- Amazon.co.jp ・本 (598ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198605407
感想・レビュー・書評
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「遠子と小倶那は双子のように育った。都に出る日、小倶那は誓った…必ず遠子のもとに帰ると。けれども小倶那は「大蛇の剣」の主として帰り、遠子の郷をその剣で焼き滅ぼしてしまった…。「小倶那はタケルじゃ、忌むべき者じゃ」大巫女の託宣を胸に、何者にも死をもたらすという伝説の勾玉の首飾りを求めて旅立つ遠子。だが、ついに再び会う日が来たとき、遠子の目に映った小倶那の姿は…?神代から伝えられた「力」をめぐって、「輝」の未裔、「闇」の未裔の人々の選択を描く、ヤマトタケル伝説を下敷きにした壮大なファンタジー。10代から。」
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「ぼく、おなかがへったみたいだよ」って、小倶那かわいいな。
全く同じではないけれど、元の二人に戻れてよかった。 -
空色勾玉と違い、最初から最後までワクワクしながら一気に読了しました。
勾玉の行方については十分理解できない点もありますが、とにかく登場人物全てが魅力的です。
高学年から中学生のうちに出会ってほしい本。
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人生でもっとも面白かった本。
神聖さと忌まわしさ、戦の非情さと生の大切さ。
そして萩原さんの描く登場人物の魅力。
ヒロインはかわいげと強さがあり、ヒーローは儚くて正しい。
ナルニアとか指輪物語とかに並ぶような、日本が誇るファンタジーだと思う。
日本の学生全員が読むべき良書。 -
15年位前に読んだ以来の再読。
菅流がめちゃくちゃかっこいいという事以外は何も覚えていなかったので、ほぼ初読の様に楽しんだ。
そしてやはり菅流が良い…。
超長編だが、彼が登場してからは一気読みしてしまう程の輝きと躍動感。 -
17、8年ぶりの再読。
子どもの頃の私は何を思ったのだろう。
自分自身と向き合うことの大切さ。
親の愛とは何か。
愛するとはどういうことなのか。
遠子と小具那の成長も物語も楽しくて、今回も夢中になった。
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読み終わったー。第二部ということだけれど、この巻から読み進めてしまった。第三巻も読みたいなあ。ファンタジーということで子ども向けかな、と思ったけどけっこう難しい事とか男女のこととか、え、これ子ども向けではないような…と思いながら読んだ。もちろん子どもでも読むだろうけれど、どちらかというと、古事記とか神話とかのモチーフの方が強くて、日本全国を飛び回るのとか、大人の方が読みやすいのでは?
キャラクターの感じがいいなあと思った。カップルのふたりが(主人公たちもだし、明姫たちも)すごくほほえましくて、いいなあと思いながら今恋愛中なので入り込んでにやにやしていました。よいつがいというのは、見ている周りも、ほっこりするのかなあ。いいなあ、そんなふうになれたら。
仲の良い男女の幼なじみのふたりは、12歳という大人と子供の境目になって、はなればなれに。約束をして別れる。男の子は都にいって、武道やたしなみなどの英才教育を受ける。また、親のわからない子だったその子の出生の秘密もあきらかに。16歳になったふたりは、中央の権力争いと古から続く強い力(剣と勾玉)の力に振り回されることに。
女の子の方は、剣の力をおさえるべく、勾玉をあつめる旅に出る。日本全国の要所をめぐって、巫女たちの言葉を聞いたり、勾玉を集めたりする。仲間もできて、剣の力で暴走してしまう男の子をはたして止められるのか?という冒険もの。
男性の力の象徴である剣と、それをおさめる巫女というメタファーが炸裂していて、よく考えるとすごくあからさまな話だなと思う。はたしてファンタジーなのか、男の子のマザコンというか、お母さんの暴力的な愛情も、どこの家のことやねん、みたいな、ものすごく現実的な気もした。でもそもそも神話がものすごくあからさまな話なので、こうなるのが自然なんだろうなあ。
愛する人を手に入れるときに、執着して縛り付けるのではなく、ある意味でその人のしあわせを願って自分の欲を手放した時に、手に入れることができる、という主題?がいいなあと思った。
女の子が主人公、というところからして、やっぱり女性に共感があつまる、女性が読みやすい物語なんじゃないかなあと思う。なんというか、子どもの心を持ったまま大人になってきた女性向けの気がした。