応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 289
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024015

感想・レビュー・書評

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  • 日本史の授業ではまったく頭に入らなかったけど、実に面白い。

  • 再読。以前にベストセラーとなった本だが、複雑怪奇な応仁の乱を前後を含めて、大和の僧の視点から論述しているが、分かりやすく読みやすい。

  • 読み終えるのに苦労した、過去一番、自分には合わない
    入ってこない

  • 年号は覚えたが、前後の出来事はほぼ知らない状態で読み始めた。一応、最後まで読んだ感想は、難しかったの一言。
    しかし、少なくとも読む前よりは「応仁の乱」の理解が深まったので、2回目があればより理解できると思う。特に、応仁の乱後の戦国時代への流れや京の文化が全国的に広がった経緯など、なるほどと思う。

    「終章 応仁の乱が残したもの」がまとめ的だったので、この章を先に読むのも有りかと思った。

  • ご近所のいざこざだったんだね。

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB22279536

  • 210.4-G
    閲覧新書

  • 応仁の乱の直接の原因は畠山氏の家督争いである。畠山義就(はたけやまよしなり)と畠山政長(はたけやままさなが)が争った。応仁の乱が長引いた原因も両畠山氏の争いである。応仁の乱は実質的には山名宗全と細川勝元の権力争いとする見方が強いが、両畠山氏は山名宗全や細川勝元の没後も争い続けた。山名氏と細川氏の和睦後も争い続けた。応仁の乱の最も重要な対立軸は畠山義就と畠山政長になる。

    特に義就は幕府の命令を完全に無視して軍事行動を起こし、独自の勢力圏を築いた。中央から統制を嫌う武士達が義就の下に集まり、それが義就の軍事力を強めた。義就は戦国大名マインドを持った存在である(呉座勇一『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』中公新書、2016年、207頁)。
    下剋上と言えば身分の低い人が行うものとのイメージがあるが、三管領という室町幕府最有力の守護大名の家から幕府の権威を完全に無視する戦国大名マインドが登場したことは興味深い。フランス革命も最初は貴族がイデオローグになった。
    畠山氏は鎌倉幕府初期に冤罪の畠山重忠の乱で滅ぼされた畠山重忠の未亡人が足利一門と再婚して成立した家である。重忠は「謀反を企てようとしたとの噂があることは、逆に武人として名誉である」と言った人物である。足利一門の畠山氏は重忠の遺伝子を継承していないが、重忠の反骨精神は継承していた。

    応仁の乱は勝敗が不明確な戦いと評される。実は政治的には西軍が降参することで終わった。しかし、山名氏や大内氏らの西軍諸将の講和後も義就は独自に戦い続けた。このために応仁の乱の勝敗が不明確になった。

    応仁の乱は足軽が乱暴狼藉を繰り返して焼け野原になったというイメージがある。
    「汝(なれ)や知る都は野辺の夕雲雀(ひばり)上がるを見ても落つる涙は」
    飯尾彦六左衛門尉が応仁の乱で荒れ果てた都を嘆いて詠んだ歌である。
    一方で応仁の乱が長期化した要因に防御技術の発達がある。東西両軍共に屋敷に堀や櫓を作り、要塞化した。これは構(かまえ)と呼ばれた。両軍共に容易に攻め落とすことができなくなり、戦乱が長期化した(呉座勇一『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』中公新書、2016年、109頁)。

  • 応仁の乱の直接的な引き金は、畠山氏の家督争いにある。畠山氏の弱体を図って当初は連携していた細川勝元と山名宗全だったが、細川方による山名方の弱体化を図るような動きに、様々な大名の利害関係が絡み、東軍と西軍が形成されていく。8代将軍の義政は、片方が優位にならないような策をとっていくが、両軍は互角で戦線は膠着していた。したがって西軍の朝倉氏を東軍に寝返らせ、最終的に東軍の勝利で乱は終わりを迎える。応仁の乱が残した大きなものとして、守護領国制の崩壊を筆者は挙げている。大名は次々と自国へ帰り、分国支配を保証するものはもはや幕府の権威ではなくなった。大名自身の実力がものを言う時代、つまり戦国時代へとつながっていくのである。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター助教
著書・論文:『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社、2016年)、「永享九年の『大乱』 関東永享の乱の始期をめぐって」(植田真平編『足利持氏』シリーズ・中世関東武士の研究第二〇巻、戎光祥出版、2016年、初出2013年)、「足利安王・春王の日光山逃避伝説の生成過程」(倉本一宏編『説話研究を拓く 説話文学と歴史史料の間に』思文閣出版、2019年)など。

「2019年 『平和の世は来るか 太平記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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