掏摸(スリ)

著者 :
  • 河出書房新社
3.34
  • (81)
  • (224)
  • (303)
  • (91)
  • (25)
本棚登録 : 1746
感想 : 287
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309019413

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  久々一晩で読み終えてしまいました。
     僕のその一挙一道、呼吸までが伝わってくるような表現。バックグランドが測れない得体の分からない人々。将来、転落していきそうな少年。
     その展開に引き込まれて行きました。
     鉄塔こそ ①高位から見下ろす視座、まるで人を手玉にとるように・・・、②今いる世界から隔たれたところに位置する存在 の象徴のように思えた。
     少年は幼き頃の自分とダブり、佐知子はどこか僕の代弁者のような。
     「善を忘れず」「死の恐怖を意識的に味わ」った先に見える世界は、どんな世界なのなだろうか??
     イメージを膨らませつつも、自分では到達できないその先に見える世界像が、おおきく圧し掛かって来ました。

  • もう、ドキドキ!
    まるで自分が掏ってる気分になっちゃった。
    まるで自分が脅されてる気分にもなっちゃった。
    おー、こえー。

    不夜城を読んだ気分に近かったなぁ、もう。
    アジアの悪、って西洋の悪と違って
    ホント、こえー。
    自分がアジア人だからなんだろうけどさ。
    こえーよぉ。

    でもこの主人公、カッコイー。

  • 最初から最後まで淡々とした、あまり盛り上がりもなく終わってしまった内容だった。登場人物はみな幸薄い薄幸な感じで、読み終わった後は重苦しい感じ。

  • 王国を先に読んで「掏摸」を知った。
    スリを生業にする男の憂鬱な物語、詳しい背景の描写がないためどこか虚ろな夢語りのよう。地に足のつかない、宙に揺蕩う感覚で掴みどころがない。

  • ストーリーとしては面白かった。
    でも、重かった。。。つらかった。
    終わった後、なんだか悲しくなった。

  • 代表作と言われてる理由がわかった

    この小雨が降り続いてるような寂しく暗い雰囲気
    でもこどもとのキャッチボールとか良かったな~

    人生を支配するとかされるとか
    うん、これは俺たちにも言えることなんだろう

  • 都内でスリを生業にしている主人公。
    木崎と言う男と出会い、人生を支配されてしまう。

    期待していたのですが、私には合わなかったようです。
    残念でした。

  • すぐに読み終わったが、なかなかの悪漢小説。文章がうまく、引き込まれた。ミステリーとしてはもっと長くしても面白くなりそうだが、あくまでも文学に近いところなのか?

  • 今、話題の作家さんということで
    読んでみました。
    裏社会の登場人物たちがいい感じ。
    続編がありそうな内容。
    おもしろい!

  • 動きのひとつひとつが、繊細できめ細やかで、呼吸を潜めてしまう。何にも動じないよう、無表情を装う主人公の、かっこよさ。

全287件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村文則の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×