稲盛和夫の実学―経営と会計

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  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532190064

感想・レビュー・書評

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  • 「会計」を会社経営の中でどのように活かしていくのかをテーマにした本書。

    まずは会計上の常識に囚われすぎず、物事を本質から考える癖を身に付けること。
    本当に必要な数字を導き出し、リアルタイムで経営状況を把握していくことの大切さを実感させられました。(特に償却費と在庫管理の話は強く印象に残っています)

    会計は過去の結果をまとめるためだけでなく、儲けるための武器の一種になりうると感じた。

  • 20年以上前に出版された本だが、現代に通じる経営の哲学が述べられている。
    経営者として会計の本質を追究し、自らの会計学を確立したのには驚きを隠せない。
    一貫しているのは、「人間として何が正しいか」という原理原則にもとづいて、会社経営を行っていること。
    既成概念に捉われず本質を追究する姿勢や、トップこそ常に挑戦する姿勢を持ち従業員の意志に変えるという経営哲学には、経営者でなくとも学ぶところが多かった。
    第2部の経営問答は、経営者の課題に対して具体的にどう実践すべきかがよく分かり、経営やコンサルティングに従事する者にとって大変参考になる。
    経営や会計において判断に悩む人には、一読をすすめたい。

  • 管理会計と経営哲学のつながりがよくわかる一冊。稲盛さんの他の本も読まないと…

  • 固定資産の例だけでも、「常識を疑う」ことの大切さがわかった。稲盛イズムって胡散臭がられがちだけど、やっぱり創業者はすごい。

  • 100%主義!
    在庫が資本であれば,売れない在庫を抱えるつらさが分かる。
    経理や税制について学ぶことは実生活における教養として価値がある。

  • 「中古品で我慢する」という考え方に非常に共感しました。特にフリマアプリ等が流行している今の時代においては良い考え方なのではないでしょうか。
    また一対一対応の原則という会計の基礎的な部分の重要性を学ぶことができました。

  • 簿記の勉強の参考用に買ってみた。
    結果、正解。
    別に起業したりするつもりは毛頭ないのだが、「簿記って、会計って、こういうことのためにあるのか」ということが超ざっくりつかめた。
    会計の常識が無さすぎてわからないところは適宜ググって(約束手形ってなにとかそういう次元)、あまりにわからないところは適当にスルーして。そんな読み方でもじゅうぶん面白かった。


    しかし経営者というのは大変だな。
    生きていくって大変だな。


    あ、あと司馬遼太郎がよく貨幣経済と合理的精神とが相補的に発展していくという話をするが、それね、それが、そりゃそうだろなと思った。がんばって利益だそー!って言っててもだめだものね。"切れば血が出る"具体性って大事ね。

  • 京セラ創業者で名経営者として知られる稲盛和夫氏が独自に学び、つくりあげた「会計の原則」を解説。本書は、稲盛氏の考える経営の要諦、原理原則を会計的視点から表現したものだとしている。
    会計学というよりは、、「一対一対応の原則」など、会計の前提となる原理原則的、哲学的な考え方が紹介されている感じであるが、バブルにも踊らせずに着実に会社を成長させてきた稲盛氏が編み出した考え方だけあって、説得的であり、経営者にとって実践的な内容になっていると感じた。

  • 「人として何が正しいか」
    経営の面から問われているように思います。

    「1対1の対応」
    どんぶり勘定にならないように1つの売掛に対して1つの収入。
    決してグロスで判断しない。
    会計に対して誠実にあるということです。

    贅肉を削ぎ落とし筋肉質な会計。
    同じ成果を出すならコストはかからない方が良くて見栄は必要ありません。

    付加価値を追求することで何が利益を生み出してるかわかります。

    基本的なことなんでしょうけどわかってないことが多いなと思いました。
    営利を追求する仕事ではないですが仕事に対する誠実で筋肉質な姿勢は必要だと思います。

  • 稲森さんの経営に対する考え方と経営手法がわかりやすく書かれている。特に第2章の誠和塾での経営問答はリアリティがあり経営者がどのように考えるべきかが良くわかった。
    【ポイント抜粋】常識にとらわれず本質を見極め正しい判断を積み重ねる、売上を最大に経費を最小に、値決めは経営である(商売というのは値段を安くすれば誰でも売れる。それでは経営はできない。お客様が納得し喜んで買ってくれる最大限の値段。それよりも低かったらいくらでも注文が取れるが、それ以上高ければ注文が逃げるという。このギリギリの一点で注文が取れるようにしなければならない。自分で自由に使えるお金キャッシュがリアルタイムで把握できていなければ激変する経営環境の中で会社を経営していくことはできない。土俵の真ん中で相撲を取る。自己資金を十分に持てるように=自己資本比率を高く、減価償却プラス税引後利益で返せる範囲のお金でしか設備投資をしてはならない、モノまたはお金と伝票が必ず1対1の対応を保つ、予算制度はいらない要るお金はその都度稟議を出せ、厳しいチェックでパーフェクトをめざす95%は達成できたので今回は許してくださいという考え方は認めていない、経営の拠り所で一番大切なのは「人の心」、売上はあらゆる知恵と工夫を使って増やす一方、経費は常に徹底して切り詰めるのが経営の原則である、客先から対価を得られる完璧な製品にしか価値を認めないというアメーバ経営、アメーバ経営では原価がずっと同じことはありえないと考えつねにあらゆる工夫をしてコストダウンをするようにしている、トップが何を考え何を目指しているかを正確に社員に伝えること、固定費の増加には非常に警戒、人員の増加中でも特に関節人員の増加には厳しくチェック、まずは経営者としてこうありたいという数字を持つこと、経営目標とは経営者の意思そのもの、目標は何かいったい何をやりたいのかそのために何をどうすればいいのか何度も何度も頭の中でシュミレーションをすればやがて商機のありどころがみえてくる。本来メーカでは付加価値や利益を生み出すところは製造である。製造では要求された数量と原価を達成できれば良いというのは間違い、《つまりアメーバ経営のように製造部門が真のプロフィットセンターであるべき》

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著者プロフィール

1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長に就任。84年、第二電電(現KDDI)を設立し、会長に就任。2001年より最高顧問、2010年には日本航空会長に就任する。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問となる。84年、稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。2022年8月逝去。その他著書に、『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』『稲盛和夫のガキの自叙伝』『高収益企業のつくり方』『人を生かす』『従業員をやる気にさせる7つのカギ』『成功への情熱』『生き方』等がある。

稲盛和夫の作品

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