応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024015

感想・レビュー・書評

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  • 応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

  • May-18

  • 京都で「先(せん)の戦(いくさ)」といえば〈応仁の乱〉のことを指すのだ、と言われるくらい京都に大ダメージを与えたといわれる中世の大乱。戦国時代の先触れとも位置付けられるこの戦、細川勝元VS山名宗全の対立が原因と簡単に片づけられることが多いようだが、果たしてそうなのか?10年余りにもわたって京の町を焼き尽くし、室町幕府を終焉に導いたとされるが、そんな単純に片づけていいものだろうか。
    誰でも知っているけれど、本当のところはややこしすぎてよくわからない。そんな「応仁の乱」の全貌を、奈良・興福寺の二人の別当の視点から解き明かした渾身の意欲作、と言えるのではないだろうか。とにかく登場人物が多すぎるうえ、名前がこんがらがりがちになるが、著者はできるだけ懇切丁寧に、わかりやすく順序立てて論じてくれている。

    視聴率的には惨敗した大河ドラマ『花の乱』が大好きな私にとっては待望の一冊としか言いようがない。〈応仁の乱〉について、さらなる研究が進むことを望みたい。

  • ・細川勝元が山名宗全と提携したのは、畠山氏を押さえ込むためだったが、畠山氏が内紛で弱体化すると、山名氏との同盟の重要度は低下した。山名氏の分国と境を接し、その圧迫を受ける備中守護家など細川氏庶流家は山名氏との提携にもともと否定的であった。山名宗全の側も、赤松氏再興に手を貸した勝元に不信感を持った。結果的に、新興勢力山名氏が覇権勢力細川氏に挑戦するという形で応仁の乱は生起したのである
    ・応仁の乱はなぜ起こったのか。直接的な要因は畠山義就の上洛であろう。それは、応仁の乱が勃発した後、足利義政が畠山義就を帰国させることで事態の収拾を図った事実からも裏付けられる。ただし、義就を上洛させた山名宗全も当初の狙いは無血クーデターであり、細川方との全面戦争を企図していたわけではなかった
    ・大内政弘や斎藤妙椿らの奮戦により局地的には勝利することもあった西軍だが、東軍に補給路を遮断されたため、最終的には戦争継続を断念した。将軍足利義政を戴く東軍が反乱軍たる西軍を屈服させる形で終戦となったわけだが、乱の前後で幕府の権力構造は大きく変化した。特筆されるのは、乱後ほとんどの大名が京都を離れ、在国するようになったことである。これは、大名による分国支配を保証するものが幕府による守護職補任ではなく、大名の実力そのものになったからである

  •  畠山家の家督争いに山名宗全が乗じ、足利義視が、一旦将軍職を譲ると約束したのを反故にした義正を敵視し・・・というようなきちんとした読み方にはとても付いていけなかったので、大体こんな雰囲気ね、で満足。当時の世情がよく分かる。人名や地名が難しく読めなくても、諦めずに通読する価値はある。三度くらい繰り返し読めば頭に入るのだろうが、二度目の読み返しで挫折した。
     
    応仁の乱は、なぜ起こり、なぜ11年もだらだらと続いたのか:情熱の本箱(180)
    http://hon-bako.com/bookbox/bookbox_passion/%E6%83%85%E7%86%B1%E6%9C%AC%E7%AE%B1180/[/private]

  • Kindle

  • 昨年大ヒットした本。今更ながら読んだが、とても面白い。今も昔も人間の本質は利己的であることがよく分かる。
    この本が何より面白い点は、経覚、尋尊という2人の僧を通じて社会のあらゆる階層が利己的に行動する様を描写しているところだろう。

    利己的と言うと聞こえが悪いが、したたかと言うとどうだろうか。武力や権力を駆使して自分の身や財産を守るために行動する室町時代の人々の生き様は逞しさを感じる。

    また、戦国時代はいわば「地方の時代」であり、この流れは応仁の乱及び明応の政変で将軍の影響力が低下したことにより始まったという説明は非常に興味深かった。

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  • 中央公論新社 新書大賞2017 5位
    2017年間ベストセラー11位

  • 名前だけは知ってても、で、何がどうなったのか全くわからないまま放置してた応仁の乱。新書一冊なのでこれでわかりやす…
    ダメだ。ややこしいというのはよくわかったが、きちんとノートをとりながら読み直します。(特に、冒頭で興福寺云々から始まって面食らった。勿論、その先を読み続けてなぜ興福寺から始めなければならないのかわかりましたが)

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター助教
著書・論文:『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社、2016年)、「永享九年の『大乱』 関東永享の乱の始期をめぐって」(植田真平編『足利持氏』シリーズ・中世関東武士の研究第二〇巻、戎光祥出版、2016年、初出2013年)、「足利安王・春王の日光山逃避伝説の生成過程」(倉本一宏編『説話研究を拓く 説話文学と歴史史料の間に』思文閣出版、2019年)など。

「2019年 『平和の世は来るか 太平記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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