- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309024608
感想・レビュー・書評
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読後のなんともいえない泣き笑いが止まらない。
近未来の話なのに、なぜかもう経験したことのような錯覚に陥る。
静かで、優しくて、幸せで。
そんな都合のよい場所は小さな穴も見逃さない。
ありえる?ありえるな、この国なら。 -
世界観は見たことなく面白かった。スピード感もあり、主人公たちの感情の変化や人間らしさの芽生えにほっこりさせられる。ただ、フランス映画よりもアメリカ映画が好きな私は最後で『アカガミ』がどうなるのかはっきりさせてほしかった。
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少子化が急速に進行した近未来。
男女は自発的に恋愛し、パートナーとなり、子供を産み育てるという習慣を失う。
そして、恋愛に代わるシステムとして、様々な理由から志願し選抜された男女が、国によってカップリングされ、子供を作るシステムが構築される。
そのシステム、アカガミを利用する男女には、国の庇護による手厚い子作り体制が保証される。
アカガミを利用する生活は、非常にリアル。
そして、アカガミを利用し男性と番った主人公は、やがて妊娠する。
現代の少子高齢化が進展した未来の設定としては、あり得ないこともないかもと思うが、その設定、着想以外は、かなり荒削り。
そして、唐突にやってくるエンディング。
当初の着想が面白いだけに、その後の展開と結末に物足りなさを感じてしまった。 -
とてもおもしろかった。
近未来の日本は、草食化が進み?若者は、セックスや恋愛に興味を持たなくなった。その対策に国は「アカガミ」制度を導入。「アカガミ」に志願した者は、指定された団地に赴き、カップルとなる。相性が悪ければチェンジも可能。
主人公のミツキは生きる意味を見いだせず、何度も自殺未遂をしていたところ、知り合いのログから「アカガミ」を紹介される。ミツキと一緒に生活することになったハルノは、家族の生活を救うため「アカガミ」に志願した。
生きる意味を見いだせず、恋愛にも興味がなかったミツキが、次第にハルノに魅かれていく。ハルノもミツキに魅かれていき、自然の流れで二人は結ばれる。ミツキはめでたく妊娠し、ツキとハルノの生活はこのまま穏やかに続くと思われたが……。
ミツキがハルノに魅かれていくところ、ハルノもミツキに魅かれていくところが、なんともいえずよかった。ストーリーはありえない設定なんだけど、こうなってもおかしくないと思わせる、変にリアルな設定がこのストーリーのおもしろさを増していると思う。 -
奇妙な読後感が残る本だった。読んでいる間もずっと違和感が拭えず、最後の一文にも引っかかるものを感じる。きっと、自然の摂理としてではなく人工的に男女を結びつけ、子どもを増やそうとしているからなのだろう。「アカガミ」制度では、人生に伴う衣食住、とくに食と住においては当事者の手が煩わされることなく、すべて滞り無く用意されている。しかしそのようなうまい話があるわけが無く、疑念と共に読み進めたためか、不穏な空気が作品中に漂っているかのようだった。
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こんな近未来本当にくるのだろうか。恋愛、結婚、出産をしない草食系の若者ばかりになった日本。若者の自殺も増える。危機感を覚えた国家が立ち上がる。それが「アカガミ」制度だ。国をあげてのお見合い制度。国家が恋愛の手ほどきをするという歪み。「アカガミ」を希望すれば、生活の全てを国家が保証してくれる。そんな夢のような話があっていいのだろか。あるカップルが「アカガミ」で家族になる。しかし家族になって初めて知る「アカガミ」の本当の目的。まさに戦時中の「赤紙」だ。保証された生活の裏の残酷さ。作られた楽園はいらない。
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2016 8/24