- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488134112
作品紹介・あらすじ
戦後ロンドンで結婚相談所を経営するアイリスとグウェン。ある日、初めてアフリカ出身の入会希望者が現れた。デイルは流暢な英語を話す好青年で、ふたりは白人以外にも門戸を開くことを決意する。一方で、グウェンはデイルの言葉が嘘だらけだとも感じていた。さらに、グウェンは自宅付近でデイルと出くわす。もしや会社に来たのは偶然ではないのでは? 元スパイと上流階級出身、対照的な女性コンビに危機が迫る大人気シリーズ第三弾!
感想・レビュー・書評
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「疑惑の入会者」
シリーズ三作目、登場人物達の洒落た会話の楽しさは変わらず。それがただの軽口じゃ無いのは主役コンビが抱える戦争の「傷痕」がそれぞれ相乗効果になっている。出会ってなかったサリーとリトルロニーにも癒されました。
…ただ今回、結婚相談してなく無い?
おまけの短編もお得感あって良かったわ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ第三弾。
戦後のロンドンで〈ライト・ソート結婚相談所〉を営むアイリスとグウェン。
ある日、アフリカ出身の入会希望者・ダイーレイが現れます。流暢な英語を話す好青年ですが、グウェンは彼の言葉の中に嘘があると感づきます。
果たしてダイーレイの目的は何なのでしょうか。
一方、グウェンの義父・ハロルドが約半年ぶりに東アフリカより帰還しますが、彼の横暴すぎる振舞いに屋敷の皆の心が乱されてしまい・・。
巻が進むごとに面白くなってきているこのシリーズ。
主役のアイリス&グウェンをはじめ、周りのキャラもたっていて、会話のテンポも良く楽しく読めました。
今回はグウェンがメインな感じでしたね。
息子のリトル・ロニーが今後通う学校の件でハロルドと対立する中、誘拐事件にも巻き込まれてしまうグウェン。
習い始めた護身術と持ち前の賢さで、何とかピンチを乗り切ろうとする姿に、上流階級の奥様らしからぬ逞しさを感じました。
そして、誘拐されたグウェンを救出しようとする、アイリスをはじめ、サリーやアーチー一味達の活躍も見どころです。
そうそう、あのツンケンしていて典型的な“嫌味な姑”だったカロラインが、このたびなかなか味のあるところを見せてくれて好感度アップでした。今後グウェンともっと仲良くなって頂きたいですね。
さらに、皆の癒しであるリトル・ロニーも事件解決に大いにお役立ちでございました。
“新しい家族”も増えたベインブリッジ家が、今後どうなっていくのかも気になりますね。
で、気になるといえば、サリーの恋心ですよ!まさか“彼女”に思いを寄せるとは・・・こちらもどうなるのか見守りたいです。
本書には、オマケの短編「机の秘密」も収録されておりまして、これもまた“丁度いい謎解き”が楽しめるお話で好きでした。
管理人・マクファースンさんに良きお相手が見つかることを祈ります~。 -
戦後ロンドンで結婚相談所を営むアイリスとグウェンが活躍するミステリ第三弾。ある日、アフリカ出身の入会希望者が現れる。好青年ではあったが、グウェンの直感は彼が嘘をついていると告げていて──。
元スパイ・アイリスと上流階級・グウェンの女性コンビが直面する新たな事件。そこにはアフリカ帰りのグウェンの義父・ハロルドも関わってくる。グウェンの息子・ロニーの監護権を取り上げた暴君・ハロルド。彼の帰還で屋敷に大雨が降った結果、カチカチに地固まるのが熱かった。グウェンがこれまで積み上げてきた信用に加え、家族や使用人にとって愛すべきロニーを守りたいという思いが結実していくのはグッときた。今まで敵として見てきたカロラインへの見る目もガラッと変わってくる。
「わたしは倍の大きさの男を倒すことはできるけど、子どもひとりを育てられるほど強いかしら。子どもに心を打たれるのを防ぐ型はディフェンドゥーにない。」
