真夏の方程式

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163805801

感想・レビュー・書評

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  • 近親者に同名の男の子がいて、彼がキーマンなんだろうなーと読み進め結果を知って切ない気分。映画も気になるなー。湯川先生を福山雅治で読む事が出来ました。

  • 探偵ガリレオのシリーズ。

    玻璃ヶ浦という海辺の田舎町。
    小学5年の恭平は、両親が忙しい時期、伯母一家の営む緑岩荘に預けられることになった。
    往きの電車でたまたま一緒になった男・湯川学は、意外にも緑岩荘に泊まることになる。

    川畑成実は、恭平よりは20才近く上の従姉。
    海底鉱物資源開発の説明会に参加しようとしていた。
    玻璃ヶ浦の沖合に希少金属が埋まっているらしい。
    玻璃のように美しい海底を持ち、観光で売ろうとしたが上手くいかず、もはや寂れかけた町では、歓迎ムードのほうが強い。
    自然保護の立場の活動をしている成実は、仲間と共に反対派としての出席だ。
    湯川は専門家として出席していて、賛成でも反対でもない。

    泊まり客の男性が行方不明となり、崖から転落しているのが発見される。
    事故で片付きそうになるが、少しずつ不審な点が…
    その人物は元警官で、かって逮捕した後に気にかけていた様子だった人間がその地の出身だった。
    過去に何があったのか…?

    恭平という男の子を「こんな偏屈な小学生を久しぶりに見た」と言い、何かと実験して見せたり、飽きずに相手をする湯川。
    恭平がどこか、湯川の子どもの頃に似ているんじゃないのかな。
    「容疑者Xの献身」の事件の後の、湯川の心境をうかがわせるシーンも。
    面白く読めましたが、今ひとつ後味が良くないような…
    罪と罰の問題が、無理もないと思わせるほど書き込まれていないせいか?
    恭平君との関わりは微笑ましく、力強い最後のひと言も素敵です。

  • 2019(R1)7.25〜8.22

    『ガリレオ』シリーズの1つ。

    とある海辺の町に起きた変死事件が、過去の殺人事件とつながり、2人の「子ども」の人生を揺さぶり、大人たちは彼らを必死で守ろうとする。
    だから、“ガリレオ”も悩む。

  • 面白かった。ガリレオシリーズを読んだのは初めてだけれど、福山雅治さんを思い浮かべることもなく、まっさらな気持ちで読めた。
    この本を読む限りでは、湯川教授が子供嫌いだという情報は入って来ない。最初から子供を子供扱いせずに対等に話す(しかし子供への慈愛は余りある)湯川教授に好感が持てる。

  • 夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。
    「BOOK」データベース より

    湯川先生がこの宿に泊まらなかったら真相は闇の中だったのだろう.
    想いの強さというのは、人それぞれなのだ.何を大切にするかも人それぞれなのだ.選択の後もまた、それぞれの想いが去来し、それぞれ消化するのだ.
    湯川先生は今作もまた、ステキだった.

  • 湯川先生のガリレオシリーズ6作目。「真夏の方程式」
    今回は少し雰囲気が違っています。

     難しい物理を捏ねまわし、実験による立証を元に、論理的に謎を解くのが「ガリレオシリーズ」なのですが、
    今回は物理と言うより推理。湯川シリーズより、加賀恭一郎シリーズに近い感じです。


    今回、警視庁の草薙と内海は事件現場に居ません。現場に来ることもない。
    湯川の推理を聞きこみにて確認していくスタイル。


    湯川のみ現地に居ます。
    「これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは。」と言うコピーです。
    物理学者だからこそ気が付いた不審点。それをキッカケに16年前の事件まで遡ります。


    読了感というか、物語の閉じ方も加賀さんっぽい。


    とは言え、「ガリレオ」でコレも有りと思わるから不思議です。おもしろい。


    読み終わって、「玻璃ヶ浦」と言う地名を調べたら実在しなかった。残念です。
    そして、6月に映画が公開されるらしい・・・

    さんざんドラマでやってるので、
    あえて、この「真夏の方程式」を映画化すると言うのも納得できます。

  • 夏休みを叔母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も恭平と電車で出会い、与えられたホテルをキャンセルして、その宿へ泊まる。

    湯川さんが恭平くんと対等に関わって、夏休みの宿題を手伝ったり、科学の面白さを伝えたりする。教えることがいちいち正論で気持ちがいいし、恭平くんのことを「小さな助手」って呼んでいるのが微笑ましい。

    成実さんのことでドロドロして、そこに恭平くんを巻き込まないでって思うところもあった。

    いっぱい勉強して答えが分かったらどう思うのかな、って考えさせられた。

  • この作品を読むとキラキラ輝く夏の海が思い浮かびます。
    そこで出会った湯川と少年の掛け合いがなんとも言えずいいんです。
    バラバラだった人たちが繋がって、
    徐々に真実が見えてくる展開に目が離せず後半は一気読みしました。
    捜査と推理の合間に少年と交わされる
    科学教室がほのぼのとして楽しかった。
    切ないのにどこか温かい、そんな話です。

  • 予約本、待ちに待ったガリレオシリーズ第6弾の1冊。
    6月29日に映画公開される前に読めて良かった。
    玻璃ヶ浦の美しい海の景色が見たいな~と思った。が、読み始めて直ぐに居酒屋前で暗い海をじっと見ていた節子の姿が、最後まで気にかかっていたが後半にそうだったのか!と理解できた。
    でも、子供が絡んでくるだけに結論がしっくりこなくこれで良かったのだろうか?と只々疑問と切なさとが残った。
    映画を観たら感じ方は、変わるのだろうか?

    • アセロラさん
      こんにちは。ガリレオシリーズ、続いてるんですね。
      今日ドラマ化のニュースを見ました。相方は、柴咲コウから吉高由里子に代わるそうです。
      こんにちは。ガリレオシリーズ、続いてるんですね。
      今日ドラマ化のニュースを見ました。相方は、柴咲コウから吉高由里子に代わるそうです。
      2013/01/24
    • happykyoさん
      アセロラさんへ
      ありがとう!そのようですね!
      次回(4月)月9からですね♪
      『ガリレオの苦悩』『聖女の救済』『虚像の道化師 ガリレオ7...
      アセロラさんへ
      ありがとう!そのようですね!
      次回(4月)月9からですね♪
      『ガリレオの苦悩』『聖女の救済』『虚像の道化師 ガリレオ7』『禁断の魔術 ガリレオ8』8弾しか読了してないですー。早く手にしたいです。楽しみですね!
      2013/01/25
  • 東野圭吾は優しいけど残酷、だと思う。
    こちらが想像し得る一番「こうなってほしくない」最悪な展開や残酷な真実を、容赦なく描いてくる。
    けど、気分は悪くならない。読みながら、辛さややるせなさに押しつぶされていたはずの心は、読後には爽快感や温かさに満ちている。
    それは、登場人物を見つめる作者の目が、暖かいからだと思う。登場人物も、読者も、決して見捨てることはない。
    絶望しても、救済を信じられる。
    東野圭吾を読むときは、いつもそれを感じてます。

    映画化、楽しみです。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

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