- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860086275
作品紹介・あらすじ
日大医学部を卒業後、どこの医局にも属さずに、ひたすら腕を磨いてきた心臓外科医が、2012年2月、天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀した。偏差値50もなかった三浪の時代を経て、あえて厳しい道を歩んだプロフェッショナルの「思いと情熱の磨き方」「人生の切り拓き方」-。
感想・レビュー・書評
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モラトリアムの期間を「ネジを巻いている時間」と表現されているのが印象深かった。天野先生が言うから説得力が出るのかも。
以下はメモ
p.53
厳しい局面では、取るべき行動も、あるべき姿も方向性を変えるぎりぎりの分水嶺も、最終的には自分でつかみ取らない限り、確実な前進はない。
p.145
そして、手術の具体的な説明に加え、手術のリスクもきちんと話す。再手術の場合なら、4つくらいのパターンで説明する。
①「前の手術の手術水準と今の水準」
②「前の手術で、結果的に問題点として残ったこと」
③「事前の診断でわからなかったことが起きる可能性」
④「事前の診断どおりだったが、手術中に、予測しえなかったことの起きる可能性」
そして、事前の診察からの手術の予測と、収束のパターンを説明する。
p.146
患者さんたちは、手術の向こうに「死」というケースがあることも想像のなかにはある。が、あえてそれを考えないようにし向けている。外科医はその扉が決して開くことのないよう、努力している姿勢を伝えなければならないのだ。
p.152
医療に限らず、自分で選んだ仕事をしていて自分の行っていることに「飽きる」という感覚があるとしたら、中途半端に妥協していることにほかならない。それは「このぐらいでいいだろう」という甘えにもつながっているからだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「熱い」人生哲学の書。
私は医師ではなく、ソーシャルワーカーなので、職業人としての「あり方」は違うのですが、共感できるところが多くありました。
天野篤先生には、NHKのプロフェッショナルで拝見して以来、ずっと憧れ続けています。
人のために尽くすこと。
そのために自己研鑽を続けていくこと。
例えば、人の3倍努力をすること。
人生の中で「背負ったもの」がその後の人生を決める、ということ。
重く、胸に、ずしんと響くものがありました。
命と向き合うことは、このように強い覚悟を要するものだということ。
自分自身の覚悟を改めて問いただされた思いでした。
読んでよかったです。
気持ちがしゃっきりしました。
これからこの本を、表紙が見えるように部屋に飾り、自分に気合を入れるための一冊にしていこうと思います。 -
天皇陛下のバイバス手術を行った天野氏による、主に医学への熱い思いとその行動力をまとめたエッセイ集のようなもの。
普通の人はこんなにできませんということをこれでも足りないのかというくらい書いてある。やはり極めるというのはこれくらいやらなければならないものかと思った。 -
発売当初に購入し、途中で積み読のまま、本棚にあった本。
8年ぶりに手に取り、途中から読みだした。
素晴らしいプロフェッショナルな先生で、執刀してもらえる患者さんは幸せなのだろうと思う。
仕事に対する熱い想いや向き合い方には敬服する。
ただひとつ気になったのは、家族との向き合い方。この年代の方は、家庭のことは奥さんに丸投げ、自分は仕事だけに全力投球。それでは現代ではやっていけないと思う。家庭も仕事も両立できる姿を見せないと、外科医を目指す若者は増えていかないのでは?と老婆心ながらに思った。
自分が歳とったせいなのか、8年前と今の感じ方の温度差に自分がびっくり。
本を読むタイミングにも旬があるのか?
自分が少しは変わったのかなー?
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熱い気持ちが伝わってくる。
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自己啓発本とビジネス書の間。
タイトルのとおり熱く生きる。
目の前の患者に全力で、できることを全てやる。
どの分野でも、僕のフィールドでもそれは変わらないはず。
目の前に全力になれれば、飽きるはずはない。ゴールはないんだから。
ありがとう。 -
道を見失ったときにもう一度読みたい。
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ドラマに出てくるような熱血医師とはまさにこのんな人のことを言うのだろう。こんな人が自分の主治医なら信頼して命を預けられるのだと思う。自分も日頃から医師と接する機会が多い中でなんでこんな人が医師をやっているのだろうと思うことは多々ある。医師も人間だから仕方ないと思う反面、誰でも出来るわけではない崇高な仕事だということを自覚すべきである。
これだけ情熱を持って患者と向き合う医師がいるのだから使命感を持って働くべきである。
著者のように自分も人の人生を左右する仕事に就いているので妥協を許さず自己研鑽を積み上げていきたい。 -
●心臓外科医として、これまでに6500例を超える手術を行ってきた。1年間の手術は500例以上ある。
●「医療の恩恵を受けていて医師になろうと言う思いがある」「自分の後先を考えることなく、患者さんを治療しようと言う情熱がある」
●能力があるのに、働かない連中は許せない。偏差値の高い大学を出ている人たちが「知らない」と言うのは怠慢以外の何物でもない。
●敗北をプラスに変える力。それは自分と向き合う時間だ。6500例、死亡率2%130回くらい。
●仮想情報をもとに3Dプリンターで手術部位の臓器切って模型を作って、ダヴィンチで手術のシミュレーションをしてから実際の手術に入ると言うことがいずれ可能になると言う。
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著者の医師道は一貫しているし、素晴らしい人格者だと思う。犠牲にしてきたものも多いが、それだけ外科医としての自覚が本のでさえ伝わってくる。