- Amazon.co.jp ・電子書籍 (504ページ)
感想・レビュー・書評
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著者に会ったことをキッカケに年末年始にイッキ読み。すごく面白かった!バッタのことも、アフリカのバッタ問題についてま、全く気にしたことなかったけれど、世界の裏側ではこんなことがあるのかと。そして、立派に戦う日本人がいたのだと。著者の目論見通り、すっかり興味が湧いてきてしまった。しかし、文書もとても上手。読者を楽しませようとする心意気が伝わる。何度も爆笑させてもらいました!読み終わりに、元気と勇気をもらえる一冊です。
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こういう研究云々の本は、本来なら本当にその分野に興味をもった人たちが手に取るのが普通なのでしょうが、バッタについて何の知識も関心も持ち合わせてなくても、文章の随所にユーモアが溢れていて、かつ分かりやすいので、378ページあっても何の苦もなく楽しく読み切れました。
子ども時代に聞いた『バッタの大群を見に行った観光客の一人が緑色の服を着ていたため植物と間違えられバッタがむらがり服がかじられてしまった』というエピソードに憧れ、本当に大群の中に緑色の全身タイツに身を包み、大群に身を任せる下りには笑ってしまいました。
本当はかなり過酷な数年にわたるモーリタニアでの研究、自然相手のフィールドワークの凄まじさも知りました。
物資も日本みたいに手に入らない中、研究に前向きに打ち込んだ姿にも脱帽です。 -
最初は自分には読みきれないと、恐る恐るページを進めていったが、途中からはこの世界観に引きずり込まれました。
研究者は大変だと思うと共に、モーリタニアの擬似生活体験ができました。 -
世界のバッタ被害、アフリカの情景、一人の人間としての努力、生き様なんかが読みやすくユーモアたっぷりで書かれてます。
サクッと読めて大変おすすめ。 -
本屋で一目惚れして購入
おもしろい!おもしろい!
前野さんの生き方は前向きでおもしろい!
ご本人も書かれているように
夢を持ちそれに真剣に向かうときには
大変なことも多いけれど
喜びや幸せも増すし
楽しんで努力もできる。
そんな素敵な生き方に触れさせていただいて感謝です。
本を開いている間は
心は共にモーリタニアの砂漠にありました。 -
昆虫学者である著者がサバクトビバッタの研究のためモーリタニアに滞在した三年間を綴ったエッセイ。
私は虫は苦手だけど、この本はとにかく面白い!
そもそもバッタが大好きでバッタに食べられるのが夢でバッタの研究をしているのに、バッタアレルギーとは(笑
文化の違いや言語の壁による様々なトラブルにも、辟易しつつも半分楽しんでる感のある超ポジティブな著者。
日本では研究者への支援が不充分とはいえ安定した研究環境よりも、環境の厳しいモーリタニアでのフィールドワークを選ぶ熱意がすごい。
終盤のバッタの大群とついに対決(?)する場面は虫嫌いの私でも読んでいてワクワクしてしまった!
それにしてもババ所長、すごくいい人だった…! -
日本で生物研究者が研究を行なっていくのは本当に大変。就職もさることながら食べていくことすらも大変。
そんな研究者である著者が、夢をあきらめずに邁進していく姿はカッコいい。
行く先々で現れる苦難に対し、立ち向かう姿はまさしくサムライであり、絶望してしまうような局面でもユーモラスに語りつくす。本当に芯が強いお人なのだろうと感じる。
出会う人々を大事にし、得られる事柄を全て吸収して自らの糧にしていく著者の生き様はぜひとも見習いたい。
本著が出版されて4年が経過しているが、その後はいかがしているのだろうか。願わくば更なる高みへ上っていてほしい。 -
バッタ研究で、農作物被害を食い止める!
ファーブル昆虫記に魅せられて研究者になったウルド氏の奮闘記。
表紙の著者のコスプレには驚くが研究に対する熱い思いが伝わる1冊。 -
クマムシとか、鳩が首振って歩くわけとか、クモの糸でバイオリンとか。こういう研究は見ている方も、やっている方も楽しいが、よく考えなくても役に立たない。この人たちはどうやって食っているのだろう。研究費は誰が出してくれるのだろう。プロの科学者が自腹を切っているとも思えない。
本を書けば、ぼくみたいな物好きが喜んで買うけれど、それは結果で最初から「印税で返すから研究費を」みたいな交渉が成立するとも思えない。
たぶん、天文学とか、考古学なんかも状況は同じだろうと思う。職業としての科学者は、どうやって成立しているのだろう? ずっと興味があった。
その一端をのぞくことができる。
やっぱりそれなりに厳しく、世知辛い世界のようだ。ぼくたちサラリーマンの世界より、才能と売り込みと運に左右される、 アイドルや俳優の世界に似ているかもしれない。
バッタの大発生を抑えるための研究は「役に立つ」わけだが、それでも簡単なことではない。アイドルもバッタ学者も、才覚一つで身を立てるのは大変なのだ。頼れるものは情熱一つ。 -
いやはやここまで面白いとは恐れ入った。作者のユーモアに溢れた文章が素晴らしい。自分アピールもちょこちょこ入るが決して不快ではない。これまで全く興味を持った事がないバッタの生態だが、筆者にかかると、ホウホウそうなのかと次が思わず知りたくなる。モーリタニアで出会った人々も実に魅力的だった。次回作が是非読みたい。