等伯 上

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 148
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171131

感想・レビュー・書評

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  • 安土桃山時代の名絵師・等伯の若き日から、織田信長の権力側から追われる身となった苦難の日々を経て、関白・近衛前久、狩野派の3代目直信(松栄)や京都奉行・前田玄以たちとの関係を経て、有名絵師として地歩を確立していくまで。妻・静子の献身的な支えが感動的だった。日蓮宗の僧侶・日堯上人の尊像を描くに当たり悟りがどこまで進んでいるかを絵が余すところなく表現している!そして若い僧侶・日槇の肖像画を描くに際しては一途さ、将来の大輪の花を予感させる作品へ向けた努力を惜しまない。等伯の絵のその凄みは実際にあった話だと納得できた。等伯という人の求道者ぶりがよく分かった。下巻へ向け、狩野派4代目州信(永徳)が敵役として登場する予感が期待を膨らませてくれる。

  • おもしろい!それにしても最近「信長」近辺を題材にした本によく出会うなあ。

  • 長谷川等伯の松林図屏風は何度見ても吸い込まれるように見入ってしまう。描かずに霧靄、水蒸気、空気を表現し、それ以上に寂寥感、無常観まで感じ取らせる墨の世界。どのような境地で描いたのか、歴史的背景を含めて知りたくなり読んでみようと思った。

  • 2017/4/16

  • 上巻は土曜に読了。

  • これ、なぜ、直木賞受賞作なんだろう?。等伯に興味があり購入したが、全くつまらない。田舎の絵屋からの成り上がり人生、画壇権力闘争あり、親族の死、戦国時代の混沌あり。題材としては最高ともいえるはずである。しかし、肝心の主人公等伯の顔が全く見えてこないし、作画描写もワンパターン。「業」のようなものを書き切れていない。たぶん、著者が真の絵好きでないからだと思う。歴史小説のドキドキさもないし、描写も類型的。

  • 2016/9/3 図書館

  • 詳しくはないけど、等伯の画、好み。
    華々しい狩野派と同時代のお話。

    義父母の死、能登七尾から京の都へと。

    「あなたは信長に勝ちたいとは思いませんか」

    〜人は理不尽な暴挙に屈することのない気高さを持っていると、自分の生きざまによって知らしめたいのです。〜[日堯の肖像画]

    近衛前久との出会い
    〜死と向き合う不安と恐怖、それに打ち克とうとする信念と覚悟。〜[教如の肖像画]

    『心に分別して思い言い顕す言語なれば、心の外には分別も無分別もなし』

    〜言葉というは心の思いを響かして声を顕すという。〜神通というものは、魂の一切の法に通じてさわりのないものじゃ。〜すべての心の動きは悟りに通じておる。〜
    〜「力をも入れずし天地を動かす力が、和歌に、いえ、言葉にあるのでしょうか」「ある。心と天地はもともとひとつのものじゃ。心が正しく動けば天地も動く」[日禛の肖像画]

    妻、静子の死。本能寺の変。
    いよいよ絵師へ。
    〜俺ら政にたずさわる者は、信念のために嘘をつく。〜絵師は求道者や。〜

  • 天才絵師とうたわれた長谷川等伯について書いた本です。

    山本兼一さんの「花鳥の夢」を先に読んだため、長谷川等伯は無欲で誠実な画家というイメージがありましたが、この本ではもっと人間味あふれる等伯が描かれていました。

    この本では法華教との関わりが強く、日なんとかの人たちがやたら登場するので話がよく分からなくなります。
    あとがきには、法華経との関わりの重要さについて語られていましたが、自分のレベルではそこまで読み砕くことはできませんでした。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-8bf4.html

  • これを読むと、永徳より等伯の方が、まっすぐな気がする。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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