- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087814859
感想・レビュー・書評
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ここに出てくる人たちに同情できるほど自分は優しくない。フィリピンの人たちに申し訳ない気分になる。
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第9回開高健ノンフィクション賞受賞作。
良かったです。いろいろ考えさせられるが、完成度も高い。嫁もすらすら読了した模様。
>フィリピンクラブとの出合いをきっかけに、居場所を失った日本を捨て、フィリピンへ逃避行、無一文への転落。社会問題となりつつある「困窮邦人」の実態を徹底的にあぶり出す。 -
作者も最後に書いてるが、日本を捨てたではなく、捨てられただと感じた。
2012.11.19 -
娘の友だちのお母さんがフィリピン出身だった家族が、ゴールデンウィークくらいにフィリピンに行くと、別れもなく去った。子どもとだが、お父さんも心配。
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海外でノマドも一歩間違うと取り返しつかなくなる。この本に登場する困窮邦人はかなり悲惨
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フィリピンクラブにはまり女の子を追って渡比し
一文無しになって、女の子一家にも疎まれ捨てられ
あるいは、フィリピンで発病して金持なければ
身体も不自由になり、ホームレスとなった困窮邦人を
在比新聞記者が取材したノンフィクション。 -
さまざまな理由から日本を離れ、フィリピンでホームレスのように暮らすようになった人々を追ったノンフィクション。
ある者はフィリピンパブで出会った女性を追いかけて、ある者は結婚詐欺にあって、ある者は借金から逃げ出し、ある者は家庭から逃げ出してと様々な理由でフィリピンへやってくる。理由は様々だが、結果は同じようにフィリピンで金を使い果たし、日本へ帰る金もなくなって、フィリピンでホームレスのような暮らしをするに至る。そして、彼らを見捨てずに援助をしてあげるフィリピンの貧困層の人々の姿がある。
正直なところ私には、本書に描かれる日本を捨てて行った人々の、忍耐力のなさ、責任感のなさ、計画性のなさ、わがままさ、そして他人への甘えっぷりに対しては全く共感できないし、不快にすら感じられる。同様に感じる人も多いかもしれない。しかし本書の深さは実はそこを通り越したところにある。著者は彼らの弱さを描きつつ、しかし彼らを見捨てないフィリピン社会とは何なのか、そしてそれと対比される日本社会の冷たさについて問いかけている。
私も今年からマニラに暮らす人間の一人であるが、この問いかけには、普通の暮らしをする私は決して答えられるようにはならないだろう。しかしこれからのフィリピンでの生活に際し、いろいろな場面で思い起こさざるを得なくなる一冊であることは間違いない。 -
日本を捨てたのか、捨てられたのか。
日本に帰る事が出来なくなってしまった彼らには、
自己責任という言葉が どうしても出てくる。
しかし「責任」なんて言葉は 彼らにとって何の意味も持たないように感じる。
フィリピンの人々の愛情の深さに驚かされる。 -
著者自身が、フィリピンハマリ組に心情的に近いせいか、
彼らが生まれてくる背景を日本社会の所為にしすぎている。
同じフィリピンハマリ組を取り上げた先行者である、
浜なつ子の、受け入れるフィリピン社会への考察に比べると
数段内容が劣る。