- Amazon.co.jp ・電子書籍 (587ページ)
感想・レビュー・書評
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学校に行けない子どもたちが「鏡の世界」に集められ、互いに親睦を深めていく。願いを叶える鍵をともに探しながら成長していく彼女たちは、現実世界の交友関係でも徐々に突破口を見つけ出していく。
適度なミステリー、山あり谷ありのシナリオ、どんでん返し。これでもかと要素が詰まった濃密な一冊だった。
この本は少年少女が抱える「闇」を非常にリアルに描いており、読んでいて胸が締め付けられるようだった。
彼らに共通する悩みは、いじめなどによる「学校への不適応」であるが、それに直面した際の反応が非常に生生しい。知り合いに会うかもしれないため道を歩きたくない、人がたくさんいる場所を避けて行動したい。そう思って彼女たちは世間から隠れるように生活している。そして、知り合いに遭遇した後の反応もなんともリアルだ。動悸とパニックで思考が停止し、逃げるように保健室に駆け込む。誰もいない場所で、上手く行かなかった自分を責め、自己嫌悪してしまう……。
だが、そんな子どもたちが寄り添いあうようにして、お互いの心のうちを知っていく描写の鮮やかさが、この本が傑作たるゆえんなのだと思った。
例えば、みんなで現実の中学校の保健室に集まろうと決起する場面。普段空想の世界で対面している彼らが、初めて現実と向き合おうと決心する。「学校に行く」という行為を前に誰しもが重苦しい気持ちになるが、それを振り切って、信じる仲間のために足を踏み出す。
その描写がたまらなく愛おしく、思わず「がんばれ!」と応援してしまった。
そうした少年少女の成長を、ページをめくりながら追体験していく。終盤にいくにつれて畳みかけるようにテンポが早くなり、読者を彼女たちと一緒にクライマックスへと連れて行ってくれる。
なるほど、これが多くの人に愛されている理由なのだ、と膝を打ってしまった。
ミステリーと青春小説のみごとな調和。気になっているかたはぜひ読んでほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不登校生徒の心情がリアルです。
是非、子を持つ親御さん世代にオススメしたいです。
伏線もありミステリ好きも引き込まれます。
限られた人生の時間軸の中、信頼できる関係は素敵だ。
そんな、有限な人生に無限の可能性を見出せる。
人生であの時の言葉(伏線)はこう言う意味だったのかと長い年月を掛けて理解(回収)する。
著書は、そんな明るい未来が描かれている。
喜多嶋先生やオオカミさまの正体が分かった瞬間、嬉しくて温かい気持ちになり涙が出て来ました。
思春期だった頃の気持ちを想い出し優しい気持ちで本を閉ざしました。
『私たちはひとりじゃない』
いつか必ず味方なってくれる人がいる。
気づかない間に涙を流す。
この著者に感謝したい。 -
おもしろすぎて、あっという間に読み終わってしまいました。
みんなちがって、みんないい
それが通用しない日本の学校教育
狭い世界の中で未来を想像することができず、苦しんでいるこどもたちの心情や、
取り巻く環境描写がリアルすぎて
忘れてた自分の思春期時代を思い出すことが出来ました。
他人の目が気になって
自分に自信が持てなかったあの時代
いつの間にか大人になり
神経図太いおばさんになってました
一体いつからこうなったのか??
今現在、なんとなく苦しさを感じている
こどもに読んでほしいです
私は姪っ子にプレゼントしようと思います。 -
最後のページで思わず声が出てしまった。物語は長いですが最後まで読んで下さい。
素晴らしい名言も散りばめられており心に残る一冊です。 -
一気に読めた。
心があったかくなるお話。
何となく繋がってて、あれ??何でかなという違和感があったけど、最後回収されてくかんじ。
また読みたいなと思うし、この作家さんの本をもっと読みたいと思った。 -
辻村さん初読みで今更ながら読み終えたのか…みたいな気持ちが
作者さんが大人にも読んでほしいて思いも分かるし、最後の群像劇が見事だった
ステキな作品でファンタジー、ミステリー、感動…読後感を味わえ自分の持ってた価値観が変わった人も多そう
自分の過去、今の自分、近い将来何かしらに影響を与えてくれると思うし、人の力て無力な時もあるけど無限大でもあるんだなと感じれた
以下ネタバレ好きなフレーズ(引用)
ウレシノは、フウカを好きになった。
ペダルに足をかけて漕ぎ出す時、そうかーと気づいた。
別に、忘れてしまってもいいーと。私がその分、覚えている。萌ちゃんと今日、友達だったことを。 -
鏡の孤城 ファンタジーは好きではないのですが
友人のオススメでもあり読みました。
読後 涙が滴り落ちるぐらい泣いていた自分が居ました。
感動 驚愕 切なさと 色んな感情が混じり合って
家事が捗らなかったです。
読書を初めて まだ 数ヶ月ですが
素晴らしい本に出会えて 勿論 今まで読んだ本も素晴らしいですが
読書を好きになって良かったと深く思わされる
作品でした。
本当にありがとう。
今年の BOOKサンタで
ぜひ 子供達にプレゼントしたいと思います。
娘が本を好きになったら ぜひ読ませたいと思います。-
mamaさん
はじめまして、ちゃたと申します。素敵なレビューありがとうございます。私も以前から気になっている本でして、ファンタジー苦手な私で...mamaさん
はじめまして、ちゃたと申します。素敵なレビューありがとうございます。私も以前から気になっている本でして、ファンタジー苦手な私でも読めるかなと思いました。また、娘にも薦めてみようなんて思いました。2024/01/19
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主人公は中学1年生の女の子。
いじめにあい不登校になってしまう。
ある日、部屋の鏡が明るく光り、触れてみると中に引き込まれてしまう。
そこにはお城のような豪邸、なぜか7人の中学生たちが・・・。
ファンタジーとミステリーをあわせたような、青春もの。
繊細で傷つきやすい年代の心模様にはとても、読んでいて胸を締め付けられる。
謎解きをしながら子供たちの心の成長と、思いやりの芽生えが、見どころ。
最後の最後に、「そ~だったのか!!」と、胸が熱く。