- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101104362
感想・レビュー・書評
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話の展開がいよいよクライマックスへと向かっていきます。
この徐々に状況が変わっていく様を、登場人物それぞれの心境を背景に映し出されていくのがたまらなく面白いです。
最終巻も今読み始めていますが、あっという間に読み終えそうです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前巻に引き続き法廷闘争。第二審へ。中小企業のワンマン社長が癌で死亡し、そこに医療過誤があったかどうかが争われる。
市井の人と大権力との戦いは池井戸潤作品にも通じるかと。
一方で被控訴人の財前教授は学術会議会員という更なる権威獲得のため選挙に打って出る。裁判、選挙の双方をシーソーゲームとなぞらえ、そのどちらにも勝ってみせるという不敵さ。
けれど控訴した側の関口弁護士が必死に医学知識を身に付けて、財前側の手落ちを証明してくれる人を求めて日本中を駆け巡り、彼の元に強力な証人が揃ってゆく。
裁判の決着が着く最終巻へ。 -
1審を終え2審にいたるまでの話を描いている。
3話が大味な分、幾らか物足りない気がしないでもなかった内容だったが、こららが5話でまた上手くまとめられると思うとより楽しく読めた。中でも、繊細な人間の心の動きを鋭く描写している点がより楽しめたところだ。
財前五郎というキャラクターから学べることは非常に多く、その物怖じしない度胸と強さは見習い、身に付けたいと思った。 -
一審の判決後から学術会議選の序盤、控訴審の始まりまで。
一件すると一審に勝った財前はいまだ絶頂期にあるようだが、徐々に綻びが出てきているさまが描かれている。 -
舞台は第二審にうつった。
里見や東も自分に合った環境で仕事ができているようで嬉しい気持ちになった。
しかし、東の立ち位置についてはよくわからない。第1巻では悪者のようにみえていたが、財前が堕ちるのに従ってかわいそうなおじいさんに見えてきた。が、本当にいい人なのだろうか…?
いよいよ道徳が報われる時が来たかな、という展開でした。
財前や柳原も更生の兆しが見られたような気がした。
次はいよいよ最終巻、どういう結末を見れるのだろう。楽しみだ。 -
派閥を経験したことがないので、内部に対してこれだけの力量を使う事が無駄に感じてしまうのが、率直な感想です。その分外部に使えば、どれだけ世の中に貢献できるのかと考えられるのは、今が恵まれた環境で働いているからかもしれませんが。
しかし、こういったドロドロ感満載のテーマを緻密な取材をされた上で筆を取られているのか、まったくもって飽きません。 -
1巻に記載
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2019年5月6日、読み始め。
2019年5月11日、読了。 -
第四巻からは、『続白い巨塔』です。控訴審裁判と、学術会議選の双方を勝ち取ろうとする財前の野心は、凄まじいを通り越して開いた口が塞がりません。
国立浪速大学教授・財前五郎の医療ミスを訴えた民事裁判は、原告側(患者側)の敗訴に終わる。同じ大学の助教授の身で原告側証人に立った里見脩二は、大学を去り、権威的しがらみのない近畿癌センターに移った。
他方、裁判に勝訴した財前のもとに、学術会議選挙出馬の誘いがもたらされる。学会人事がらみの危険な罠を感じながらも財前は、開始された医事裁判控訴審と学術会議選挙をシーソーのように操り、両者ともに勝利することに野望を滾らす…。
この小説もいよいよ佳境に入ってきました。著者の徹底した取材力にも驚かされますが、それを分かりやすくまとめる構成力、特に対比の妙には唸らされます。
第一審で敗れた原告側の零落ぶりは読んでいてつらくなります。株式会社とはいえ事実上は個人経営だった佐々木繊維卸商店は、店主の佐々木庸平の急逝により商売が立ち行かなくなる。債権者からの容赦ない取立てや、番頭による持ち逃げにより妻のよし江は寝込んでしまう。この惨状の中裁判を闘うことがいかに過酷かが著者の克明な筆致で明らかにされます。
他方、出世街道を直走る財前。鵜飼医学部長から打診された学術会議選に権力闘争のにおいを嗅ぎつけながらも、野心を剥き出しにして出馬する利己心の強さは相変わらずで、裁判を経てもなお懲りていない様子。
この、裁判の勝敗による明暗の描き分けが巧い。そして辛酸を舐めつつ謙虚に研究に邁進する里見の姿に救われますね。財前と里見の対比も鮮やか。
息詰まるような展開は最終巻へと続きます。 -
この巻ではこれまで調子に乗ってた財前の弱気な所が見られて面白いのだけど‥‥しつこい❗️
裁判の行方が気になる。