日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」

著者 :
  • 集英社
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087814859

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと気になる

  • 人間は簡単に死なないし、やりたくないことをさけて通れるんじゃないかと思った。上手くやれるやれないの差はきっとあるんだろうけど。

    後悔しているようにも思えるし、なんだかんだ嫌な事がありつつ
    まあいいかって思ってるようにも感じた。

    選べる自由は少くないかもしれないけど、その中で選んで生きていくわけで。タフであるということは国にや環境に依らず楽しく生きる一つの答えかもね。と勝手に思った。

    本としては純粋に面白かったけど、繰り返しは読まないかも。

  • フィリピンの人達の隣人愛は素晴らしいものがあるが、それにすがっている困窮邦人には情けなくなる。フィリピンに逃げる以前に日本で破綻している人はどこに行っても駄目だと思った。

  • フィリピンに渡ったまま所持金がなくなり、帰国できずに不法滞在状態にある5人の邦人男性を取材したルポルタージュ。

    日本であればビザ切れ等で不法滞在状態になってしまった外国人は発見され次第強制送還になりそうなものだが、フィリピンは違うらしく、罰金を入国管理局に収めないと帰国できないそうだ。一年間不法滞在した場合、約3万ペソ(約6万円)の支払いが必要になるという。更に帰国するための航空運賃も必要で、所持金のない状態になってしまった者の多くは支払い能力も金を調達するあてもないため、そのままずるずると不法滞在を続けているという。

    誰しも盗難や強盗被害などで海外滞在中に所持金がなくなる可能性はあるだろう。しかし万が一そうなっても、多くの人は日本大使館や警察を頼り、日本の親類や友人に連絡をつけて、送金してもらうなり借金するなりして、とにかく帰国しようとするだろう。

    この本で取り上げられている男たちは何故それをしないのか。
    読む前はそれを疑問に感じていたが、彼らは皆既に何度か日本の縁者に送金してもらったもののその金を帰国に使わず使ってしまったか、あるいは送金してくれる人のあてがないのだった。

    彼らのほとんどは日本のフィリピンクラブで知り合った女性を追いかけてフィリピンに渡った男たちだった。そうした女性たちは金が続くうちは彼らを大切にしたが、搾り取るだけ搾り取ると彼らを捨てる。行くあてもない男たちは、現地の貧困層の住民の情けを得て、どうにか生きているのだ。

    著者もたびたび言及していたが、フィリピン人の博愛主義はちょっと理解できない。もちろん男たちから金を搾り取って捨てるような者もいるのだが、その一方で、縁もゆかりもない、己の生活だって苦しいはずの貧困層のフィリピン人が、「可哀想だから」というだけで食事や寝床の面倒を見たりするのだ。
    いくらキリスト教の国だからといって、この博愛主義はちょっと理解できない。尊い行いだとは思うが、こうした温情がなければ困窮邦人はもっと必死にもがこうとするのではないだろうか。

    この本に出てくる5人の男たちの置かれた苦境は、同情の余地がほとんどなく、自業自得という面が大きい。しかし、皆帰国のチャンスが全くなかったわけではなく、送金してくれたり、帰国のための手助けをしてくれようとした人がいた。
    にも関わらず、彼らはそのたびに自らその機会を潰し、宙ぶらりんな立場を自分の意志で選び取っているのだ。

    困窮邦人になった経緯はそれぞれ異なるとはいえ、傍若無人で恩知らずな態度は共通しており、帰国に協力しようとした人たちの虚しさを思うと何とも言えない気持ちになる。

    時々「何もかも捨てて海外に高飛びしたい」と思うことは誰にでもあるだろうが、その結果の現実の一端を垣間見た気がした。

  • 自己責任は、自分で選べる人のものかもしれない。自分が努力できるから、努力しないことを非難できるのかもしれない。私は若い女にチヤホヤされて舞い上がってしまう気持ちは理解できないけど、理解できない環境に生まれて生きているからだとも思う。

  •  その国に行ったはいいものの、お金を使い果たし、日々の生活に困り、ホームレス化している困窮邦人が一番多いのはフィリピンだという。(表に出ているだけなので実際はもっと多いのかも)
     なぜ彼らはフィリピンに行ったのか?
     理由はお察しの通りなんだけど、なんというか、男性が男性に対して向かい合っていると言うか、自分に向き合っていると言うか著者の自省傾向が興味深い。

     対岸の火事ではなくて、ある程度付き合い方を考えたり、割り切りをしようとしながらも自分のこととして考えている。そのあたりが読んでいて面白い。
     ノンフィクションって事実だけじゃなくて、著者自身が出ているものの方が好きだなぁ。

  • 困窮邦人@フィリピンの話。
    何とも自分勝手な人たちだという感想が第一にくる。
    そんな日本人を支えているのがフィリピン人。

    困窮邦人を救わない日本を攻めるというのはお門違い。
    要は、家庭を捨て、女に溺れて、フィリピンで厄介になっているというなんともな〜というように思えた。

  • 堕ちるべくして堕ちたきもするが、
    サルベージシステムがまったくないんだな。日本には。
    (ほかの国がどうかはわからない)

  • 東南アジア全体で同様の困窮邦人がたくさんいると思う。
    自己責任以外、解はないだろう。人の弱さとは誰もが抱えているが、どこで抑えるかエクスプロージョンさせるかは、自分にもトリガーはわからないし、ましてや家族もわかる訳がない。
    そのフォローまで税金を投入できる仕組みを作るなら、大増税しかない。
    それよりも教育に力点をおいて、本当の意味での大人を育てたい。
    困窮邦人らはオトナだが大人ではなく子供である。
    さあ、俺はどうだろうか?

  • フィリピンに暮らす、困窮邦人たち。彼らはなぜフィリピンに渡り、なぜ貧困の中に暮らすのか。日本に捨てられたのか、日本を捨てたのか。
    自分がどんな社会で生きたいと思ってるのかを想起させる内容。どんな風に暮らしたい?生きていたい?人と付き合ってたい?
    願わくばみんな幸せであるように。

    メモ
    たぶんHONZ 図書館

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