贖罪〈上〉 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.97
  • (75)
  • (57)
  • (66)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 679
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102157237

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ああ、これは映画の宣伝で観たアレかと思ったらやっぱりそうでした。語り手がくるくる変わるが、それもうまくいっている。「物語」が読みたいと思って読み始めたので、まさに物語。作家志望の少女が出てくることで、小説の中で小説を書くことにも触れるという構造になっている。小説でかけるものと、かけないもの。また、思春期の少女がいかにして大人になっていくか、「善悪」の基準が変わっていく、さまざまな権力構造の中に自分が否応なしにむすびつけられていくといったことを通して描かれていて、その辺もおもしろい。まあ、軸は少女の姉とおさななじみの恋愛なのかな。以前、アムステルダムを読み始めて途中でどうしたのか覚えていないのでもう一度、アムステルダムにも挑戦したい。

  • 映画を観てから読んだ本。映画の衝撃が今度はゆっくりきた感じ。

  • 重厚なようで軽やかというこの何ともいいがたい表現力。上巻の中後半で一気にストーリーの展望が見えてくる。悲しみが美しい表現によって際立っておる、のかもしれぬ。

  • 「つぐない」という映画の原作。
    13歳の少女の誤解から姉と幼馴染みの恋が無惨に壊されてしまう。
    空想的で感性はあるが思いこみの激しい少女と、周りの人間の抱えている性格的な弱さや置かれた立場による苦しみがどう作用したか。
    真実に迫ろうとする筆致は迫力に満ちています。
    大戦によってまた人は翻弄され…一生をかけた償いという意味は次第にわかってきます。

  • 少女の夢想、羽化の誤解、独善的な潔癖、交錯、運命の悪戯〜下巻に続く〜

  • 自分が行ったことによって人が悲しみ、苦しみ、終には死ぬ。

  • はじめまして。最近文庫に落ちたばかりなのでお勧めします。上巻での進み方が少々悠長すぎるようにおもわれるかも知れませんが是非じっくり読んでいただきたく。ただ下巻は電車など公の場で読むとうっかり落涙の危機があるやもしれませんが・・・

    〜お薦めお返事〜
    お薦め有り難うございます!あらすじを読みながら、すごく興味が惹かれました。海外翻訳の苦手な私でも、たまにガムシャラに「何だか凄く海外翻訳が読みたい!」という時期がありますので、その時に手を出してしまいそうな、そんな一冊になりそうです。しかも新潮文庫!私が文庫で一番好きなのが新潮なので、その為よく新潮文庫のコーナーでウロウロするのですが、その時に目を皿のようにして探し出そうと思います。お薦め有り難うございました!>たもつ

  • アカデミー賞受賞作品の原作です。イギリスの田舎に住む文学好きで妄想壁のある少女が、姉と使用人の息子との間の関係に嫉妬し、思わぬ形で復讐を遂げます。評価の高い作品だそうですが、子供の複雑な感情をうまく表現していると思いました。

著者プロフィール

イアン・マキューアン1948年英国ハンプシャー生まれ。75年デビュー作『最初の恋、最後の儀式』でサマセット・モーム賞受賞後、現代イギリス文学を代表する小説家として不動の地位を保つ。『セメント・ガーデン』『イノセント』、『アムステルダム』『贖罪』『恋するアダム』等邦訳多数。

「2023年 『夢みるピーターの七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

イアン・マキューアンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×