君との願い (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房
4.13
  • (4)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 53
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576121536

作品紹介・あらすじ

もし穂積と付き合えたなら、けして手離さない。そう思っていたのに-大学生の律は一回り年上のバーの店長・穂積と付き合っている。一目見た瞬間恋に落ち脇目も振らずひたすら追いかけ、ようやく手に入れた恋人という立場。しかしある日、穂積の友人・奏也が彼の部屋に転がり込んでくる。複雑な思いを抱えつつ平気なふりをしていた律だが、二人の親密な様子はやがて律の不安を色濃くさせてゆき…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ずっと好きだった穂積と付き合えることになった律。嬉しい反面、ちょっと不安に感じているのが悲しい。穂積も律のことを心から大切にしているのは伝わってくるけれど、肝心な律本人にちゃんと伝わっていない気もして。穂積とできるだけ一緒にいたくて、離れたくなくて頑張る律。そんな律にとっては悪意のない、でも無神経な奏也の行動はキツかったと思う。律と穂積には、ちゃんと2人で向き合って、お互いを大切にし合えるようになって欲しい。

  • 年上のバーのマスターの穂積に一目惚れして何度断られても諦めないでやっと恋人にして貰えた律。
    律があまりにしつこいから仕方なく付き合ってもらってると思っている律は穂積の側にいられるだけで幸せだった。
    だがある日穂積の友人で美貌の男泰也が穂積のアパートに転がりこんでくる。
    2人の親密さにイヤな気分になる律だが、穂積に嫌われたくなくて我慢していた。
    だけど、ある日2人が実は長いこと付き合っていたことを知る。
    泰也や穂積の悪意のない無神経さに腹が立った!
    青春時代の殆どを恋人として過ごした2人には律には入り込めない世界があり、今はただの友人でも穂積に取って泰也は特別な人なんだろう。
    でもね、恋人をほっておいて元カレと同居なんてありえない、律がかわいそうでした。

  • 良かったー!面白かった!前作のスピンオフだけど、前あんま覚えてない;でも特に支障なかったです。
    律の健気さいじらしさがたまらなかった!穂積さんの友達で、しかも元カレ友達と今も親密にしてたらそりゃモヤモヤするし不安にもなるよね;;傷ついてる律がせつなくて…!その元カレ・奏也に腹立って仕方なかった!悪気なくやってて無神経って一番サイアクサイテー。質悪い!こういうキャラ嫌い;穂積さん視点で、この時の心情や律のことをどんなに大切に想ってるのかがちゃんとわかってすっごい良かった~。あと律を子リスって言ってたのツボった(笑)やっぱり神江さんの作品すごくいい~

  • 心の底から奏也にイラッときました。無神経すぎるだろ。こういう人、ほんと苦手。嫌われたくない、鬱陶しいと思われたくなくて我慢してた律が切なかった。またいつものスピンだと知らなかったパターンだけど特に気にならず読み終えた。朔と圭一郎のお話も読んでみたいな。神江さん初読みだったんだけど切ない心情がとてもお上手だと思った。次回作も楽しみです(*^^*)

  • 「夏からはじまる」のスピンオフ。遠野の同級生、律くんのお話です。
    時系列としてはあれから1年くらい後で、当時高3だった律も今では大学生。そして、熱烈に片想いしていた穂積と晴れてお付き合いできるまでの仲に至り、彼の店でアルバイトもしています。
    律のまっすぐな恋心が、ひとまわりも年上の穂積の心を動かしてしまったわけです。
    あんなに軽くてお調子者だった律が、穂積とお付き合いするようになってからは、きちんとした生活を送る努力をしているのに、とても「本気」を感じさせます。

    でも、律にしてみれば穂積は、年長者としての責任を感じているからなのか、何回も告白されて仕方なく受け入れているからなのか、自分のような情熱は感じられなくて、まるで保護者のようで。
    律は、それでも穂積の言う事に素直に従って、愛想を尽かされないよう少しでも長く彼の側にいたいと願っていたのですが。

    痛いほどの温度差が、じわじわと伝わってくる話でした。
    その感覚の違いは、一つ一つ大したことじゃありません。事件にもならないような小さなすれ違いばかりなんです。律は、穂積に迫ったのは自分だから、大人の彼の方が正しいと些細な事は我慢して、盲目的に従ってしまいます。
    穂積との恋で、とても臆病になってしまった律の気持ちが切ないです。

    ところが、元カレの奏也の登場で、律のこれまで抑えてきた感情が爆発してその均衡が破れてしまいます。
    穂積の言い分は常識的で、当然なんですよね。でも、大人としての傲慢な部分が知らず知らずに見え隠れしていて、若くてデリケートな律はそこに傷ついてしまうのです。
    もやもやとした何かを穂積と奏也の仲から感じていても、はっきりとした証拠もなく責めることはできない焦燥感。律の気持ちが痛いほど伝わってきました。
    穂積にとって当たり前の奏也との関係が、律をこれだけ苦しめていることが分からないなんて無神経。
    悪気はみじんもないんですよね。
    穂積がパーフェクトに見えて実はそうでもないのが、失望させながらも人間味を感じさせてかえって好感でした。

    「君との願い2」では、そんな穂積サイドから、彼の心情が描かれています。奏也との今までの関係もここで明かされています。
    やるせない恋の顛末ですが、もはや過去の話だということを再確認できます。
    合い鍵の件に関しても穂積の気持ちが吐露されていて、胸がきゅんとなりました…

    なぜかあちこちで萌えてしまいました。どこが、と説明するのは難しいんですが、今回Hシーンがしっかりあったのは確かですwww
    朔と圭一郎も登場して、律の恋路にいっぱい協力しています。相変わらずラブラブで一安心。朔はダメわんこだけど、少し成長しています!

    身近な主題を飽きさせず読ませる作家さんです。恋の本質が上手く描かれていて、すごく引き込まれました。

  • 「夏からはじまる」スピンオフ。前回主役の圭一郎と朔の先輩・律と、朔の叔父・穂積の話。律がすごい健気。朔は相変わらずですね…w穂積に対する甥っ子モードには笑った^^ 圭一郎には見せらんないよw

  • これもある意味パターン
    BLの王道モノの一つ( ´艸`)ムププ

    アタックし続けてようやく年上の穂積(31歳)の恋人になった律(19歳)
    そんな律は穂積と付き合えるだけで幸せ!!って思っていたが
    アメリカから穂積の友人・奏也が転がり込んでくる
    ただの友人にしちゃ…と思ってたら奏也は穂積の元彼
    律も持っていない穂積の合鍵を持ってていて
    何かと律をからかってくる
    自分より奏也を優先する穂積に律の心は不安まみれ
    ある日穂積の電話にが出て律は動揺…
    とうとう不満が爆発

    穂積と奏也は別れても普通にお友達として仲良く付き合っていけるけど
    律は別れたらスッパリ縁を切る人
    まずここからしてすれ違いが…

    この手の話は好きで
    相手の気持ちに胡坐をかいてる奴が『自分が悪かった!!』って反省するのが好きなの(笑)

全7件中 1 - 7件を表示

神江真凪の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×