この嘘がばれないうちに

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  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763136077

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  • 『この嘘がばれないうちに』川口俊和さん

    最後、要さんの代わりの初老の男性、だれーーっとなった!
    本当に誰なんやろ、続編読まな!という気持ちになる。

    今回のは、第一話心に沁みたな〜
    実の父親も、育ての親も、変わらぬ子どもへの愛情。でも、幼い子供を置いていかないといけないことを、知った上で過ごす残された時間、色んな気持ちになるだろうな。
    コーヒーが冷めるまでのわずかな時間で、変えれない未来が分かるし、切ないな〜。

    数ちゃん幸せになってほしい。これから、数ちゃんがお母さんになった後の話や、要さんの話も知れるのかな。

    〈帯より〉
    愛する人を想う気持ちが生み出した、不器用で優しい4つの「嘘」。
    「過去にいられるのは、コーヒーが冷めるまでの間だけ」
    不思議な喫茶店フニクリフニクラにやってきた、4人の男たち。どうしても過去に戻りたい彼らの口には出せない本当の願いとは。

    第一話『親友』
    二十二年前に亡くなった親友に会いに行く男の話
    第二話『親子』
    母親の葬儀に出られなかった息子の話
    第三話『恋人』
    結婚できなかった恋人に会いに行く男の話
    第四話『夫婦』
    妻にプレゼントを渡せなかった老刑事の話

    過去に戻れる喫茶店で起こった、心温まる四つの奇跡。

    〈本文より〉
    『親子』
    ・親にとって、子供はいつまでたっても子供なのである。ずっと、ずっと見返りを求めず、常に子供の幸せだけを願い、愛情を注いでくれた、母。
    『恋人』
    ・「(流産を経て)じゃ、その七十日間、お腹の子は一体何をするためにこの世に命を授かったんだろうね?」
    ・「その子はね、七十日という命を使って、麻美ちゃんを幸せにしようとしたんだよ」
    ・「でも、君がこれから幸せになれば、その子は君を幸せにするために七十日という命を使ったことになるんだ。そのとき、その命には意味が生まれる。その子が命を授かった意味を作るのは君なんだよ。だから、君は絶対幸せにならないといけないんだ。それを一番望んでいるのは、その子なんだよ…」
    『夫婦』
    ・季節は巡る。
     人生にも、厳しい冬はある。
     しかし、冬は必ず春となる。
     ここにも一つ、春が来た。

     数の春は、始まったばかりである。

  • 一作目よりこちらのエピソードが沁みた。
    どのエピソードも亡くなった人がらみだったせいか、過去を変えられないとしても、生きてるうちに気持ちを伝えられたエピソードに感涙した。

  • コーヒーが冷めないうちにの映画が好きで読んで見た。やっぱり好きな世界観だなぁ。短編集のような感じで話が区切られていて読みやすいし一つ一つの話が感動的で涙が出そうになる。

  • 倉田が麻美さんに言った言葉、思わず折り目をつけていつでも見返せるようにしてしまったけど、清も同じ気持ちだったんだなと思って嬉しくなった。
    その人の気持ちを動かす言葉を言える人になりたい。
    そうなるには語彙力も想像力も優しさもまだまだ足りないな、、、頑張ろう

  • 前作読んでしばらく経ったので、珈琲屋の人たちがどんな人たちなのかすっかり忘れてた。
    また前作で過去に行った人たちも出てきた!
    なんとなく覚えてるエピソードもあり、ちゃんと覚えてたらもっと面白かっただろうに。

    今回もどのエピソードもほっこりで、感動する。
    やはり、作中何度も登場する未来に行く倉田の言葉が印象的。

    次回作も楽しみや!

  • 映画「コーヒーが冷めないうちに」を観たことがあったので、内容をより深く知ることができた。
    もしこの先大事な人が亡くなってしまったとき、その人が亡くなって私が不幸になったらその人は私を不幸にするために死んだことになる。だから私は絶対に幸せにならなきゃいけない、なるんだという気持ちを、この本から教えてもらったように強く持ち続けようと思った。

  • 前作を読んだのはまだブクログをやっていなかった時でした。めちゃくちゃ泣けたし映画も観ました。

    前作の記憶があやふやでしたが、その時の登場人物が数年の時を経て続編にも登場していました。ミキちゃん...もなんとか覚えています。

    今回は「大事なひとの亡くなる前に会いにいく」というのがテーマ。未来は変えられないというルールがあるにもかかわらず、それでも会いに行く理由や、会ってどうするのか?が各章の読みどころになっていました。

    未来はどうしても変えられない、病気や事故を回避することはできないという、大事な人のどうしようもない現実を目の前にして、みんなやさしい嘘をつきながら、最後のほんの短い貴重な時間をその人と過ごしていました。その嘘はバレてたりバレてなかったりするわけなのですが、この過去に戻れる喫茶店というのを知っている相手なら、なぜ会いに来たのかはわかるものなのでしょう。だからこそできる対応や言葉にうるうるしたり、涙をボロボロ流したりしながら読みました。

    あの人の死がきっかけで自分が不幸になったと思ってしまったら、その人が自分を不幸にするために亡くなったということになってしまう。だから自分は絶対幸せになるんだ

    このような言葉が出てきました。
    「大事な人が亡くなって、自分だけが幸せになるわけにいかない」と考える登場人物たちの救いになった考え方です。
    故人の死を悼み自身の身を慎む「喪に服す」のは震災や戦争などでもそうですが、大事な人や沢山の罪もない人たちが沢山亡くなった時にも過剰に考えてしまいがちです。残された者としてどう生きていくか迷ってしまった時に、この本を思い出せればいいなと思いました。

  • 過去に戻っても変わらなくても気持ちは変わるんだ

    あなたも幸せになってもいいんだよ

  • 「コーヒーが冷めないうちに」の続編ですね。
    過去から未来へ来たお話もあって今回も楽しく読めました。
    数ちゃんがコーヒーを入れられなくなるなんて、まさかの展開で驚きもありました。

  • 感想
    優しい嘘は他人のためか自分のためか。過去に戻りたい理由は4人ともバラバラ。でもそれぞれに共感する。シリーズものとしても続きが気になる。

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著者プロフィール

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。小説家・脚本家・演出家。舞台『コーヒーが冷めないうちに』第10回杉並演劇祭大賞受賞。同作小説は、本屋大賞2017にノミネートされ、2018年に映画化。川口プロヂュース代表として、舞台、YouTubeで活躍中。47都道府県で舞台『コーヒーが冷めないうちに』を上演するのが目下の夢。趣味は筋トレ、サウナ、シーシャ。モットーは「自分らしく生きる」。

「2023年 『やさしさを忘れぬうちに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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