ロング・グッドバイ

  • 早川書房
3.86
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感想 : 212
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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088000

感想・レビュー・書評

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  • ハードボイルド小説は読むのは始めてなので、どんな内容か気になって読んでみた。
    内容は、男同士の絆を感じさせる作品だと感じた。ハードボイルドは子供っぽさもある部分もあると思った。ページ数が多かったが、訳がよかった。
    村上春樹氏が翻訳された。内容に惚れ込めさせられる作品だということだ。
    違う方が翻訳した同タイトルの作品があるので、そっちも読んでみたいと思う。

  • これがハードボイルドか、この手の小説はあまり読んでこなかったが、訳も良かったのか十分楽しめた。NHKの放映と平行して違いを感じながら読むのも面白かった。しかしハードボイルドとは男の痩せ我慢のことなのか或は子供っぽい純情のことを言うのだろうか。あとがきにもあるようにフィッツジェラルドの「華麗なるギャツビー」と共通する部分も感じた。

  • 村上春樹が影響を受けたのが良く分かる作品だった。やはり準古典と言うべき作品か?

  • 内田樹が著書で村上春樹の「風の歌を聞け」は「グレートギャツビー」とこのチャンドラーの「ロンググッドバイ」を下敷きとしているということらしく、最後に村上氏の解説もあり、読んでみてなるほどと。どれも魅力的で儚げな友人が主人公の前から姿を消してその謎を追っかけて行くというストーリー。自分の日常とはかけ離れた、小汚くて煙たくって危なっかしいけどそれと同じくらいロマンチックなマーロウのいる世界にクラクラ。途中、一旦解決したと見せかけてのラストまで展開はたまんない。

  • チャンドラーの格好いい文章を村上春樹の素敵な翻訳で読めるってだけで満点ですね。

  • 村上春樹がフィッツジェラルドの「グレート・キャッツビー」に次いで好きと公言しているチャンドラーの「ロング・グッドバイ」。翻訳も村上春樹がし、かなり熱く長文のあとがきを添えている。いかに好きなのかが伝わってきます。
    小説は探偵が主人公のハードボイルド小説。ニヒルでクールなスタイルがどことなく村上春樹の小説の主人公とどこが通じる部分がある気がした。村上春樹が指摘しているように「グレート・ギャッツビー」の影響も確かに感じられた。
    個人的に好きだったのは、オールズ警部補が語る社会のシステムに関する苛立ちをぶちまけるシーンです。
    村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」なんか好きな人は好きだと思いますよ。

  • ロールスロイスで寝ている礼儀正しい酔っ払いとの遭遇から始まる、美しい男たちの生き方小説です。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 主人公マーロウの徹底した一貫性は、一般市民の感情とは相容れないものがある。彼が語り手として物語は進行していくが、彼は一切自身の感情の動きを描写しない。筆者は「行為こそが心象を具現化する」という思想の持ち主であるようだが、まさにその通り、主人公の膨大な行為の集積がこの書そのものである。主人公が無実の罪を着せられて服役させられても、ヤクザに殴られても、目の前で人が死んでも、彼の調子は一辺倒である。主人公は読者に親和性を介在させる余地なく存在し続けた。
    『ロング・グッドバイ』は村上春樹訳しか読んだことはないが、彼の訳はきわめて原書に忠実な気がする。主人公は厭世的であるが情を持ち、しかし青臭くならぬよう一定の距離を保ちながら事件に対峙する。煙草とお酒が物語を支えるアイテムで、もちろん「この世のものとは思えない」美しい女性が登場する。村上春樹の得意分野である。あるいは村上氏の創作活動に少なからず影響を与えたというこの書が、村上要素の土台を造り上げたともいえるだろうが。
    とにかく男性からの支持を得るだろうエッセンスに散りばめられていて、半ば興ざめモードにさしかかったところで、急展開、大どんでん返しを見せてくれたおかげで分厚い書を飽きることなく読み進められた。
    事件の展開を追うのに必死であったが、再読すればまた違った発見があるに違いない。
    もう一回、あるいは何度でも、会いたくなる、そんな暗く哀しくもどこか人を惹き付ける登場人物が数多く登場した。
    やはり世界的名著が残す余韻は独特なものがある。

  •  時代はちょっと下りますが、LAが舞台という事もあり、私の中ではジェイムズ・エルロイと同じカテゴリーの感じがします。ただ、こちらの方が断然読みやすいです。
     本筋とは無関係ですが、私は21章がとても楽しめました。マーロウが朝食をモリモリ食べて、事務所に次々と訪れる依頼人の事件を解決していく、ただそれだけの話ですが。

  • マーロウ渋すぎ!
    それだけでも読んだ価値はあったかも。

    春樹さんのあとがきが初心者の私には
    非常にわかりやすくて良かったです。

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著者プロフィール

Raymond Chandler
1888年シカゴ生まれの小説家・脚本家。
12歳で英国に渡り帰化。24歳で米国に戻る。作品は多彩なスラングが特徴の一つであるが、彼自身はアメリカン・イングリッシュを外国語のように学んだ、スラングなどを作品に使う場合慎重に吟味なければならなかった、と語っている。なお、米国籍に戻ったのは本作『ザ・ロング・グッドバイ』を発表した後のこと。
1933年にパルプ・マガジン『ブラック・マスク』に「脅迫者は撃たない」を寄稿して作家デビュー。1939年には長編『大いなる眠り』を発表し、私立探偵フィリップ・マーロウを生み出す。翌年には『さらば愛しき女よ』、1942年に『高い窓』、1943年に『湖中の女』、1949年に『かわいい女』、そして、1953年に『ザ・ロング・グッドバイ』を発表する。1958 年刊行の『プレイバック』を含め、長編は全て日本で翻訳されている。1959年、死去。

「2024年 『プレイバック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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