競争と公平感: 市場経済の本当のメリット (中公新書 2045)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121020451

感想・レビュー・書評

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  • 参考文献は非常に多く、時間をかけて研究されたのだろう。データも多く使われ、説得力はある内容。
    だが、思い切った自論を展開するのではなく、今後の改善案的なものは平凡な気がした。
    団塊の世代のボリュームが選挙結果にも影響しているとのことだが、たしかに多数決の論理ではそうだろう。
    日本人には自分のことだけでなく、日本全体の今後のことを考えている人が多いことを願いたい。

  • 競争の大事さわ経済的に語る本
    日本人に競争嫌いが多い理由を説明
    いろんなことに触れてはいるが、なんか散発的な印象を受ける

  • 人間とは合理的な意識を持つことがいかに難しいかがよくわかる本である。
    本書は言う。「日本は市場経済への期待も国の役割への期待も最低というとても変わった国である」。とても驚いた。目から鱗である。
    経済学者は普遍的な定理を主張するのものと思っていたが、本書では国民文化の違いから考察が始まる。なるほどこれが「応用経済学」と言うものか。
    本書を読むと、縦割りの狭い領域を超える知見こそが新たな発見をもたらしてくれることを感じさせてくれる。まさに知性には限界が無いと思えた。

  • 中公新書 大竹文雄 著

       「競 争 と 公 平 感」   

     本体価格¥780+税
     2010/3/25初版発行

    週刊ダイヤモンド「2010年ベスト経済書」第1位。

  • 近頃似たような本を多数読んでいるので、読後感が希釈されてしまって、残らない。
    割と雑然とした経済学のコラム集
    記憶に残った項目
    男のほうが競争が好きなのが男のほうが出世するという結果につながっているかもしれない
    小さく生んで大きく育てるは間違い、体内で栄養状態が悪いと、飽食生活に耐えられないで肥満になる傾向が高い
    最低賃金引き上げは、貧困層に大きな損害を与える
    夏休みの宿題を最後までのコスタイプの人は、多重債務に陥りやすい。それは、主観的割引率が高いため

    2014年 前に読んだこと完全に忘れて再読。この記事書くまで、前に読んだことがあることを思い出せなかった。orz

  • 学部生の副読本としてよいのではないでしょうか。

  • 社会
    経済

  • <本全体、あるいは各章ごとの概要>

    <個人的な知識・ターム>
    * 覚えておきたい事(本全体の主張と関係なくともよい) + キーワードで興味のあるもの
    * 短い説明とページを記入
    <引用>

    <自分の見解>
    * 読後感・意見・反論・補足など書きたいと思ったこと

  • 経済学者による市場経済と平等について書かれたもの。直接、本論について書かれている箇所は少なく、日本人、男女、教育、身体機能等、さまざまなことをトピック的にあるいはコラムとして記載し、素人でもわかりやすく、興味深く読めた。印象的な箇所を記す。
    「市場競争の格差対策には2つある。第一は、政府による社会保障を通じた再配分政策によって格差を解消することであり、第二は、低所得の人たちに技能を身につけさせる教育・訓練を充実することである」
    「若年層ほど、勤勉よりも運やコネが人生の成功で重要だと答える割合が高い」
    「(薬指が長い人は能力が高いことについて)十両や前頭下位で引退した力士よりも、横綱や大関といった上位に昇進した力士の方が、薬指が人差し指より相対的に長いことがわかった。瞬間的な判断力を必要とする職種では、テストステロンの量が重要な資質として機能するようだ。(シカゴ大学、ケンブリッジ大学の研究結果も同じ。薬指の長さは、テストステロンの量と相関があることが知られている)」
    「(市場競争のメリット)市場経済に任せると、最も効率的にさまざまな商品やサービスが人々の間に分配される。つまり、売れ残りや品不足が発生しないという意味で、無駄がなくなるということだ。無駄がなくなるということは、同じだけの資源をもっている場合に、私たちの生活は最も豊かになるということである」
    「簡単にいえば、市場経済のメリットとは「市場で厳しく競争して、国全体が豊かになって、その豊かさを再分配政策で全員に分け与えることができる」ということだ」
    「教科書は、「競争環境をうまく設定すれば、市場競争によって私たちは豊かになれる」という一番大事なメッセージを伝えることに成功していない。それは、市場の失敗と独占の弊害ばかりを強調しているためである」
    「(出産時の低体重児は、健康障害及び教育水準低下と関連性があるとの研究について)栄養状態の悪い妊婦から低体重児が生まれ、その子どもが育っても健康状態が悪く、所得が低くなって、子どもを生むと低体重の子どもが生まれる」
    「中学生の時に、夏休みの宿題を夏休みの最後の方にやった人は、たばこを吸いやすく、ギャンブルをしていることが多く、借金を背負う確率も高い」
    「非正規労働者が、労働者への配分が減ったものの多くを負担している。このことは正社員の雇用を守り、企業の労務コストを削減するという意味で、正社員と企業経営者にとって短期的には合理的である」
    「(競争否定論者に対して)オリンピックから競争がなくなって、金メダルが廃止され、単に参加賞しか出なくなったとすれば、オリンピックを楽しむ人は激減するだろう」

  • 819円購入2011-01-25

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著者プロフィール

大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授。

「2023年 『検証・コロナ期日本の働き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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