陰翳礼讃 (中公文庫 た 30-27)

著者 :
  • 中央公論新社
3.90
  • (530)
  • (498)
  • (616)
  • (35)
  • (6)
本棚登録 : 5727
感想 : 526
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122024137

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本人が昔から持っている、持っていた
    美意識
    を感じられる本だった。

    陰翳礼讃を読んでいるとき、その光景がありありと思い出すことができた。
    でも、今の家にしか住んだことのない人たちには、
    家の奥にある暗闇
    には気が付けないのかもしれない。

    この作者の時代でさえそうなのであるから、
    今の時代ではなおさらかもしれない。
    少し寂しいなと感じた。

    もう少し時間がたって、
    私がもう少し年をとった時にまた読みたいと思う作品だった。

  • 愚痴っぽさに思わず苦笑。でも、こんなに「好きなものは好き」と思えるのがとても羨ましい。私はこんなに自慢できるものをもっているだろうか?

  • 「科学の発展や産業革命が西洋ではなく、日本で興っていたら様式やデザインはどうなっていたのか?」
    決して負け惜しみや劣等感ではなく、日本を代表する文豪のユニークな着眼点と純粋な好奇心から執筆された一冊。現代に生きる自分達が読むからこそ、近代から現代にかけての日本人の本質がそこまで大きく変わっていないことが分かる。

    西洋人が歯をむき出しにして笑うを読み、もしも谷崎が現代のインスタグラム文化を見たらどう思うのだろうと考えてしまった。そういう意味では、現在の日本は欧化に適応しているのかもしれない。

  • 影や暗がりの中で培われてきた、日本人の美意識。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/in-ei_raisan.html【書評】『陰翳礼讃 (中公文庫)』/第52回千年読書会課題図書 : なおきのブログ

    <目次>
    陰翳礼讃
    懶惰(らんだ)の説
    恋愛及び色情
    客ぎらい
    旅のいろいろ
    厠のいろいろ
    解説 吉行淳之介


    2016.08.22 14歳の世渡り術
    2017.12.28 日本の文学作品を読む(2018年に向けて)
    2018.03.26 読了

  • ふと思って久々に再読。でもやっぱりバカ過ぎて読めない。これは時代がこうさせるバカさなのか、どうなのな、俺にはなんとも言えない。
    でも、ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」には、ニューギニア人ヤリが、「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」と問う印象的なプロローグがある。
    谷崎潤一郎よりも、ニューギニア人ヤリのほうが、ちゃんと現実をみてる。

    「もし科学技術が東洋で発達してたら、こうはならなかった、、、」なんて谷崎潤一郎の発言のバカさを、今日的な知識を背景にして言うのは、さすがにフェアじゃないとは思う。ニューギニア人ヤリは、そんなバカなことは言わない。
    とにかく、西洋のものが気に入らないだけの頭の硬いおっさん。
    谷崎潤一郎、お前が気に食わないと思ってるものは、実は、西洋文明のもたらしたものではなく、日本人によるその受容の仕方だろう。
    「万年筆をもし日本人が発明してたら、筆みたいになってたはず」みたいなバカ発言は、イライラするんだけど、谷崎も自覚できてないけど、違和感として気付いてるようだが、問題は、「西洋が万年筆を発明したこと」ではなく、「それに対抗できるものを東洋が発明できていなかったこと」だろう。筆が万年筆に対抗できるなら、筆でよかっただろう。そうじゃなくて、万年筆みたいな筆が欲しいんだろ?それは西洋文明が西洋文明の環境と文脈で万年筆をうんだことが悪いのではなく、それをそのまま受容した日本が悪い。筆風の万年筆を作って、それにあわせて紙を発展させればよかったんだ。でも、できない、もしくはしてない。それが谷崎の不満点なんだ。だから、東西文明の比較のようなバカな視点はやめて、「東洋はいかなる方法にて西洋文明を受容すべきか」「西洋文明を陰影の文脈でどうリプロダクションするか」という視点で一貫して書けばよかったのだ。そうすればずっと良い本になったであろう。
    この本では、14頁に実はそう書いているので部分的には理解している。だから、自分でも理解してる筈だ。
    なので、もしこうだったらよかったのに、とかいう情けない発言はもうやめましょう。

    よかった点としては、上記のように、日本は西洋文明の受容が下手くそだ、と指摘した点。
    今日、「日本は外来文明をうまく咀嚼して自分たちなりにアレンジするのがうまい」と何の根拠をもってか言ってるひとたちがいる。
    そんなもん、むしろ、それができない文明は衰退してしまうより他はない、というような文明の基本的能力でしかない。
    そして、日本は、カスタマイズはむしろ下手だったんだよ、上手かったと思うのは、その下手クソなカスタマイズに慣れてしまった結果の側からの視点でしかなく、当事者であった谷崎潤一郎なんかは、それを糾弾しているよ、ということに気づけたということだ

    しかし、この本がこんなにイライラするのは、よくよく考えると谷崎潤一郎がバカだから、じゃなく、いまだにこんな知的水準の本をありがたく受容してる状況があってこそイライラするんだろう。
    今では失われた文明となった日本の過去を自覚なくとも別の文明として眺め無批判にありがたがるのは、当時、谷崎が西洋文明を無批判に受容していた日本に抱いたイライラと同じなんでしょう

    あ、もう一つよかったのは、この本で谷崎がわれわれ、というとき、それはどうやらわれわれ日本人、ではなく、われわれ東洋人、という意味であるようだ。
    そこは素晴らしい。今の日本人が、ほぼ意識せずに、このわれわれを日本人と読んでしまうことに問題がある。
    世界に誇る日本、日本ってこんなにすごい、みたいなテレビの作ったくだらない文脈のせいだ。
    いかに自分らも汚染されてるか思い出してみましょう。
    (2020.07.12)


    久々に読んでてクソ苛々する馬鹿書。西洋を写真でしか知らん白痴爺が日本美は陰影深い、ブラボー、対して西洋美は平坦、と。何故に日本美を謂うに西洋はアカン言わんならんのか。無学。無知。歴史観を持て。勉強しろ。もっと色々見ろ。無論、日本美に対する洞察は良い。けんど、その洞察は西洋美を見出すには至らず。安易。ガキ。短絡。それこそ平坦。まず、お前の謂う西洋ってのは概念であってそんな国はねぇ。ヨーロッパを国名と思ってるかのごとし。実に暗い。知恵がね。こんだけ言うて一度も西洋行かずに死んだのがこれまたあかん。否定するんならいっぺんほんもん見てこんかい漱石先生は行ってんねんど、だぼ。(2018.11.24)

  • 裏表紙の惹句「西洋との本質的な相違に目を配り、かげや隈の内に日本的な美の本質を見る」のとおり、日本の伝統美について語った随筆集。ここまで和を讃えるのか!ここまで西洋を叩くのか!と突っ込みたくなる論調は、かなりの熱を持って迫ってくる。
    と、ここまでは気取って書いてみたが、ぶっちゃけ、この本は頑固オヤジの独断と偏見による説教(笑)それでも、まったく嫌味っぽく感じないから面白い。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 2009-00-00

  • やっぱり、谷崎は好き。

全526件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷崎潤一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×