- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478002292
感想・レビュー・書評
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機会費用とか利益構造の話
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身近な経済活動の中に眠る、様々な合理的判断について説明したもの。
目次
<blockquote>第1章 ペットボトルのお茶はコンビニとスーパーのどちらで買うべきか?―裁定と取引コストが価格差を縮めたり広げたりする
第2章 テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜか?―規模の経済性が家電製品の価格を下げる
第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?―企業は、高くても買う消費者にはできるだけ高く売ろうとする
第4章 携帯電話の料金はなぜ、やたらに複雑なのか?―携帯電話会社はいろいろな方法で消費者を選別する
第5章 スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?―取引コストの節約は、店と消費者の両方に利益をもたらす
第6章 100円ショップの安さの秘密は何か?―ときには、追加コストが価格を決める
第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?―所得よりも資産の格差のほうが大きな問題である
第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?―安易に政府に頼る国民は、結局は大きなツケを負わされる
最終章 身近な話題のケース・スタディ―付加価値に分解して考える</blockquote>
この手合いの本は、本当に面白いのだが、それは今まで意識してやらなかったこと(どっちが安いか的な)を合理的に説明しているところだろう。
使われている経済学の理論は、非常に初歩的なものなのだが、内需・外需どちら向けにも対応できる理論を使っている。
特に面白かったのは、第一章の「ライバルの主力製品や二大政党の政策が似てくるのはなぜか?」で、ターゲットの好みの分布を使って説明しているあたりは、かなり読みやすかった。
(多分これを専門的に行うと正規分布とかが出てくるんだろうな……)
しかし、数学的な説明はやや複雑になりがちで、この本の欠点かもしれない。
本の体裁からみても、最近ベストセラーになりやすい経済学入門書のひとつだけれど、身近な話題がネタになってるぶん、そのまま応用して酒の肴にどうですか?
ボリュームとしても割合多いので、それなりにお得な本にはなってると思います。
逆に言うと、あくまで入門書的な位置づけだから、既にある程度の知識を持っている人には物足りない。
この本からあれこれスタートするにはいいですが、経験知的には多少低いかな。ターゲットは広いのだけれど。
で、言いたいのはこれなのかな?
<blockquote>「他人と同じ好みや行動パターンの人は、産業の技術進歩や経済のしくみの変化によって、取引コストを節約しやすいのです。<span style="color:#ff0000;">この点だけをみると</span>、他人と異なる好みや行動パターンの人は取引コストの節約の面で損をする可能性があります。」</blockquote>
まあ……俺は変人だから損してるのか。そうなのか……。 -
生活に関わる経済学が分かりやすく書かれていた本でした。ペットボトルを、スーパーで買うか自販機で買うかという点について、価格だけではなくコスト(手間)の部分も意識して購買していることを理解しました。価格だけで見るとスーパーの方が安いですが、行く手間などを考えると、高くてもコンビニや自販機で買うことがあります。行く手間を削減するという価値がこの価格に含まれていると気づきました。
価格の内訳についても知ることができたので、なぜこの価格設定なのかやどんな付加価値が付与されているか、同じような製品やサービスにも価格差が生まれている理由について考えてみようと思いました。 -
読んだ時は面白いし解りやすいし良かったのだが、ほぼ1ヶ月後の今、殆ど何も覚えていない。
という事は読まなくても良かったのか?? -
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同業者の店舗が集まるのは集客の取引コスト等から考えて合理的な判断である。
賢い消費者になる為には広告等様々な情報を読み取る能力が必要である。
本書では例として携帯電話料金が示されている。
取引コストを意識して見ることで色々なビジネスの本質が理解出来ることがある。
経済格差は所得格差より資産格差の方がより問題であると著者は考えている。
それには納得出来る。
比較優位の考え方は大切である。
全ての面で絶対的な能力が高い人と絶対的な能力が低い人を比較しても能力の低い人は何らかの仕事において比較優位を持つ。
つまり、自分に何が出来て何が出来ないかを自覚して自分の出来ることを確実に行うことが大切。
余談だがIKEAが1986年に日本から撤退していたのは知らなかった。
身近な例を取り上げており非常に興味深く読み進むことが出来た。
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タイトル釣り本。中味がない。
買ってはいけない。 -
日常生活と経済学って離れているようで密接しているのだが、経済学の内容って、わかっているようですぐに忘れてしまう。だからこそ似たような内容の本が手を替え品を替え何回も出版されているし、自分もつい買ってしまう。もうその時点で負けって感じだけどまぁいいか。エンボス加工の装丁は好感触。
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ペットボトルのお茶の販売コスト、テレビやデジカメの値下がり、映画のDVDの値差、携帯電話の料金設定の複雑さ、スターバックスコーヒーのサイズごとのコスト、100円ショップの100円販売等の分析、説明、理由が前半を占める。ここまでは非常に一般的な話であり、要約すれば、「規模の経済性」、「範囲の経済性」、「変動費と固定費のコスト分析」などの説明。当たり前すぎて、退屈、くそ本の予感がした。ところが、後半戦になると、「子供医療費無料の経済的不平、問題点」や、「経済格差問題」、「逆輸入邦楽CDの受益者」に言及。これがなかなか良い。私にとっては目から鱗的発見があり、面白い。前半☆一つ、後半☆4つ。
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タイトルは釣り。結局は全体規模で考えた場合、どこでコストを調節するかの話…であるが、後半から面白い。100円ショップや石油製品の話など、ケースが多くて飽きない。また、珍しく一読の価値がある「おわりに」であった。個人でのコスト削減の一助になる。