グウェン家の危機を知り、アイリスもまた協力する。ロニーとのかけ合いを経て、アイリスの感情も変化していくのだろうか。火薬庫でロマンスをするようなアーチーとの関係性も好きだけど、それに火がつく時は来るのかな。
前半は緩やかに進み、中盤以降はハラハラして一気読みしたくなる。登場人物それぞれが役割を与えられていて、そのピースが収まっていく気持ちよさがある。これまでで最もピンチに陥った事件であり、グウェンのドラマとしては大きな節目となった一冊だなと。一巻目を読んで気になった方は、ぜひここまで読んでほしいと伝えたくなる物語。次はアイリスがメインになるのかな。2023年冬に翻訳版が刊行予定ということで楽しみ。
同時収録された『机の秘密』は、前作と今作の間の話。新しく借りるオフィスのデスクにあった開かずの引き出しの中身とは──?! -
この英国育ちの皮肉がきいてる感じの会話がたまらなく好き。これを日本の最近の小説ではみない気がしてきた。
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戦後ロンドンで結婚相談所を営むアイリスとグウェン。ある日、アフリカ出身の入会希望者が現れる。流暢な英語を話す好青年だったが、一方で、グウェンの直感は彼の言葉が嘘だらけだと告げていた。さらにグウェンは自宅付近で彼に出くわし、つけられていると感じた。彼には結婚相手をさがす以外の目的があるのでは?元スパイと上流階級出身、対照的な女性コンビに危機が迫る!
今回も面白かったーー!短編も収録されていてそちらも良い。どんどんキャラクターの過去や心の動きが分かるようになってきて、今まで以上に感情移入しやすくなった。事件のからくりも上手いなあと思うし、ようやく我慢に我慢を重ねてきた女性陣がいろんな意味で反撃に転じたベインブリッジ家のこれからが楽しみだな~。ギャングのボスとも交流を重ねたグウェンがすっかりアイドル(?)と化しているのが面白い。アイリスもありきたりな男では満足できないでしょうから、結局このままくっつくのかしら。サリーの気持ちも結構びっくりしたので、二人の恋の行く先が気になります。 -
アイリスとグウェンの結婚相談所にアフリカ出身の入会希望者が現れるが、グウェンの直感は彼が嘘をついていると告げていて…
今回もまた面白かった!身を守れるようになろうとするグウェン、過去がまたちょっと判明するアイリス。そして、新たな展開をむかえて今後が気になる!本国では4作目がすでに刊行され、5作目が来年刊行予定ということなので楽しみ!
過去2作で嫌いだったカロラインが今回はちょっと好きになったかも…初登場したハロルドが酷すぎたからかもしれないけど。
サリーが好きなので、彼を応援したいなぁ… -
シリーズ3巻目、かな。
疑惑を魅惑と読み間違えてました。
と言う訳で今回は一番の強敵、義父登場。今の感覚で言うと有色人種の入会もそんな大げさな、という感じですが、大戦が終わった後ぐらいは自分たちのソサエティに異邦人が入ってくるというのは大変なことだったのかな、なんて思いました。日本だってまだまだ閉鎖的ですしね。
そういう意味では義父、相当思い切ったな!という最後のオチでした。まぁ彼も正気を失っていたという事なのかもしれないけど、その犠牲になった人が居るのだから正当化は出来ないですよね… 巻を追うにつれ、義母が段々とたくましくなっているような気がします。ガンバレ。 -
大きな事件は起きないけれど、軽妙でほんとに楽しい!こういう感覚はこの作品でしかえられません。今回は特にグウェンのクレバーさが光ります。そしてグウェンとアイリスの会話が素敵すぎて、こんなバディがいることを心底羨ましく思います。グウェン、一歩進みましたね。一作目から読んでいるので、身内のように喜んでます。スピンオフも充実していて、最後まで楽しめました。ギロウズのデスク、検索しちゃいましたよ。いいですねえ。
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サリーの恋応援したい