事は未だにない。

     友人らはフィリピンにいるのではないか。友人と男たちの物語を重ねて読んでしまった。

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