アカガミ

著者 :
  • 河出書房新社
3.19
  • (17)
  • (76)
  • (152)
  • (40)
  • (7)
本棚登録 : 788
感想 : 139
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024608

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ま、まさかこんな結末になるとは。
    読む前からタイトルも装丁もなんだか不穏だとは感じていたのですが、すごい展開のもっていき方に驚愕でした。

    舞台は日本。2020年の東京オリンピックを終えたときにはすでに、多くの若者が絶望と不安のみを抱えていた。
    自殺者が鬱病患者ばかりが増え続け、恋愛をもすることがなくなり、どんどん少子化が顕著になる社会に打ち出されたのが”アカガミ”制度だった。
    出会い、まぐわい、妊娠、出産。
    家族になるまでの全てが、細部まで保障されたこの制度。
    ミツキとサツキが、ゆっくりと微笑ましく愛を育んでいくそのさなか、アカガミにはとんでもない落とし穴が待っていた。

    なんともミステリ小説的でした。
    SF設定ではありますが、窪美澄さんらしく、生と性をかけがえのないものとして話はすすんでいくのに、最後の最後でこの仕打ちですよ。
    草食系男子、さとり世代、そんな風に呼ばれることの多い現代の若者たち。
    そんなのがのん気に許されている社会に警鐘を鳴らしているのでしょうか。

  • 「アカガミ」・・・? なんとも不穏なタイトルだなぁ。
    あー、比喩?ん~?ってか、近未来?窪さんが?え?まさかのSF??(SFが苦手な私・・・)
    2030年か・・・まぁ、まぁね、許容範囲だなっ!SFって感じでもないしっ!!
    言葉が・・・いちいちひっかかるけど、窪さんらしいかな。
    今のところ 妙ちきりんだけど、そしてかなりまどろっこしいけど、エロっぽい恋愛方面に進んでるみたいだし?w

    と読み進めるが、どうにもこうにも不穏できな臭い。
    国の政策ってのは、どうにも信用がおけないものよねぇ~・・・やっぱ、サスペンス方面か?

    うっわ~!何この急展開!!って、想定内ではあったけど、やっぱそっちか!うわー、ホラーじゃんっ!コワイよぉ~う!!!

    生と性・・・か。んー、やっぱ密着してる気がするな、私は。「そうかな?そうでもないんじゃん?」っていう人もいると思うけど、それはそれでOK。
    今、生きていることを楽しんでいられれば、そしてまわりの人も楽しんでいるといいなと思えるくらいの余裕があれば。

    誰かを想って、心が温かになって、穏やかになって、強くなって、今日も生きていられるのって、忘れがちだけど、本当は幸せなことなんだよね、としみじみ思う。

    サツキとミツキと生まれた女の子、この家族の未来がどうか幸せでありますように。。。

  • 異性と話すことも、結婚することも面倒な時代が来る!?
    当人にその気がないなら、周囲はどうしようもないが、それだと確実に人口減に繋がるなぁ。
    かと言ってこのアカガミシステム。アリなの?
    この波に乗れる人はいいけれど、大半は無理じゃないだろうか。自分自身がなんとかしたい、変わりたいと思わないことには。

  • 手のひらを返したような酷い仕打ち。マトリクス的悪夢みたいな恐ろしさ。国が相手では家族のような小さな存在など簡単に握り潰されそう。これでは自殺もしたくなるわ。この国がいったい何を目指しているのかが皆目読めないのも恐ろしい。

  • 若者が恋愛や結婚もせず性離れをした近未来を舞台にしたお話。新たな視点で性と生について描いたリアリティのある内容はエンタメの要素もあり面白かった。家族の物語でもある。性交に至るまでの心情と出産の描写は著者ならではでした。次回作も期待。

  • 2016.4.25予約
    よくできた話だと感じ、また近未来にあってもおかしくないとも思った。でも最後、あのような展開になるとは。
    サツキ、ミツキ、ログ、と一風変わった名前の登場人物。

  • 0423A

  • 2016.4.11読了
    フッと物語が終わったようで、最後の最後で何だかとても強くなった。でも、これで良かったんだと思うと、やっぱり怖い。ミツキが恋をしていく様は、幸せな気持ちになれた。

全139件中 121 - 130件を表示

著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

窪美澄の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×