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感想・レビュー・書評
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アインシュタインとフロイトによる、「戦争をなくすためにはどうすればよいか?」をテーマとした往復書簡。
2人の同意する点として、
1点目は、戦争をなくすためには、国家間の利害対立を裁く強力な権力を持った機関を協力して設立すること。
2人とも当時あった国際連盟については、そのような機関ではないと考えており、たしかに、国際連盟にはそのような権力もなく、第二次世界大戦を防ぐこともできなかった。
一方で、現在の国際連合もそこまで強力な権力があるわけでもない。
読んでいての感想として、このような機関がまた、別の暴力を生むのでは?とも思った。
2点目は、戦争がなくならないのは、人間の心に問題があるのでは、という点。
人間の心の暴力的な面が戦争を引き起こし続けているという点でも2人は同意している。
フロイトは、これら2点に加えて、なぜ(平和主義者は)戦争を嫌悪するのか?というテーマをあげて、
文化が発展してきたことにより、人間の心は変化し、戦争を嫌うようになったのではないかと考察し、文化を発展させることが戦争をなくすことにつながると結んでいる。
私たちは未だに戦争を根絶する文化を生み出せていない。
でも、まあ、あきらめることなく、目指すべきだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知の巨人の二人の往復書簡って、すごい。近年になるまで世に出回らなかったのは、ナチスによって握りつぶされていたとか。しかし、こんなにも戦争を忌避しているにも関わらずアインシュタインの作った原子爆弾のおかげで、人類は存亡への緊張感を強いられているとは、なんと皮肉なことか。そして今も終わらない戦争が目の前にあり、虚しさを覚えるばかり。
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1932年に交わされた書簡が本文。戦争をどうしたら社会からなくせるのかという本質的な課題に関するアインシュタインとフロイトの考え。このテーマの本を探したときに90年もさかのぼらざるを得ないのが不思議。もっと多くの人の意見が聞きたいし多くの人と一緒に考えたい。
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当時の天才同士の往復書簡である。手紙なので、すぐに読める。養老さんの解説も面白かった。
自身がユダヤ系であるという背景を持つアインシュタインにとってみれば、1930年代はナチスの台頭にとって非常に切迫感のある時代だったに違いない。だからこそ、フロイトにこのような問いを投げかけたのだろう。
内容については現代でもそれほど古さを感じさせない。しかしフロイトは人間の破壊欲求を無くすことは出来ないといいつつも、やはり楽天的である部分は否めない。