気になる部分 (白水Uブックス 1087)

著者 :
  • 白水社
4.06
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560720875

感想・レビュー・書評

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  • 初っ端から心を鷲掴み。著者の頭の中を覗かせてもらっている感じが楽しい。「あ、そういうふうに感じます?」ってのが随所にあって面白い。ぷぷっと笑いつつ、共感しつつの、めっちゃ好みのエッセイだった。個人的に著者にとっても親近感で、私、岸本先生が好きです。

  • 予想を超えて面白かった。
    収録されているエッセイの初出は、一番古いものだと1993年。だけど、時代を感じさせるものは少なく、普遍的な日常や記憶の中からお題を取り上げて深く考える過程が、上手く、面白く文章化されている、と感じる。
    元々人間的にも魅力を感じていて、この本を読んで言語感覚も好きなことを確認できた。

    岸本さんは、元々はショーン・タンの絵本の訳者として知り、その後、アトロクで翻訳者のお仕事の話だったか日本翻訳大賞の審査員としてだったか、とにかく出演し話しているのを聞き、話し方や話す内容、会話の反応から「この人、なんかちょっと気になるな……」と思っていた(そのとき一緒に出演していた柴田元幸さんも斎藤真理子さんも、みんな翻訳した本を読んでいたので、すごく面白い話を聞けたという記憶がある)。

  • 前から読みたいと思っていた。冒頭をサッと読んで評判通りの面白いエッセイなのだということがわかった。じっくり読みたい本。

  • 何年か前に読んでてたまに開いて読みたくなる。
    今回は通勤時のキテレツさんがお気に入りでした。

  • 独自の視点と観察力、分析力、表現力がないと、
    趣のあるエッセイは書けないのだろうと思います。
    著者の場合は、
    それにユーモアのセンスと
    シュールな妄想癖も加わるので無敵です。

    本業である翻訳の仕事の鬱憤を、
    エッセイで晴らしておられるのでしょうか?


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin237

  • 会社員時代の話、子供時代の話、明らかに妄想とわかる話、ちょっと判断に迷う話など色々。軽い妄想癖で済むんだろうか。類が友を呼んでいるかのような知人の話がまたおかしく。日本兵の行軍やら夜中三時の訪問客やらは一歩間違うとホラーだ。ともあれ、ロシア民謡『一週間』に対する気持ちはよくわかる。私も同じようなこと思った。とくにお風呂のくだり。そろそろ岸本さんが訳した積読本を読む頃合いか……と意識しつつ読了。

  • 最初から最後まで『なんだろう、この感じは』と終始一貫した感覚のまま読み終わり


    著者をウィキペディアで調べてると
    『奇妙な味わいのエッセイ』とあり
    まさに言い得て妙、、、となりました。

    嘘かホントか、現実か空想かわからない内容。
    好みではなかったです。

  • 前回の「ねにもつタイプ」に引き続き、ひとりで吹き出しながら読んでしまった。電車で読むのは危険だ。みんなが知っている、知っていて当然のメジャーな話が苦手、の部分にうなずきすぎる。そうなんです、べつに自分だけ特別だとかそうではなくて、みんなが知ってるなら自分は知らなくてもいっか、という感覚なんです。そしてニコルソンベイカー、すごく読んでみたくなりました。

  • 岸本氏の着眼点は相変わらず興味深いです。そっちの方向?とか、そこまで深く?など。「石のありか」は小学生のときのことを思い出しました。あったなぁ、そういえば。
    それにしても、記憶力がすごいです。幼稚園の頃の一人遊びのことを克明に覚えているのはすごい。
    「シュワルツェネッガー」、勉強になりました。

  •  一つの話は1ページ半。奇妙だったり、面白かったり、怖かったりするショートショートを読んでいるようだ。エッセイと思って読むと、ファンタジーになったり先がわからない。少しのネタ、妄想から、こんな短い文章で楽しいものを書けるのか。この本は6年かかって出来たらしいが、確かに毎日毎日この本に書かれていることを考えたり体験したりは出来ない。時間がかかるのもわかる。時折パラパラとめくってクスッとしたり、寒くなったりしたい本だ。
     本業は翻訳家のようなのでそちらも読んでみたい。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岸本佐知子の作品

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