秘太刀馬の骨 (文春文庫 ふ 1-30)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167192303

感想・レビュー・書評

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  • 何年か前にNHKドラマになったこの話し。
    実はドラマになった当時、結局秘剣「馬の骨」の使い手は誰だったのか?
    というのが、最後まで私はよくわからなかったのだ。
    それはドラマがあまり登場人物たちの背景を深く掘り下げず、とんとん進んでいってしまったのもあるし、家中に渦巻く陰謀が短時間の説明ではよくわからなかったこともある。
    ・・・そしてまた「秘剣」と言われるだけに、最後の最後で「馬の骨」を誰が伝授したのかを知らしめる、その種明かしも実に静かで跡を残さぬ終わりであったのだ。
    だからドラマでもそのところが非常に隠匿性を持ち、印象に残らぬ幕切れだったのだと(今になって)推察する。

    読んでみて、描かれた人物像がドラマとはかなり違っているなと思った。
    やっぱり、話の流れや本当の物語の推移は原作を読んでみなければわからないものだ。
    しかし、面白かった!
    何より、登場人物が皆、一癖も二癖もある者ばかり。
    ドラマでは主役だった銀次郎にしても、原作では目的のためには手段を選ばぬ狂気じみたものを持った少々危険な男である。
    その中で、銀次郎の先走る行動を制し、事の顛末を見守る半十郎(主役)の冷静かつ聡明さが光る。
    また、物語を通して静かに変化してゆく半十郎夫妻の様子がきめ細かく描かれ、しみじみとした終わりが暖かかった。
    読んでよかった!と思える一冊だった。

  • ラストの解釈、そのまま素直に読むのと穿った見方するのと2通りあるんですが。前者だと平凡。後者だと伏線足りてなくて奇抜過ぎ。
    作者もどちらとは決めてなくてどっちでも読めるように書いてる印象。本当は後者にしたかったんだろうけど奇抜過ぎて気が引けたので前者コースも残した、みたいな。おかげでどっちつかずで突き抜けられなかった感じ。

  • 秘剣「馬の骨」を授けられたのは誰?
    1話毎に剣を交え、候補者の腕を試してゆく。
    犯人探しのような感じで、こういった作りは珍しいのでは?
    とにかくおもしろかった♪
    だいぶ前にNHKドラマで放映され、その時も毎週楽しんで観てたなぁ。
    で、秘剣を受け継いだ人物は誰だったのか??全く覚えていない。
    しかも、本を読んでも確実なところはわからない・・・
    ああ、ドラマをもう一度観たいなぁ〜
    近藤等則の演奏もかっこよかったなぁ〜

  • 藤沢作品としては、好きじゃないほうかなあ。読みやすいとは思う。

  • まず、題名からして、どこで切ったらいいのか不明、、でした。。
    「秘太刀」「馬の骨」
    特別な者だけが継承する奥義。

    その昔、とある道場で開眼したその奥義。
    命名-「馬の骨」
    そして、それを継ぐ者の正体とは。

    Amazon書評だと、かなりよさげだったんだが、、先週読んだ 『シェエラザード』 が良すぎたのか。。
    藤沢周平は、個人的にはやはり、魅力溢れる登場人物達の物語、『密謀』を読んでいただきたい!!!(>_<)b

  • 最後が良かったけど。。。解説がいらなかったような、欲しかったような・・・

  • 藤沢さんらしく、殺陣の描写、男の心の書き方が本当にかっこいい作品でした。何より、、ほとんどの読者が、物語の真相(あるいは藤沢さんの残した別解)に気付かず読み終えるんじゃないかと思います。作品を読み終わり、あとがき解説をよんだ時には思わず目が止まりました

  • なんか中途半端な終わり方。

    2022/01/15
    二回目だった。忘れていた。
    短編のネタになりそうな剣豪達の秘密が面白い。

  • 出久根さんの解説が素敵な方向に不親切でいい。雑誌掲載時と「あの正体」が違うらしく、そっちもネタバレ読んだけど文庫の方が納得だな。銀次郎がイラッと来ると憎めない一面を見せてつかみきれないよ!

  •  傑作時代小説。知らずに読んだら、この時代小説には「謎」が仕込まれていた。「謎」とは、秘太刀「馬の骨」を伝授されたのは誰か? というもの。秘太刀「馬の骨」とは、太刀を使う秘中の必殺剣のこと。何も知らない私は、最後まで読めば継承者は明らかになるのだろうと高をくくって読んでいた。ところが、最後まで読みきったもののわかったようで、結局わからない。藤沢ファンの間では論争となっている問題らしい。なんとも頭を悩ませる。巻末の解説に、一応は答えを匂わせるようなことが書かれてはある。しかし、その答えにはどうも納得できない。仕方なくネットでいろいろな方の意見を読んでみたが、これまた悉く完全に納得させてくれるものがない。藤沢先生はなんとも悩ませる問題を遺されたものだ。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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