稲盛和夫の実学―経営と会計

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  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532190064

感想・レビュー・書評

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  • 「売上を最大に、経費を最小に」という普遍的な
    原則を実現するためのルールを分かりやすく解説している書籍である。

    原則にそって徹底的に細かいことを守れるかという視点、複雑な会計をいかにシンプルに理解させることが重要か(バナナ、夜泣きうどんなど非常に分かりやすい例え)かという2点に大きな学びがあった。

    何かに応用するという内容ではなく、どこまで浸透させることができるかということが重要じゃないかと思います。


    原則
    1.キャッシュベースで経営する
    -会計上の利益と手元のキャッシュとの間に介在するものを出来る限りなくす
    -内部留保を厚くし、自己資本比率を高める
    2.一対一の対応を貫く
    -モノ・お金の動きと伝票の対応は常に一致
    3.筋肉質の経営に徹する
    -在庫品を残さないようにする=棚卸しをしなければ資産と見なされ税金が掛かる
    -固定費の増加に警戒し、投機的利益は追わない
    -一升買いの法則:いる分だけ購入する方が長期的に見て合理的
    4.完璧主義を貫く
    -100%達成を必達にする
    5.ダブルチェックによって会社と人を守る
    -入出金:お金を出し入れする人と、入出金伝票を起こす人を必ず分ける
    6.採算の向上を支える
    -時間当たり採算表:総生産を指標とすることでどれだけ貢献しているのかを把握する(アメーバ経営とのシナジー)
    7.透明な経営を行う

  • 二回目の読了。一回目は新入社員時で、書いてある字面しか理解出来ず、ふーんという感想。二回目、ファイナンスやアカウンティングなどMBAの基本は身につけた後では、なるほど教科書に書いてないが納得の実学だと理解。しかしまだ頭で理解しているレベル。実際に経営で苦しんでから再び読んだ時初めて100%腹落ちできそう。

  • 実情に合わせて形を変え、対応できることが会計学のいいところなのではないかと思わせてくれました。いま学んでいる会計学が、いったいこの先なんの役に立つのか、どのように活用していけるのか、今のうちから考えながら勉強していくことが必要だなと。最終的には実務で使えるようにならないといけないんだ、という意識を置きながら勉強することで日々の勉強から得られるものも変わってくるのではないでしょうか。

    もう少し内容面に関しての話。本書は経営や会計の技術についての本というより、稲盛さんの経営哲学が軸になっていると思います。経営と会計のことを話しのきっかけにしつつ、彼自身の考え方、理念を訴えている印象。拙著「アメーバ経営」のほうも読みたくなりました。

  • 2013−003

    今までビジネス書を読む時に、必要なところだけ読めばいいと頭で分かっていたものの、つい全部読んでいたが、初めて必要なところだけをピックアップできた。

    キャッシュフローでビジネスをしている今、どのように京セラは管理してきたのかを学びたかった。
    アメーバ経営は組織となっていない今は自社の経営のために知っても活用できないし、組織コンサルをしているわけでもないので読み飛ばした。

    「値決めは経営」という言葉はズバッと刺さった。
    今後もキャッシュフローベースで経営していきたい。

  • 図が少ないまでも、
    文章で経理とかの初心者にとってもよくわかるよう
    簡単な例を上げて書かれていて、
    非常に読みやすいしわかりやすいと思いました。

    稲盛さんの人柄が出てる感じですね。

  • 京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者で現JAL会長の稲盛和夫氏の有名な本です。会計を通じた、経営についての思想・哲学が書かれています。

  • 経営×会計の入門書。
    抽象論、精神論多し。

  • ずいぶん前に読んだことがある本なのですが、再読。その間に財務会計の勉強を少ししたので、確かにその頃よりも内容についてはよく分かるようにはなった気がします。

    ここに書いてあることを考え出して、実践を徹底したというと、やはり凄みを感じますね。

  • 会社の全体感を意識して仕事できるといいなと思い、これまで全くノータッチだった経理関係で、個人的に尊敬してる稲盛和夫の本を読んでみた。

    第一に感じたのは、経理関係ないけど、素人だからこそ本質を捉えることができるってのもあるんだなと思ったし、素人だからといって遠慮してはいけないと感じた。
    会計のど素人から自分なりの会計体系を作り上げたのはすごいな

    第二に感じたのは、稲盛氏の本を何冊か読んでわかったが、彼の哲学が徹底して一貫しているのがすごい。日々考え抜いて経営していたんだなと。「土俵の真ん中で相撲を取る」とか。

    第三に感じたのは、在庫の計上に関してだが、自分の仕事でも歩留まりを考慮して余分に作っているが、あまりはどうしているのだろうか。そもそもどうやって値段を決めているのか。それは妥当か。考えるいいきっかけとなりそう。

    その他学び
    固定観念、常識にとらわれるとその常識の範囲内でしか成果を出せない。例えば、コレコレの業界では売り上げの何パーが利益となるといった類の迷信を信じると、それ以上に利益を上げる力があっても、自ずとその迷信レベルに収まってしまう。

    モノと金を徹底して一対一対応させる。これをおろそかにすると、数字を操作できるものと考えてしまい、不正に繋がりかねない。

    利益を上げるには、極論、売り上げを増やし経費を減らす

    社員一人一人が会社の方針、経営状況を知ることで、皆が同じ方向を向ける。

  • 96当座買いの原則
    101経営において責任ある立場の人か自ら完璧主義を貫くよう肝に銘じていれば、資料内の辻褄の合わない部分や数字のバランスが崩れているところに鋭敏に注意がいくようになるはず。
    103経営哲学の根底「人の心をベースとして経営する」。うつろいやすく不確かなものも人の心。これほど頼りになるものはないというのも人の心.106「ダブルチェック」は人に罪を作らせないための原則
    182 「天の時、地の利、人の和」

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著者プロフィール

1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長に就任。84年、第二電電(現KDDI)を設立し、会長に就任。2001年より最高顧問、2010年には日本航空会長に就任する。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問となる。84年、稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。2022年8月逝去。その他著書に、『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』『稲盛和夫のガキの自叙伝』『高収益企業のつくり方』『人を生かす』『従業員をやる気にさせる7つのカギ』『成功への情熱』『生き方』等がある。

稲盛和夫の作品

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