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- / ISBN・EAN: 4988135711496
感想・レビュー・書評
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良さそうな予感はしていたんですが、あんなに面白いとは思いませんでした。小説で言うなら「一読巻置く能わざる」といった感じでしょうか。本当にヒース・レジャーの映画だと思います。強すぎる正義であるバットマンが悪を呼び寄せてしまうという問題意識は、非常にアメリカ的ですよね。日本だったらどうか……と考えてしまいました。たとえば水戸黄門がいくら無類の正義でも、その正しくて強い黄門様に挑戦しようとして悪が跋扈するという展開はなかなか考えがたいでしょう。
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ダークヒーローの魅力を感じて下さい。
クリストファー・ノーランによる新バットマンシリーズの二作目。
全編様々な見所が満載な
ヒーローとはなんたるか。ジョーカーと対峙する事でダークヒーローとしてのバットマンのあるべき姿に苦悩する。葛藤の末、答えを導き出せるのか。
前作から役者が一部変わってしまった事に対する違和感は否めないが、それ以外はパーフェクト!
テーマ、役者、アクション、雰囲気、展開、映像、その他どれを取っても文句のつけどころがない。
主題までバットマンからダークナイトに変更。これにも意味があり、劇中にて明かされる。
展開も二転三転とどう転ぶかわからない上にスピード感もある。
ストーリーに呑み込まれていくのがきっとわかるはず。
アクションもバットマンらしさを出しながらも新たなバットマンを表現しているし、バットマンのスーツ。これも前作からよりディテールが細かくなって見栄えが増している。
バットマンと言えばバットモービル。もちろん忘れていません。過去シリーズを好きな方は好むかどうか微妙な線だが、圧倒されるものが出てくるので十分に期待していい。
見所挙げるだけで止まりません…
他にもいい点を挙げたらキリがないので、もう一つ。
ヒース・レジャーの演技。これなしには語れません。彼の遺作になってしまった本作。過去シリーズのジャック・ニコルソンと比較したいのもわかる。でも、比較対象にはならない。そう思わせる個々の演技。
ジャックはジャック。ヒースはヒース。このジョーカーもまた歴史に残る悪役になった。
ダークヒーローという立場のバットマンの全てを詰め込んだのがこの作品であると言い切りたい。
ダークヒーローとはなんたるか…この作品が示しています。 -
おもしろかったけど悲しい〜悲しい!!
デントの、光から闇へひきずられてしまう様が
すごく悲しかった〜 ああ!
気になっていたヒースレジャーのジョーカーですが
28歳より前に撮られたものとは思えないくらい
年齢も本当の姿も結局よくわからないかんじでした。
この映画の、心理の表裏を攻めるのを見ていて感じて
もし本当にこの役に飲まれていたとしたら、
と思うと身震いどころじゃないかも。。。
すごくリアルな人間心理に働くし、
光と闇は本当に紙一重だと改めて感じました。。。
すごくすきな俳優陣です。すばらしい。 -
見よう見ようと思いながら今まで見ていなかった映画である。見てよかった。想像以上の傑作である。
ジョーカーは、俳優の悲劇もありすでに伝説化しているような感じだけど、初めて見てやはり鳥肌が立つような凄みを感じた。他の役者もいい味を出しているし、主役だってかっこいいのだけど、完全に食っている。物語もすごいけど、それをこれだけの存在感で見せてくれるのは、ホントにすごい。驚いた。
バットマンというのは、昔々見たテレビドラマや、初期の映画シリーズもあり、どちらかというとコミカルなヒーローものという感じがしていた。また、ある意味ではアイアンマンの先駆けのような、科学技術的なイメージで楽しかったりもした。だけど、そういうイメージは一気にひっくり返った。
やりきれない部分もたくさんある物語なのだけど、そういう中にもすかっとする場面がいくつかあったりして、バランスのとれた映画作りにちょっと救われたりもした。
癖があると言えばあるけれど、傑作の名に恥じない作品である。 -
Huluにて鑑賞。
ジョーカーは死んでない!
でも本当のヒース・レジャーは死んだ。
渾身の演技は永遠に生き続ける・・
ジョーカーの「ペチャペチャ」音をたてながらしゃべる様は本当に気持ち悪い。
慈悲も、倫理も、なんもなく猟奇犯罪者っているんだろうな、人間の顔したノット人間。
でも頭もいい。未来の計算もできてる。
だから、「猟奇」なのか。 -
グイグイ引き込んでくれる映画。一連の作品を見ていないのですが、そんなこと関係なく楽しませてくれます。
単純な二項対決ではなく、正義なんだけどちょっとズレているバットマンが良い味だしてるなーと。 -
松田優作には鬼気を感じた。己のすべてを出すために治療は映画のためで延命のためではなかった彼の思いはとんでもないものだと感じられた。ヒース・レジャーの演技は狂気だけを感じた。敵役に当たるバットマンだけを壊すのではなく、映画そのものまで破壊して自分の世界だけを作り上げる。そんなものを感じた。
「ダークナイト」
http://www.youtube.com/watch?v=T69FRANFI0k
名優ジャック・ニコルソンの後のジョーカーを演じた彼は本当に巧かったと思う。ただし、やはり命を削った作品と蝕まれていた作品ではどこかが違うんだと思う。
パトリオットからヒースの演技に注目し始め、期待していた矢先の28歳の若さでなくなってしまったキャリアには正直がっかりだ。やはりこの作品に関しては作品がどうのと言うよりもヒースのことが浮かんできてしまう。 -
「正義」と「悪」の二項対立は、さまざまな場面で何度も何度も繰り返し繰り返し議論されてきたテーマであって、もはやそれ自体に目新しさはない。しかし、それでもなお「正義」と「悪」を描く作品が制作され続けているのは、そのテーマの深さによるところだろう。
ただ正直なところ、その中にあって、『ダークナイト』特有の「正義」と「悪」というものは見出しがたい。本作の描く「正義」と「悪」は、既に他の作品でも語られうるものであった。
また、今回の「バットマン」はどうにもウジウジしているなあと思っていたら、ウィキペディアにはこんなことが書いてあった。ノーラン監督が本作について「ブルース・ウェインの挫折と敗北の物語」だと述べているというのだ。であれば、本作でカタルシスが得られないのは当然である。続編である『ライジング』にてカタルシスがあることを期待しよう。
色々と書いたが、本作への高い評価が物語るように、本作は素晴らしい映画である。よく言われるヒース・レジャー演じる「ジョーカー」の恐怖ったらない! 間違いなく「見るべき映画」の一つではあるのだ。……ヒロインのキャスト変更は失敗だと思いますけど!
【原題】The Dark Knight
【監督】クリストファー・ノーラン
【出演】クリスチャン・ベール、ヒース・レジャー、アーロン・エッカート 他
【制作国】アメリカ
【公開年】2008年
【上映時間】152分 -
20世紀は神が死んだ時代だと言うならば、21世紀は英雄が死んだ時代なのだろうか。完全無欠のヒーローは虚構であり、倒すべき純粋悪など存在しないのだと暴露された時代。だからこそジョーカーは人々の「本質」を暴いてやろうと混沌を目指す。現代において正義を描こうとする場合、それは闇の中でしか描かれない、もしくは悪を引き受ける必要性があるのだということを描いている。だからこそ嘘がない。正義と悪の間で揺れるバットマン、その間で引き裂かれたトゥーフェイス、そして正気と狂気の狭間に存在するジョーカー。これは現代の神話だ。