嵐が丘 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (707ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102097045

感想・レビュー・書評

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  • もっとも気に入っている作品の一つ。
    ヒースクリフの復讐をテーマにしているが、悲恋の要素が強い。
    ヒースクリフ、キャサリンと登場人物が勝手、モラルがなさ過ぎて、感情移入しにくいかもしれないが、そこが魅力。2人は良心など気にすることなく、欲望のままに生きている。

  • まさかこんな復讐劇とは思わなかった。終始重苦しいけれど、先が気になるので読み切れた。育った環境で人は変わる…。

  • とても陰鬱で、登場人物への不快感が募る、個人的にはあまり好きではない作品になった。
    当時の事情などがあると思うが、個人の自由がなさすぎる世界で窮屈さを感じた。

    ただ、700ページ近い作品だけどあっという間に読み終えた感じもある。
    陰鬱だけども、展開が気になって読み進められた作品。
    もっと爽やかな恋愛小説を読む前に期待してたから良くなかったのかな・・・

  • 水村美苗著『本格小説』が、日本版『嵐が丘』だというのを、『本格小説』を読み終わってから知ったので、ぜひとも読んでみたいと思い、やっと手に入ったので読んでみた。何しろ『本格小説』がとても良くて、私の読書人生の中でかなり上位に食い込むほどだったので。

    なわけで、『嵐が丘』を読んでる最中、ずっと『本格小説』との擦り合わせ作業が続いた。それはそれで面白かった。

    しかし、登場人物みんながトチ狂ってる。ついつい「こわいわぁー」なんてつぶやきながら読みました。
    それにしても、よく人の死ぬこと!あらゆる話題が昼ドラレベルで、ある意味面白いです。

  • そう言えば読んだことなかったので読んでみる。

    やー。なかなかドロドロした激しいお話でした…。そして登場人物ほぼ全員の性格が悪い。もうちょっとお互いに思いやれないのかみんな…。そしたら平和に暮らせるのでは!
    と思ってしまうけど、そうなったら全く別の話だよね。

    読後感は意外と爽やかでした。

  • ドストエフスキーみたいな強烈なキャラクターと荒々しさのある、読みやすくて面白い小説!

    作者が女性というのにびっくり、この一作しか書いてないのがとても残念。当時は批判されたらしいが、天才的なセンスがあると思う。

    ヒースクリフとキャサリンに負けず、ロックウッドさんも変人だと思う。

    サーガ色の強い恋愛小説だと思った。
    面白い!

  • 女中ネリーの行動があやしい。
    彼女も復讐を狙っているのではなかろうか。

  • 長らく積読だったけど、いざ読み始めたら本当にあっという間。700ページもの大長編だが、流れるような物語に惹きこまれてしまった。やっぱり古典は読んで損はしないな。

    最後の最後まで、復讐に駆られた主人公ヒースクリフにより巻き起こされる悲劇には目を覆いたくなるが、最後の最後できちんと救いが残されているのに安心。

    しかし、著者のE・ブロンテはこれだけの作品を明確なモデルや参考資料がない中で、もっぱら自らの創作力で完成させたということだけど、人間の創作力や想像力の凄さには恐れ入る。

  • 最初は田舎が舞台の泥仕合のメロドラマかと思いきや、かの文豪サマセット・モームがリア王並みの悲劇だ、と評するのも頷ける二世代に渡る大河ドラマっぷり。ヒースクリフの大物悪役感ぶりが非常に物語をサスペンスに盛り上げつつ、終盤に自分が財産をのっとって破滅させた2家のヘアトンとキャサリンの仲睦まじさに、かつての自分と愛した女を重ね合わせて、幻覚を見ては苦悩し独白する姿がなんとも言えない対比となっていて、彼の悲しき哀れな人間性の深さに引き込まれてしまう。しかし、子リントンのヘタレな扱いっぷりにイライラしつつ笑わずにはいられない。

  • 高校生の時以来久しぶりの再読。700ページに及ぶ大作なので、なかなか佳境に入らないのだが読了してみると、しみじみとした感慨にふけることになる。ヒースの散在する北イングランドの荒涼としたムーア。姓も名も不明のままのヒースクリフという墓碑銘。この作品もまた、燦然たる孤高の中にある。語りもまた独特だ。基本的にはネリーの回想で語られるという、いわば間接話法によるリアリティのあり方。あまりにも濃密な関係性。凝縮された小説世界―どれをとっても、ここにしか存在しない世界だ。物語の空間に耽溺できる固有の時間がここにある。

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