- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167156077
作品紹介・あらすじ
死の予感と家族への愛。茶封筒の中から偶然発見した原稿用紙への走り書きは姉の遺言だった。没後二十年、その詳細を、実妹が初めて明らかにする。
感想・レビュー・書評
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久々の図書館来訪にて手に取った一冊。借りることもなくその場で読み切った。子供の頃、向田邦子という名前は親からよく聞いていたし、単発のテレビドラマを見たこともあったが、今となっては誰に語ることもなく、かと言って忘れ去られる人でもない。日本に生まれ育った自分が日本のエンタメカルチャーを振り返る時になくてはならない存在の方なのだと思い返しながら読んだ。
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向田邦子さんが、航空機事故で帰らぬ人となった後、出てきた2通の「遺言書」らしきもの。
生前から自分がいなくなってもいいように、親兄弟のことをいろいろと考えていた彼女の人柄が感じられます。 -
著者は妹さんですがこちらのカテゴリで。
向田邦子さんの御命日に拝読。 -
向田邦子氏の遺言まがいのものを巡る家族のお話。
家族のことをちゃんと見ていて、こうしろ、とは言わないものの、しっかり意志を残してこの世を去った向田邦子氏。
遺言ではなく、遺言まがいの書き残しがこの本を通じて温かさを伝えてきます。
ある家族の形ですが、生きている間にどこまでのことを考えて、そして、いつ死んでも大丈夫なように用意をしているか、、、
自分の日々を振り返るきっかけになりました。
そして、いつでも遺言まがいのものを書けるように、
生き抜かなければいけないなと思いました。 -
前に読んだ本でもっと知りたいと思った人を沢山見つけました。
その中でもすば抜けてあたしの中に残った人が向田邦子さんです。
飛行機事故で亡くなった彼女が家族に何を遺したのか‥
何処で命を終えるのも運なのです。
大切な人に伝え残すことがないように
どう自分らしく幕を引くか考えさせられる一冊です。 -
向田邦子がこの世に残した遺言状。
彼女が亡くなったときに世間や遺族がどうであったのかリアルタイムで知らない私には、筆者の心労はわかるわけもないのだが、そうであっても胸が痛く涙がこぼれた。
つくづくできる人なのではなくどこか抜けていて人間臭さのある女性。しかし、その身に備えた職業としてはプロであり言葉の切れ味は天下一品であった。遺言状にも人の性格が出るのだなあ。
「どこで命を終わるのも運です。」
骨までしみいる言葉だった。
(20121004) -
魅力のある女性。
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向田邦子本人の作品かと思ったら、妹の和子の書いた本であった。
家族に宛てた極めてプライベートな「遺書」を公開している。
そこまでするか?と、釈然としない気持ちを持つのは私だけではないだろう。
その遺書も、正式な遺書ではなく、思いつきのまま走り書きしたような内容なのである。
良いように取れば、向田邦子という人物を知る上での貴重な手がかりとも言えよう。
彼女の思い出を通して、本人の本質が語られる。
その本質で特に気になったのが、思いつきで行動しているように見えて、自分なりに先を読んでいたのだなと感じさせられる。
この妹に対して、赤坂で居酒屋風小料理屋を経営させたのは、ものすごく深い思いやりが背後にあったのだと気付かされる。
いわゆる兄弟愛の強さというものである。
今更ながらだが、惜しい才能を無くしたというより、ホントーに魅力ある女性を亡くしたものである。 -
NHKドラマ「あ・うん」を見たくなりました。
「ままや」に一度は行ってみたかったです。