何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1 (ちくまプリマー新書)

制作 : 桐光学園  ちくまプリマー新書編集部 
  • 筑摩書房
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689313

感想・レビュー・書評

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  • 「脳のうまい使い方とは、できるだけドーパミンを出すこと。どうすればいいか。自分にとって無理めの課題を設定して、それをクリアすること。劣等感は持たない。模試の判定や偏差値は、他人と比較するための物差しではなく、自分の進歩の目安として使う。そして情熱を持って苦労する。」
    この文章が心に残った。
    学校に入学するために学ぶのではなく、これからの未来で生き抜いていくための力の基礎となるのが学ぶこと、であるのかなと思った。だから、何が分からないかを明確にし、答えが1つしかないという思い込みをなくして、すぐに答えを出そうとせず、様々な解決方法を考え出し、苦労をすることが大事だとわかった。よく、知識を詰め込んでも意味がないと最近は言われるが、なぜそう言われるのか、この本を読んで納得できたと思う。そして何より、今の自分が考えている漠然とした悩みがこの本では文章化されていて共感しやすく、そういう悩みを持っている私は変ではないと言われたような気がして安心できたのがよかった。

  • 良著。

    学ぶとは?

    即効性があるのが学ぶ?

    点数をとるのが学ぶ?

    いや、違うはずだ。考えを補填できるものを出せるのが学ぶじゃないか?

    たぶんそうだと私は信じたい

  • 子供から大人まで、現代の生き方がわかる本。読んだ本は重要だと思ったところや気になったところなどを書いて置くのだが、これは書き出すことがとても多い。ここでは書ききれない。

  • それぞれ違った偏った考え方の人の話を聞いたという印象。でも一冊でそれが体験できるのがとてもおもしろかった。
    考えは違っても、同じようなことを言っていることも発見できる。

  • 大学生ですが、[中学生からの大学講義]シリーズから学ぶことは非常に多いです。

    ・何故自分は〜か と問う時点で答えの半分はみえている

    ・分からないことをわからないまま大切にとっておく

    などは私にとって新たな考え方でした

  • 「学ぶ」ということに関して、著名な方々がそれぞれ中学生にでも理解できるような平易な文章で説明をしている。
    中でも特に参考になった内容を抜粋して記載する。

    ① 茂木健一郎『脳の上手な使い方』
    脳内麻薬とも呼ばれるドーパミンは「自分にとって少し無理めな課題」をクリアした際に多く分泌される。そうして形成されるシナプスは繰り返し行うことでより強化される。生まれた時から頭の良い人などいない。頭の良い人とは、この脳の仕組みを理解し、努力の仕方を知っている人。また、ドーパミンは「人との優劣」にて感じるのではなく、「自身に進歩があったとき」に分泌されるということも忘れてはいけない。

    ② 本川達夫『生物学を学ぶ意味』
    時間を直線的なものと捉えるか回るものと捉えるかというのは面白い視点だった。20年ごとに建て替えられる伊勢神宮が世界遺産に登録されないことが例に挙げられていたが、これに正解はないのかもしれない。人間もいづれ死ぬが、子孫を残すことで回り続けると捉えるか、それぞれ全く別の人間と捉えるか…これは「輪廻転生」の考え方にもつながるのかとそんな視点で読んでいた。

    ③ 小林康夫『学ぶことの根拠』
    「人間であるから学び、人間であるために学ぶ」という言葉は非常に自分の中では刺さった。人間は生物学的にも生涯学び続けることを運命づけられている。また、自由に学ぶことができるのは人間だけの特権であり、人間が人間たる所以なのではないか…自分の中ではまだもやっとした「種」として思っていることではあるが、大事に取っておきたい考え方である。

  • 学ぶ意味を見失った時、また読み返したい。
    私の中での学ぶ理由は、理想の人間像がありそれに近付きたいから。しんどいことから逃げず理想に向かって情熱を持って学び続けたい。と思う

    ①古典の愛読書を見つける

    身に省みて恥じることなくば、何をか憂えん、何をか懼れん(自分を誠実に素直に振り返り、恥ずべきことがなければ、何を不安に恐怖に思うことがあるのだ)

    ②今の自分がやっとできるくらいの無理めの課題を与えて、クリアして喜びを感じる。それにより強化学習のサイクルをたくさん回す。

    ③タイガージェットシン式勉強法で思い立ったらすぐにトップスピードで集中する。

    ④理想と情熱を持つ。忘れなければ素晴らしい人物に絶対なれる。

    3つのパンがある。実学にあたる体のパン、宗教や芸術といった心のパン、虚学のような脳のパン。役に立たないかもしれないが、自分の世界を広げ脳みそが快感を得られる。

    好きなことを仕事にするのではなく、特別好きではないが嫌いでもない、ある程度社会の役に立てる、世の中において大切なことをする仕事が現実的な職業選び。

    最後の最後でブッ刺さったのがこれ。
    ⑤「簡単な思考法に逃げない」
    人のせいにしたりラベルを付けたりして、しんどい状況から抜け出そうとする。私のせいではないとほっとし、困難な状況を引き受ける必要をなくす。この思考回路に陥ると次第にものの考え方が短絡的になる。

    これは逃げているだけ。

    ふさぎやしんどいことには、自分で真正面から格闘しなければならない。分からないことを分からないままにでも持ち続けること。分かった気にならない。
    何度も体当たりして痛い思いをして、問題に正確に対処する術を身に付ける。誠実に考え続けられる人こそが、賢い人。 

  • 基本的にはおすすめできる。
    各々方が少ない文字数でそれぞれの考え方やアドバイスの要点を語ってくれているのでとてもお得だといえる。
    まずは読んだうえで、自分の役に立つと思われることを吸収したり、参考図書を読んでみたりすればいいと思う。
    個人的には茂木健一郎と小林康夫がよかった。
    結果的に女性の著者が一人も含まれないことになってしまったのは何だかなとは思う。シリーズ化されているようだが第二集になってやっと一人登場するのみである。

  • 中学生向けに「学ぶ」ことの意味を様々な分野の専門家が語るという内容。
    私のような30代の社会人が読んでも学びについて再考する機会を与えてくれる一冊。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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