- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120046728
感想・レビュー・書評
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やっぱり吉田篤弘の月舟町シリーズのこの雰囲気、何ともイイ味だなあ。吾輩は猫であるの犬版。まっすぐでユニークな哲学的思考と愛情を持って街の人々とその出来事を犬の視点で語る。映画と古本、音楽、古き良きもの。愛すべき人たち。深々としたヒューモア、ペーソスに満ちた場所だ。
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月舟三部作の三作目。ジャンゴ目線で進む物語は、静かで淡々としているのにドラマに満ちていました。真似されたクロケット定食。本当に美味しいものを食べたときは言葉なんてでないんだ…その後からの物語に涙がポロポロと。古本屋を続ける親方、美味しい珈琲を入れたい二人、「ここ」を知ってもどんどん変わることが自由で嬉しい果物屋さん。笑いたくて、人のことを理解したくて仕方ない犬。最後の最後、少し笑ったジャンゴが可愛くて可愛くて❤穏やかな中にも日常のドラマがたくさん。そんな月舟町に一人でも多くの方が来てくれますように…。
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月舟町三部作の最終作。
三部作と言ってもそれぞれが独立した作品なので、世界観や登場人物を共有した別作品。
人間、ふとした時に心の移り変わりや、いわゆるターニングポイントと言ったものを迎える事がある。
きっかけは様々。誰かの一言であったり、出会いであったり、出来事であったり。
三部作の最後に描かれているのは、人が生きていく中で出会う様々なことによって、「変わらないことを恐れない」という、日常への小さな勇気を持つことの大切さだった。
過去二作の登場人物も交えた、穏やかな時間が「変わらず」流れ続けていた。 -
月舟町三部作の完結編。
映画館で飼われている犬・ジャンゴの視点から月舟町の人々の様子が伝わってくる。そして、シリーズで登場していた今までの人たちがすべてつながった形に。
月舟町の人たちはみんな優しくて、穏やかに暮らしているけれど、自分たちがどうしたいのかを悩んでいる。最後にはどうしたいのか、なぜそう思うのかということを発見していく。読んでいて励まされました。
ジャンゴも様々な思いを抱えて、人間たちが悩む姿にはらはらさせられながら、プライドを持って生きている姿が、賢くもあり、かわいい。
月舟町に私も住みたいと思う。 -
021
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吉田さんの作品はいっつも別世界に連れていかれる
不思議な異空間って感じかなぁ
コロッケ食べたい -
小さな町の、客のあまり入らない映画館「月舟シネマ」で飼われているシェパード犬、ジャンゴ。
立派な名前があるのに、古本屋の親方には「アンゴ」と呼ばれ、映画館でパンを売っている初美さんには「ゴン」と呼ばれ、それでもひねくれることなく(?)日々すてきな「犬視点」で映画館とそのマスターの直を取り巻く日常を見つめる物語だ。
日々の山谷が、ジャンゴの目を通して描かれると途方もなくかわいらしく、楽しく、いとおしく見える。
すべての登場人物のキャラがすてきなんだけれど、まあなんといってもジャンゴがかわいすぎる。
ぱっと見が寂しそうに見えるせいで人間から「腹がすいたのか?」などと聞かれてしまうことが切なくて「笑う犬」になりたいと思うとか、犬の脳は人間に比べると容量が低くて記憶できるものが少ないのでカメラが使えたらいいのにと考えるとか、もう、かわいすぎる。
生きて、笑って、それだけで天下泰平、人生楽しい!と思える一冊。 -
月舟町三部作の完結編。いままでの登場人物の影もチラホラあって、既刊読者なら、かならずクスッとしてしまうはず。ここから読んで、遡るのもありですね。ジャンゴの響きが作品にぴったりでした。
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月舟町シリーズ第3弾完結編。魅力的な月舟町の人たちに会える、とても優しい物語。
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登場人物&犬たち、みんな本当に愛おしい。
中でも親方サイコーです!
理屈ではなく夢中になれることをずっと続けられたら幸せ。