スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 463
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478002292

感想・レビュー・書評

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  • 生活に密着したコストに関する考え方を楽しく説明してくれる良書です。製造コストや運送コストなど目に見えるコストだけでなく、情報コストなどの取引コストの考え方が、よくわかります。「高くても買う人には高く。安ければ買う人には安く。」という企業の価格戦略もわかり易く説明してくれます。いい本です。

    関係ないのですが、エンボスの効いた表紙は子供に好評でした。(笑)タイトルのコピーもキャッチとしては良かったんだと思います。

  • 面白かったけど少し古いのかな

  • 生活に身近な物事を経済学の視点で見つめ直すと、物事の仕組みが見えてくる、というコンセプト。
    経済学の基本を実際の生活で眼にする現象で説明して行く本。

    デジカメやDVDの価格、携帯の料金設定などから、企業の戦略を説明。

    一度経済学の視点を持てれば、企業側の「うまい広告」にはだまされなくなるかも。

    日本の教育において、こういった基本的な経済学の教育がほとんどなされていないというのは本当に残念なことであると思う。おとなの入門書には最適な一冊。

  • スタバで大きいサイズを買う口実が欲しくて読みましたw
    具体例が身近で話を理解しやすかったです☆

  • だいぶ前にベストセラーになった本である。経済学のサービス対価に関する知識が得られると思う。
    今の経済は第三次産業が主流でサービスで利益を得ている会社がほどんどだ。一口にサービスと言っても、目に見える接客型のサービスから目には見えない仕組みでサービスをしているものまで、サービスに対する考え方とその対価について述べているのが本書である。
    実は通読しておらず興味のある章のみ斜め読みした。サービス業を経験したことがあるため対価についての考え方や経済的観念については飛ばし読みした。
    タイトルのスタバの件で言えば、サービスコストは大差ないから大きいサイズを頼んだ方が客も店側もwin-winであるということだが、これは純粋にコーヒー提供に関してのコストで見た限りでありtakeout客なら本書の理論で通じるかもしれないが、滞在客についてはこの理論は当てはまらない。
    また、2杯目割安サービスの価格設定についても触れられていない。スタバ側が著者と同じ理論で価格設定しサービスしているならともかく、そう断言できる根拠もなくまたおそらく違うであろうことは推察される。
    経済感覚がある人なら楽しめる本ではあるが、そうでない人が読んでもおそらく経済観念は身につかないと思う。

  • 子どもの医療無料化の問題点はなるほどと思った。ケータイの料金体系とか。ちょっとしたことってなかなか気づかないね。

  •  タイトルは煽りすぎですが,中身は真っ当で,いわゆるミクロ経済学として扱われるトピック(の一部)について,様々な事象・事例を用いて門外漢にも分かりやすく解説されています。
     すでに他のレビューに書かれている通り,本書の主軸となっているトピックは,モノやサービスの価格・料金体系がどのように決まり,それらがなぜ現在のような形・あり方になっているのかということです。「スタバではグランデを買え」は全9章のうちの1章での著者の主張に過ぎず,本書の内容全体を代表しているわけではないので「煽りすぎ」というわけです。
     私が個人的に面白いと思ったのは上記の主要トピックがかかれている部分ではない,第7章でした。理由は,経済学的な概念が,現実に働くということにかんして,どのような意味を持ち、また我々がどのように行動していったらいいのかの指針を与えてくれているからです。
     第7章は経済格差について論じられているのですが,格差是正のために我々ができることについて書かれていることが個人的には「なるほどな」と思わせるものでした。まず,経済学の概念である「比較優位」を持ち出し,自分の能力をきちんと把握すれば誰にでもいくらでも仕事はあるのだということを述べています。この比較優位に基づく分業の利益を基軸として、付加価値を生み出すこと,その付加価値の大小を理解して人材の適材適所を進めることが大切であるということです。(考えてみれば当たり前のことでなのですが。)
     さらに,付加価値の大部分は取引コストによって生み出されている(という本書の主張)からすると,「モノ・サービス・人・情報について,探す・知らせる・分ける・結びつける・運ぶ等を行うことで,何らかの取引コストの節約をするような仕事が,実は大きな価値を持っている」(p.184)ということも納得できます。著者はこのような仕事に必要な4つの資質についても述べていて,それらはこれから社会に出て行こうとする若い人たちにも良い指針となると思います。(このあたりは筆者が大学教員であるというこが多分に影響していると思います。)
     本書に対する感想・評価としてはいささか変則的になってしまいました。しかし第7章だけでも読む価値があると思います。

  • 消費税が、未だ5%の時代の本であるが、その時に読めなかったので、読んでみた。
    モノ、サービスを提供していく企業側、消費者の取引コストを節約するのに、他人と同じだから得になる部分と違うから得になるところもあるということ

    昔の人は手間暇かけて、倹約していたことが、コーヒー1杯の原価で、よくわかる。

    我が親の時代には、お茶や、水を外出先で買うという行動は、考えてもなかったことだろう。
    そのうち、空気も買わないといけない時代になりそうである。

  • タイトルのスタバの例だけではなく、色々な小売から値付けの意味や、消費者の心理を教えてくれる本書。グランデにすると、企業の利益が大きくなるだけではなく、消費者の利益も大きくなる(取引コストが減らせる)。すべての行動は数字に落とし込める。経営者の感覚としては必要なものだろう。

  • 私たち消費者の日常生活における様々な消費を「取引コスト」の観点から要素分解した、経済学の入門書。

    気になったのは2点。1点目は規模の経済や範囲の経済性が働くほどモノを売る力が強い(安く、早く売れ結果的に多く売れる)のであればプラットフォームビジネスが今後to Cの売り方をどう変えるのかという点である。実際本屋はamazonに、CDショップはi Tunesにとってかわられようとしておりただモノを売るだけのto Cビジネスは集約されようとしつつある流れを感じる。
    その中で、既存の店舗に何ができるのか、つまり本質的に消費者に提供出来る価値は何か改めて考える時期に来ているのである。本屋の価値は癒しであることからカフェを併設する、毎週のように行われるライブで新しい発見のあるCDショップなど抽象的な”価値”を定義し、店舗一丸となって実践できることである種他とは違う”独占市場”を作り、取引コストを支払ってでも消費者に愛されることができるではないだろうか。

    2点目は、世の中に情報が(必要なものから使わないものまで)溢れる中で、賢い消費者であるために努力必要が出てきた点である。本文に書かれているように今までも携帯電話の料金のように無知な消費者に比べて賢い消費者が得をするように(企業は無知な消費者から多くのお金を払わせるように)工夫がされている。いわんや今後の世の中は国内外含めさらなる情報量により、学ぶ消費者と学ばない消費者の差は開いていくように感じる。
    今までの消費者は受け手のイメージだったが、それも分岐点ではないだろうか。情報こそが価格差を生む大きな要因になっていく今後情報の取引コストは早めに(そして継続的に)払っていくことが後のリターンを大きくすると肝に銘じたい。

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著者プロフィール

エコノミスト

「2016年 『学校では教えてくれない経済学の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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