日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 525
感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087814859

感想・レビュー・書評

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  • 賞を取った本だそうです。結構いろんなところで取り上げられています。

    ノンフィクションだけあって、なのか、著者の葛藤がすごく表れていて、読了後の爽快感は味わえない、といっても過言ではありません。

    バックグラウンドはそれぞれだけど、フィリピンパブのお姉ちゃんを追っかけて渡航したおじさんたち。お金も使い果たして、不法滞在にもなってしまっていて、今は現地の貧しくも心優しい人々にすがって生きる他ない人々。彼らの語る自らの半生は嘘ばっかり…。

    そんな彼らへの援助を断るほかない大使館に対し、賛否両論もあり、助けるべく他の方法を模索するものの、結局は行きつく「自己責任」。残念だけど、それも1つの生き方なんだな、と。

  • ダメなやつが出てくるんだろうなぁと
    面白半分で読んだら
    やっぱりダメな人間っぽい人がいた。

    フィリピンを知らなかったが、
    みんなで助けあうという国民性があるんだな。

    60歳近くで退職金をもってフィリピンに渡った
    婿養子サラリーマンへの妻の手紙は感動した。

  • フィリピンの困窮邦人を描いたノンフィクション。行ったこともないのにどろどろとしたマニラの街並みが浮かぶ。フィリピンクラブの若い女性にみせられ、あるいは犯罪から逃げるために飛行でわずか4時間の島国に降り立つ。金はみるみるうちに減って、先進国の住民が途上国でホームレスになる。彼らに同本国から差し伸べられる手はなく、一方で温かいフィリピン人からの援助で生き続ける。著者自身も「自業自得」という思いと、彼らが打ち明ける日本での閉塞感への同情心の合間で葛藤する。
    社会問題としても扱われない困窮邦人の存在を初めて知った。

  • 以前にNHKラジオの「著者に聞きたい本のツボ」で紹介された本です。たまたま図書館で見かけたので借りてきました。フィリピンに女性を追っかけして帰れない人たちのドキュメントです。

    フィリピンの女性ってそんなに魅力的なのかなぁ?やっぱり日本人がいいよね。

  • 334.4248 ミ 登録番号8707

  • 彼らは「日本を捨てた」のか「日本に捨てられた」のか…。
    開放の地、フィリピンで暮らす困窮邦人の姿を追ったノンフィクション。
    まず、このような”世界”がある事に驚いた。
    日本国内であっても、困窮状態で暮らす事は様々な苦労を伴うだろう。
    ましてや、国外であれば更に多くの苦労があるだろう。
    しかし、この本には「日本に帰りたくない」という人も出てくる…「フィリピンの方がいい」と。
    様々な理由で日本という国に居られなくなった人たち。
    彼らはフィリピンで何を手に入れたのだろう…。
    色々と考えさせられてしまった。

  • フィリピンに渡って、そこでホームレス化してしまっている邦人達。
    本人にはどうしようもできなかった何かしら外因があるのかもしれない。それが著者の出発点でした。そして、その通りだったなら、もっと高尚なテーマになりえたのだろう。
    しかし、そこに見たのは因果応報でした。
    彼らをどうすべきなのか?
    道徳的には、日本に帰る援助をすべきなのでしょう。そして日本でもちゃんと生活できるようにお膳立てしてあげるべきです。税金を使って。
    しかし、心情的にはどうだろう?
    そして、心情的に許せないと思った自分も、将来似たような状況にならないという可能性は無いのか?否だと言った途端に、自分がそうなっても助けてくれなくても良いと言ってしまう事になる。
    業の深い問題です。

  • 4月21日読了。

    『困窮邦人』はじめて聞く言葉だった。
    海外で生活がしていけずホームレス状態になる人を指す言葉だが、日本国内で知り合ったフィリピン人を追いかけフィリピンに渡ったが金を使い果たし、フィリピン人女性にも追い出されてしまった人がほとんどらしい。

    本書ではこのフィリピンで生活する困窮邦人を丁寧に取材したノンフィクション。

    まぁ、真面目な人ほど何かが吹っ切れて全てを投げ出し若いフィリピン女性に狂うものなのかなぁと思ってしまった。

  • ノンフィクション賞受賞作。内容的、文章的に、読み進め辛かった…。

  • 内容紹介
    第9回開高健ノンフィクション賞受賞作!
    フィリピンクラブとの出合いが、フィリピンへの逃避行、無一文への転落と5人の男の運命を変えた。今や社会問題となりつつある「困窮邦人」の実態を徹底的にあぶり出す渾身のノンフィクション。

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