水の眠り 灰の夢 (文春文庫 き 19-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167602024

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに桐野夏生を読んだ。久しぶりだったんで油断していて、主人公・村野善三という名前に全く引っかからなかった。桐野夏生にしては珍しく男が主人公なんだな〜と思いながら読み進め、終わり近くになって「ミロ」の登場に真夜中のベッドの上であっ〜と声を出してしまった。
    この小説は「村野ミロシリーズ」のエピソード0にあたる物語だったのだ。
    桐野夏生ファンなら村野善三が出てきた時点で村野ミロの父親の物語だと気づくはず。
    というか、こういったシリーズ物ってちゃんと順番に読まんといけんね。というか、シリーズ物は同じ出版社から出してくれんかね。
    ストーリーは後半、ドタバタしていて、どんでん返しといえばそうなんだけど、全体的には面白かっただけに残念でした。

  • 一部で人気のミロパパ「村善」の話。
    桐野作品にありがちなホモとかグロネタは少なめで,渋いオジサンたちのハードボイルドな仕上がり。

  •  旅先のホテルで、本を置いていくのが好きだ。ホテルの従業員がわからないように、そっと。それが海外なら、なおいい。捨てられてしまってもかまわないし、たまたま日本人の手に渡ったら、ちょっとうれしいという迷惑な発想だ。もちろん、おもしろくなったものだったら捨ててしまう。だれかが手に取ってほしいという願いを込めて、置いていく。

     海外で本を読むと、ちょっと普段と違う感覚になる。その国で異物として存在しているからか、登場人物がとても身近に感じられるのだ。そして、日本という日常を離れてこそ、常に異国という空間を見つめる目でいるからこそ、物語世界の時空間もよりリアルになる。フランスで読んだ村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」のありえない設定がすっと受け入れられたのも、そのせいだったのかもしれない。

     本書を読んだのは、香港。最終的に主人公・村野が選んだ歌舞伎町という街が香港の雑多の雰囲気を帯びて感じられ、いっそうノスタルジックな気持ちにさせられた。

  • 2回読みました。村野ミロのお父さんの若かりしころを描いた本で、内容はもちろんのこと昭和の風景とか当時の空気がいいです。もちろん村野ミロシリーズに憎いくらいにうまくつなげられていて、またもや唸らされてしまいました。2003年10月読

  • 本筋であるミロさんのお話より
    こちらのが好きデス。
    おじさん達がかっちょ良いデス。

    いつもの桐野さん作品とテイストの違うどろどろ具合は
    「桐野さん作品だから」と言うより
    「あの時代だから」かもしんないデス。

  • この作者にしては珍しく真っ当な話です。
    シュールではありません。

  • ミステリーはもうたくさんだ。

  • ミロパパの若かりし頃の話。
    ハードボイルドでとてもおもしろいかった。
    シリーズで読んでいる人には養子になった理由もわかり、
    今後がまた気になる。

  • ミロの父親の若い頃の話。
    本家のミロシリーズでは分からなかった「あ、そうなんだ」がいくつかあってすっきりします。

    村善がすっごく魅力的です。読めば読むほど素敵です。
    頭の良い人好きです。
    だからなのか、何度読んでも早苗ミロの母親)は好きになれない・・・

    村善がいるならこの時代に生まれてみたかったとすら思う(笑)個人的に大好きな一冊。

  • 最近50・60年代当時の小説を読む機会が多いので、桐野夏生がこの時代を描くとどうなるのだろうと興味深く読みました。固有名詞に頼りすぎかなーとか女性主人公のがイキイキドロドロ描けるのかなーとか思うところはありますが、昭和のギラギラした時代を真っ向から表現したかった桐野夏生の心意気に打たれますた。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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