応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 289
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024015

感想・レビュー・書評

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  • 応仁の乱は、はじまりは知っていたつもりでも、読んでみるとやっぱり複雑怪奇。それに、終戦の方がより分かりづらい。非常に複雑怪奇だ。もうお腹いっぱいです(苦笑)。

    ただし本の内容自体は読みやすかった。とは言えボリュームある内容だったので、二度三度と読み返したほうがより理解できると思う。

  • the tales of 尋尊
    読み進めるのに骨が折れました。

  • これまでになく分かりやすい応仁の乱の解説書
    視点を興福寺に定めて視界を京付近に限定し
    関東を始めとした諸国情勢はばっさりカット
    登場人物たちも小説的キャラ立てをせず
    時系列に沿い事実を書き連ねることに徹して
    全体の流れがとても把握しやすい
    とても良くできている解説書ではあるが
    それでも通り一遍通しただけでは
    全体を織り成している個々の事件が
    どのようにつながり合っているか把握するまでは難しい
    例として
    興福寺が視点舞台であるから
    ごく冒頭に衆徒と国民についての解説が出てくるが
    これを重要で問題にしやすくテストに出しやすいからと
    繰り返し解説するような冗長なことはしない
    全文全体で記されるそれぞれの事柄も
    同等に全体をつくる部分であり
    言ってみれば新書にあるまじき
    歴史事実に贔屓をしない教科書的な構成になっている
    この姿勢を一貫しているからこそ
    連なった過程が事実まとまりを欠くこの題材を
    ひとつの筋立てとして通して描けているのだが
    といってこの時代のふつう主役であろう
    室町六代将軍すら大仰に飾り立てることが無いので
    まさに教科書のように自身の知識に欠ける点をメモし
    理解の助けになるよう重要な事柄を整理して
    二読三読を重ねなければならない内容でもある
    一体歴史解説書とはどのように書かれるべきだろうか
    読者の様々な知識と興味に沿う様々な正しさがあるが
    応仁の乱という重要でありながら
    どんな面から見ても理解を拒む華々しくない題材が
    この解説書の形でその正しさの一面を教えてくれる

  • 応仁の乱は日本人なら多分誰でも知っているだろうが、その割に応仁の乱を描いた小説やドラマは少ない。幕末や戦国時代のように感情移入できそうなヒーローはいないし、戦況の変化が複雑すぎて理解しにくいからだろう。
    有名な割によく知られていない応仁の乱を、最新の学術研究の成果を取り入れながら比較的分かりやすく解説したのが本書である。分かりやすいと言っても、池上彰のように読者に媚びているわけでなく、硬派な歴史研究の本である。
    そんな本書が40万部を超えるベストセラーになったのは、応仁の乱のグダグダな様子に、ヒーロー不在で先行き不透明な現在の世相に通じる何かを読者が感じてしまうからだろう。かくいう僕もそんな読者の一人である。
    応仁の乱では似たような名前の人がたくさん登場したり、敵と味方がいつの間にか逆転していたりするので、読み通すにはある程度の忍耐力が要求される。
    それでもこの本には読む価値があると思うのである。

  • 歴史小説でもないのに語りが響きました。



    私の受けた何十年か前の義務教育では
    細川勝元と山名宗全が戦い、都が荒廃した。
    その程度しか習った記憶がありません。
    おまけに私の高校の日本史履修は1年間だけで
    鎌倉幕府成立で終わったのです。
    そんなわけで小学生並みの知識なのに
    手に取ってしまいました。
    何とか投げ出さずに
    読み終えることができました。
    (なんのこっちゃわかっていないところが多いと思います)

