触身仏 蓮丈那智フィールドファイルⅡ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101207223

感想・レビュー・書評

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  • 蓮丈那智シリーズに馴染めない
    それなら読むなというところだが
    手にとってしまう
    北森があの世から呼んでいるのかも…
    3.5点

  • 民俗学・上代神話の蘊蓄もしっかり楽しめるミステリー短編集。
    「ミステリー」の部分が多少とってつけたようなエピソードもあるものの、
    短編の長さでよくばりできる内容になっており満足。

    1作目よりも、上代神話にまつわるお話が多くて、
    事件とひっかけるとよりドラマティックな印象になりました。

    歴史や民俗学、国文学が絡んだミステリって、
    実のところもはや目新しさは感じないのだけれど、
    得てしてどれもこれも長く長~くなりがち。

    だけど、浅すぎず深すぎず、程よいサイズにまとめられて
    落ちるのがこのシリーズのすごいところだと思っています。

    ミクニと教授の関係もこの先どうなるのか気になります。

  • 20140820 シリーズ二作目。女性としての存在が少しずつ出てきているような。ミクニが少しずつ成長しているのも楽しい。次はどうなるのか。

  •  民俗学ミステリ集、蓮丈那智シリーズ第二弾。
     即身仏と塞の神、五百羅漢と山人伝説、わらしべ長者伝説の正体、神話の神々の変貌、三種の神器と国家事業。
     転換された古(いにしえ)の悲劇を、あざやかに読み解く、那智の鋭さと強さ。
     歴史の底にどろりと澱む、昏い記憶に息を呑んでは、翻弄される現代の人々を見るにつけ、人間の性(さが)のやりきれなさを憂う。

  • 蓮丈那智シリーズ第二弾。山人伝説や三種の神器など有名どこの謎から即身仏まで色々と楽しめる(?)一冊。個人的には、どんどん存在感をましてくる狐目の教務部の方が気になります。

  • 再読でも面白さは色褪せず。

  • なんとなく民俗学モノを読みたくて手にとって、旅行へ3冊持って出たものの。やはり主人公の天才助教授は美形にしないと話にならないのだろうか。そこが全くつまらなく思えて、この手のは途中でやめてしまう。

  • 異端の民俗学者蓮丈那智が古の謎に挑む短編集2作目。

    面白いけど、各編で取り上げる題材は結構大ネタぞろいの割に、前作以上に突出した仮説が述べられるわけでなく、寸止めというか食い足りない感じがする。うーん、惜しい。

    同じ路線の宗像教授だと、完結編の号ごと、毎度感嘆しとるんですが。
    (2006年記)

  • 「蓮丈那智フィールドファイルⅡ」というサブタイトル通り、民俗学を専門とする私大助教授・蓮丈那智と、その助手・内藤三國が遭遇する事件の短篇集第二弾です。
    とは言え、前巻より実際にフィールドに出る比率は低くなり、中には蓮丈先生が安楽椅子探偵めいた趣の話も。自分としてはフィールドワーク先で事件に遭遇するスタイルの前巻の方が好みの話が多かったかな。
    今巻では、教務部の狐目氏の人柄がわかってきたのが良かったです。

    ■収録タイトル
    「秘供養」…蓮丈の受け持つゼミ生が変死を遂げる。死の直前、彼女は【山人による人攫い伝説】のレポートを途中まで完璧に仕上げていたにも関わらず、何故か重要な部分を書かぬまま提出していたのだった。(余談ですが、この話、被害者の死亡時の描写にぞっとしました)

    「大黒闇」…大学内の怪しげな新興宗教サークルに所属する兄を助けて欲しいとの相談を受けた内藤だが、彼に接触しようとした矢先に当の本人が殺人事件の容疑をかけられたまま死亡してしまう。女性教祖との対峙が【神の変貌】と絡められ描かれる。

    「死満瓊」…【勾玉】に関する私的研究会に参加した蓮丈が、なんと崖から転落した車の内部から発見された。しかも、あろうことか車内には同研究会の参加者の遺体が共にあったのだという。病室で蓮丈が事件の真相に迫る。

    「触身仏」…とある村の木堂に保存されている【即身仏】についての手紙を貰い現場を訪れた蓮丈と内藤だったが、手紙の送り主である郷土研究者が行方不明となってしまう。内藤のトラウマにも触れる一篇。

    「御蔭講」…内藤が講師昇格のために執筆する論文を巡って起こるある事件。【御蔭講とわらしべ長者伝説】にまつわる話。蓮丈研究室に新メンバーが入ったりと、新たな変化を感じる一篇。

    ***

    個人的な一番のおすすめは「御蔭講」かな。内藤の情けなさには苦笑せざるを得ませんが、周りに助けられて成長していく様子は微笑ましいし、応援したくなります。
    まあ正直なところ、製鉄伝説に関する話題が多くて、またそれかーという気はしました。大学内の様子が描かれたのは蓮丈や内藤の普段の生活を知るきっかけになって良かったですが、前巻のように民俗学についてバリエーションが多い方が自分としては好みだなあ。

  • すごく面白くてオススメ!!という★5つではないのですが・・・好きなのですよw それに、本には中身とは別の思い入れが宿ったりしますからね。そういう★5つですww

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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