応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 289
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024015

感想・レビュー・書評

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  • 歴史の教科書で、名前だけは覚えた応仁の乱。
    応仁の乱を幕開けに、世は戦国時代に突入していくというざっくりとした知識しかなかったが、話題の本ということで読み始めてみた。

    応仁の乱の概要があまり知られていない理由がわかったような気がしました。
    奈良と京都の土地勘と、なんとなく天皇の系図、将軍幕府の系図が頭に入っていなかったら、恐らく自ら地図を見、系図を確認しながらでないと読み進めるのは困難。
    しかも、興福寺という要素が重要な意味を持っていることも理解でした。
    新書ということで、軽い気持ちで入門編として読み始めると読みづらいと思いますが、登場人物相関図と地図を思い浮かべながら読むと複雑な面白さが伝わってくる。

  • 新書の役割は学術論文を一般大衆向けにわかり易く書き直し、大衆が教養を身に着ける事に寄与するもの、トカナントカらしいが、この本は内容的にはかなり細かくて(一説によると登場人物が300人程度とか)、「大衆の教養」レベルを遥かに超えてしまっているように思う。40万部売れているそうだが、ブームなので買ってしまったのはいいが、数十ページで挫折してしまって、殆ど読まない人が半数以上いるだろう。自分は歴史はワリと好きな方だし、応仁の乱の要所は巡った事もある程度には興味はあるレベルだが、それでも、ざっと読んだだけで、細かい所までとても追いかける気にはなれない。著者も登場したNHKの『英雄たちの選択』程度深さで調度いいくらい。これをシッカリ読みこなすには大学の史学科在籍で中世を研究テーマにしようと考えている学生レベルの基礎知識と体力が必要だろう。

  • 奈良の興福寺の別当経験者2名、経覚と尋尊の残した日記を基礎資料として、応仁の乱の経緯を追っている。京の乱というより、荘園支配を巡る争いという感。
    応仁の乱ブームの中心のようにいわれる本書だが、読み解くのが大変。別の解説本で人物相関図を参照しないと、東軍、西軍が混乱してくる。

  • やっと読み終わりました.名前が途中で省略されたりしていて,誰が誰やらわかりにくく,混乱しました.
    山城国一揆など,今まで思っていたことと違ったことも多く,畿内の入り乱れた権力争いも面白かったです.

  • その後約100年続く戦国時代の原因と言われることもある応仁の乱。勝ち負けが判然としないことや、小説などで取り上げられることも少ないことから、細部は分かりにくい。その「解説本」が本書。
    奈良の興福寺を率いたふたりの僧が残した記録などを元に、京や奈良でなにが起こっていたのかを詳述している。
    しかし、ただでさえ登場人物がわんさかいるのに、足利氏、畠山氏など一族間の争いが重層的に展開される上に、一族の通字や将軍の偏諱などのせいで似たような名前も多く、ぼさーっと読んでるとすぐに、「コイツ誰だっけ?」となってページを戻る羽目になる。
    それでも、さすがに読みごたえあり。「乱の全貌を知る」のは新書サイズでは現実的ではないだろうが、奈良から見た応仁の乱という視座を得たことで、(人物名以外ではw)分かった気になれる。
    たまーに挟まれる戦後の唯物史観批判は、今となっては一般人にはどうでも良いことなんだけどね。

  • 教科書でさらっと触れただけで、ほとんど良く分かっていなかった応仁の乱の原因、経過、乱後の影響が分かりやすく書いてあって良かったです。
    乱の前20年ぐらいからの経緯があって、途中経過として必然的に戦争となり、最終的には勝者が存在せず、その後の下剋上の流れにつながるという点に目から鱗でした。
    これは教科書の数行で理解するのは無理ですね。
    本書は奈良の興福寺の二人の門跡の日記から乱を読み解いていますが、大和国の豪族の状況にこちらの知識があればもっと理解できたのかなと思いました。

  • 知名度の割にその内容がよく理解できていなかった応仁の乱(1467-1447)の詳細を知りたく手に取った。背景として足利将軍家の影響力低下、興福寺はじめ大和(奈良)を中心とする寺社勢力、守護勢力、管領家の内部抗争など色々な要素が絡んでいるためにわかりにくい構図となっていることがわかる。

    戦乱の終結も東軍優勢のままに曖昧な終わり方で1477年に一応終結するもその後のいざこざへと続く。登場人物が多く、その時代の知識も貧相なため理解しながら読むのに少し苦労したが良書と思う。

  • 2017.7.31 ブックオフ津久井街道店 610円

  • 2019/11/06

  • 享徳の乱の勉強をするにあたって、中央で起こった大乱を無視することはできんやろうと思って、再読。
    まぁ理解度は6割ってとこだけど。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター助教
著書・論文:『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社、2016年)、「永享九年の『大乱』 関東永享の乱の始期をめぐって」(植田真平編『足利持氏』シリーズ・中世関東武士の研究第二〇巻、戎光祥出版、2016年、初出2013年)、「足利安王・春王の日光山逃避伝説の生成過程」(倉本一宏編『説話研究を拓く 説話文学と歴史史料の間に』思文閣出版、2019年)など。

「2019年 『平和の世は来るか 太平記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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