    畠山氏、斯波氏の家督争いとか
    そんなことは初めて聞いたぞってレベルです。
    私には覚えることが多すぎました。
    応仁の乱ってこんなに面倒くさいのか
    っていうのがほの見えて
    さらに面倒くさくなりました。
    でもこういうぐちゃぐちゃした時代や環境は
    知識がつけばすごくおもしろいのは
    わかる気がします。
    たとえば志向の違う畠山義就も
    古市胤栄の人となりも私には印象的でした。
    明応の政変に至るまでがわくわくしました。
    日野富子が細川政元に
    小川殿を返そうとするものの、
    結局清晃(後の義澄)を住まわせようとした。
    しかし義視は入居前に小川御所を破壊して
    富子は父子を敵視したという経緯。
    明応の政変に以降の混乱も
    それが戦国時代の素地になっているんだな
    つながっているなと感じると
    もはや感動的ですらありました。

    私のものの見方が偏っていて
    浅はかさを露呈するかもしれませんが
    中央と領主の関係とか中世だなあと思いました。
    当時の興福寺側からの史料を読むことで
    どのようにして世界が構成されていたのか
    事実らしきものを集めて
    根拠を持って、
    検証を進めていく、
    論争していく。
    歴史っておもしろいですね。
    と、最後まで小学生レベルの感想でした。

  • 家督相続か、将軍継嗣か、単なる勢力争いなのか、始まりもグダグダ、勝手に細川と山名が和睦するし、終わりもグダグダ。
    だがこれにより領国経営に力を入れ始めた守護(戦国)大名が力をつけ始め、戦国時代が始まったと思うと感慨深いかも。

  • はじめに
    第一章 畿内の火薬庫、大和
    1 興福寺と大和 / 2 動乱の大和 / 3 経覚の栄光と没落
    第二章 応仁の乱への道
    1 戦う経覚 / 2 畠山氏の分裂 / 3 諸大名の合従連衡
    第三章 大乱勃発
    1 クーデターの応酬 / 2 短期決戦戦略の破綻 / 3 戦法の変化
    第四章 応仁の乱と興福寺
    1 寺務経覚の献身 / 2 越前の状況 / 3 経覚と尋尊 / 4 乱中の遊芸
    第五章 衆徒・国民の苦闘
    1 中世都市奈良 / 2 大乱の転換点 / 3 古市胤栄の悲劇
    第六章 大乱終結
    1 厭戦気分の蔓延 / 2 うやむやの終戦 / 3 それからの大和
    第七章 乱後の室町幕府
    1 幕府政治の再建 / 2 細川政元と山城国一揆 / 3 孤立する将軍 / 4 室町幕府の落日
    終章 応仁の乱が残したもの
    主要参考文献
    あとがき
    関係略年表
    人名索引

  • 学術書という感じ。面白かったが、実際に奈良を訪れていなかったら内容を追うことはできなかったと思う。

  • その乱の名前は歴史の授業で憶えさせられたのに、中身を説明できない筆頭。それが応仁の乱。中世までの乱は、人物相関が複雑で、人名の読みも難しく、なかなか頭に入ってこない。経覚と尋尊という2人の僧侶が、それぞれの感覚で日記=将来読まれるであろう記録を残してくれたことに感謝。10年以上続き、京都・奈良を破壊し尽くした内乱が、政治経済的に止めることができなかった為政者や当事者の事情が、少しだけ理解できた。

  • ちょっとした室町ブームがきてるらしいので乗ってみた。

    複雑だから理解しにくいというよりもストーリーらしきものが希薄なので理解しにくいという感じか。

    でちょっと検索かけて知ったのだが、著者の周辺にイデオロギー闘争の感あってドン引きした。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター助教
著書・論文:『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社、2016年)、「永享九年の『大乱』 関東永享の乱の始期をめぐって」(植田真平編『足利持氏』シリーズ・中世関東武士の研究第二〇巻、戎光祥出版、2016年、初出2013年)、「足利安王・春王の日光山逃避伝説の生成過程」(倉本一宏編『説話研究を拓く 説話文学と歴史史料の間に』思文閣出版、2019年)など。

「2019年 『平和の世は来るか 太平記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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