白鳥異伝

著者 :
  • 徳間書店
4.16
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  • Amazon.co.jp ・本 (598ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198605407

感想・レビュー・書評

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  • 遠子と小倶那は双子のように育った。都に出る日、小倶那は誓った…必ず遠子のもとに帰ると。けれども小倶那は「大蛇の剣」の主として帰り、遠子の郷をその剣で焼き滅ぼしてしまった…。「小倶那はタケルじゃ、忌むべき者じゃ」大巫女の託宣を胸に、何者にも死をもたらすという伝説の勾玉の首飾りを求めて旅立つ遠子。だが、ついに再び会う日が来たとき、遠子の目に映った小倶那の姿は…?神代から伝えられた「力」をめぐって、「輝」の未裔、「闇」の未裔の人々の選択を描く、ヤマトタケル伝説を下敷きにした壮大なファンタジー。10代から。
    「BOOK」データベース より

    意思の力が何物にも代えがたいこと、大切だと思っていたことに対する執着を捨てることで得られるものがあるということ、を教えてくれる一冊.

  • 2012年12月6日再読。

    うんうん、おもしろかった。長さを感じさせない力のあるお話ですな。

    今改めて読むと RDGにつながる要素がいっぱいで
    なんかちょっとこう大きな流れというか、根底にあるものは同じなんだなと感じた次第です。
    すべてをひっくるめてそのままを受け入れて、生きていこうっていう。
    そして母の愛というのも大きなものです。

    個人的には、オグナよりスガルですが、遠子オグナはほんとによいと思う。

  • 三部作の中で一番好きです!
    13歳で読んだ当時、あまりの壮大さと魅力を秘めたストーリーに、読後1ヵ月は放心してました( ̄▽ ̄;)

    小倶那を追う遠子の意思、遠子を思う小倶那の心、そして旅の情景の細かでありありとした描写、今読み返しても素晴らしいとしか言いようがありません、、

    個人的にM.エンデの『はてしない物語』とこの本を聖書のように思っていますf(^_^

  • 死ぬほど面白い。
    と思いながら読みました。
    体ごと物語の世界にぐわーっとひきずりこまれる感じ。途中何度も泣きそうになり、ハラハラドキドキしながら読めました。この作者、ストーリーもさることながら、ホントにキャラクターがうまい。脇役一人一人さえ魅力的。
    新書版は表紙イラストなんですね。イラストあるとイメージ固定されちゃうし、なくても充分鮮やかにイメージ浮かぶので、このハードカバーのほうがオススメかも。
    日本全国飛び回るけど、地名でどのあたりかすぐにわからない時があるので(ひむか→宮崎?大分?とか)地図があったらいいのになあ。
    それにしてもこれだけ面白い作品がまだまだ世の中にあるなら、長生きしたいもんだなあ。

  • 勾玉三部作の二作目。
    三作のなかでダントツによい。

    少年少女の成長を古代を舞台に幻想的に描いた。
    特に透子の成長の描写が秀逸。少女が女性になる、この抗えない性。
    そこに明姫の存在が活きている。
    だから、ただオンナになるだけではいられない透子は幸せになる道を模索する。でも手放すしかない。
    深い。

    小具那のほうも、きちんと描写されていて、だからこそ船の再開のシーンは素晴らしい。

  •  このレビューを読んでいる方が、お子さんのいる
    「お父さん」「お母さん」だとしたら、
    この本と子どもを出合わせる結び目になってくれたらいいなと願います。
     もちろんお父さん、お母さんにも読んで欲しいです。
     物語に身を委ねて楽しんで欲しいです。
     ヤマトタケルの神話を下敷きにした話ですが、
    そんな古典の素養などなくていいのです。
     大人になろうとする者、大人として生きる者、
    どちらにも『白鳥異伝』は響きます。

     中学生の時、私はこの本と出合いました。
     誰から教えられたわけでもなく、気付いたら
    手にしていた本でした。
     上質のエンターテイメントとして楽しめるだけでなく、
    思いがけない宿題を手にする作品になると思います。
     私は作者からいろんな宿題を渡されたような気がして、
    その答えを一生かけて考えていきたいなと思いました。
     何度でも物語の扉を開きたくなります。
    (2005年03月03日 20:35)

  • 星3

     まとめて借りていたので、続けて読みました。前回よりは、大分ましでしたが・・・。やっぱり、今一です。

     遠子は、初め、狭也よりましかと思いましたが、やっぱり同じです。前向きだったけど、全然学習しない。これは、本当に狭也と同じですね。これは、たぶん著者における“女の子”像によるものなのでしょうか。ある意味、古いと言うか保守的です。助けてくれるのを待つばかり。自分から動いても、結局、受身。受身で家庭に入るための女の子。内容が多少ヒロイックファンタジー形式をとっているのに、全然女の子がだめで、がっかりです。私なんかは、いらいらしちゃいます。

     初めの二人、大碓皇子と明姫の魅力的なところは本当に無駄で、もったいないです。菅流も、いい奴なのですが。もう一つ欲しいです。もったいない。唯一、痛いなぁと思える程には書き上げることが出来た小倶那が救いでしょうか。それでも、もう少し、最後の葛藤の心情をしっかり書いて盛り上げてほしかったです。

     この著者の場合、盛り上げ方とか、登場人物の配置が弱いと思います。肝心なところで、肝心な人物を生かしきれていない感じがします。終わりは前回と同様で、本当に終わりだけやたらとハッピーエンドで、ちょっとこれも、と私は思いました。いいも悪いも、他の方が言っていた様に、私も、この方の作品(少なくとも読んだ2作共に)あまりにもお子様的だと思います。幼いものしか書かれない力量なのでしょうか、それとも昔の方の考え方なのでしょうか。いろいろ匂わせたりしている割には、結局、本当に幼い。

     この感想は、もしかすると私がもう大人になってしまったから、子供のときに読んでいたら違うかもしれないなども、ありだと思っています。でも、多分、いいものは大人になってもいいんじゃないかとも思っています。チャンネルが合えば。多分、私が一番こだわっているのは、主人公の女の子の保守的・自立性のなさ、描写の浅さ、盛り上げ方の弱さ(本は、ある意味エンターテイメントですから、歴史を眺めて断絶されて時間だけそえばいいというものでもないと思います)、そして匂わすのに書ききれないお子様的な部分だと思います。だから、今ひとつなんだと。題材は、やっぱり日本人だから、いい物を使っていると思うんです。でも、それだけになっているのでは。

  • ヤマトタケルの伝説をモチーフにしたファンタジー。
    勾玉三部作の二作目であるこの作品は分厚さも半端ではありませんが内容も充実していて大好きです!

  • 主人公がどんな思いをしても頑張って前を向く姿が素敵でした!

  • 菅流がかっこいい!遠子とくっついてくれたらいいなあーと思いながら読んでました~

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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