掏摸（スリ）

著者 : 中村文則

• 河出書房新社 (2009年10月10日発売)

感想・レビュー・書評

[inagnmaさんの感想 · 2021年4月30日]

評価の高い作品との認識があり再読、ほとんど覚えていなかった。題材は面白いし一気に読了したが、そこまで優れた評価が得られる作品かはやや疑問。

[水緑さんの感想 · 2021年2月13日]

見たことのない、灰色の世界。
ずーっと靄がかかった世界が続き、次の展開が読めなさすぎてハラハラしながら読みました。

[조 원애さんの感想 · 2020年12月25日]

苦しくて何度も中断してしまった。
哀しいというより、苦しかった。
人生に悲観とか……そんなレベルではない、この主人公の見えている風景、感じる空気、、、全てが私には苦しかった。
何処までも闇の中……色のない世界にｽﾞｯﾄ居るような。。。
上手く言葉に表現出来ないな。。

[ぱんさんの感想 · 2020年12月12日]

『掏摸』を中心に、主人公役とその周りのやりとりが描かれている。ラストのシーンでは、黒く光ったコインが主人公を助けてくれたら、と言う思いと、願い叶わず息絶えてしまったのではないか、という思いが両方あって、どっちに転んだとしても主人公の未来に光はないと思うので掏摸をしてきた人の人生としては仕方のないことなのかなと思った。また、掏摸の描写がとても細かく、『私にもできるのでは？』と思ってしまった。木崎の人間性について、どのような子供時代を過ごしたらあのような人間になってしまうのか疑問に思う。

運命は握られていたのか？それとも握られることが運命だったのか？

[tmkさんの感想 · 2020年10月9日]

(ಠ.ಠ)

[ハーモニカさんの感想 · 2020年10月7日]

掏摸技術、犯罪組織が細やかに書かれており普段考えないことなので新鮮で面白かった。

石川の「貧富の差のなく楽しめる花火は、掏摸をしているものは楽しめないのは悲しい」との言葉は美しいと感じた。

[海賊王さんの感想 · 2020年9月19日]

3

[Yutaka Hayashiさんの感想 · 2020年8月1日]

中村さんの作品いくつか読んだ中で一番良かったと思う

[riverthamesさんの感想 · 2019年8月1日]

長くないのに世界ができているので一気に読了。東京なのに無国籍な雰囲気。東京が無国籍なのか。海外の人でも同じような灰色の映像が頭に浮かびそうなので、海外評価に納得。好みではないだけのこの評価で、小説としてはもっといいかも。

[オギノ通りさんの感想 · 2019年6月9日]

★畳みかけるラスト★ノワールで不条理で、不幸を背負ってきた先にほんの少しだけ光が見える。最後には強いられた３件のスリで、一気にドキドキを高める。単なる純文学ではなく、盛り上げ方も素晴らしい。

著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団Ｘ』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」