可燃物 (文春e-book) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 犯罪も、それへの対処という仕事も、罪も善意も何もかもが日常に紛れていく。

  • 短編集なので気楽にサクッと楽しめて良い。1つ1つ、謎解きゲームのようにちゃんと読者にも考えさせるような書き方が好き。

  • このミス第1位だから借りて読んだ。著者の本は初めてだったので読み慣れていないのだろうか。東野さんの本ばかり読んでいたからだろうか。被疑者被害者とは関係ない人物が多すぎてついていけない感があった。しかし、ミステリーとしては面白い。
    崖の下は皮膚から出た骨が凶器。ねむけは文字通り皆の眠気が原因。命の恩は絞殺がわからないような猟奇。可燃物は犯人は悪人ではない。本物かはまさかの犯人。
    一番面白かったのは可燃物かなあ。生ごみって水を含んでいて燃えにくいのね。そう言われればそうかと納得。
    多分他の方も書いていると思うが、葛警部と教場の風間公親が似ている感じがする。多くを語らないずば抜けた推理力。カフェオレと菓子パンばかりで葛警部の体が心配。
    それにしても群馬県って犯罪の舞台になりやすいのかな。ロクヨンもそうだったし。山おろしの冷たい風がイメージされます。
    いつか映像化されそうな。

  • 久しぶりのミステリーでした。
    短編集でしたが、どの話も意外な結末で楽しく読ませていただきました。
    葛さんの名推理が気持ちよかったです。
    命の恩は、思わず「えっ」と声が漏れてしまいました。

  • ・短編小説だから身構えず読めてしまう
    ・短編だからという軽さとかあっけなさがなくてちゃんと1章ずつ読みごたえがある
    ・犯行理由や使用凶器がミスリードされてる!(笑)
    ・警察小説とミステリーって組み合わせ、珍しくて楽しかった

  • 「崖の下」「ねむけ」「命の恩」「可燃物」「本物か」の四編で構成されているオムニバスミステリー小説。
    個性の強い登場人物やセンセーショナルな展開は少なく、表面的にはとても素朴で実直な一冊。

    多くの推理小説がそうであるように、物語は主人公である葛刑事の目線で進められる。
    葛刑事が部下を動かし、彼の目線で入ってくる情報がひたすら読者にも開示されていくわけだが、事件に関する情報以外は全くベージが割かれていない。

    資料を精査し、裏付けを取り、人間関係はあくまでも客観的な事件構造としてのみとらえ、心理描写は意図的に排除された状態で真相を突き止める。
    そういう作業を葛刑事と一緒に行う……物語というよりも、ひたすらに"捜査"を読む本だった。

    事件の全容は最後には明らかになるが、逮捕劇や真相に伴うリアクションは報告書に記される必要最低限の情報のみで、「このような事件であった」と処理されて終わる。

    だからきっと実写化には向かないだろうと思う。

    でも面白かった。
    事件の一つ一つが、ありふれた導入から意外な真相に行き着く。
    意外だけれど素朴で、読んでいるうちに葛刑事と同じ推理に行き着くこともでき、没入感とカタルシスを感じられて、面白い読書体験ができた。

    「凶器が埋まってないか……こりゃ骨だ」
    このセリフ、あとから見返すとちょっとふふってなる。

  •  余計なことは語らず上司から疎まれ、部下からも尊敬されているわけではない。しかし、捜査能力は卓越しているという葛警部のキャラ、いいですね。地味だけど安心して読める。そしてハッとさせられる。
    群馬県警を舞台にしたミステリー掌編5編。

    ・崖の下
    ・ねむけ
    ・命の恩
    ・可燃物
    ・本物か

     どれも安定感のある物語でしたが、印象に残ったのは最後の「本物か」
    表に出ている情報は本物か?どうか疑う姿勢。葛警部がそこを疑っている事に気付かなかった私は思わず声を上げてしまいました。面白い。
     

  • 膠着した捜査状況から鮮やかに解決へと展開する短編集。山あり住宅地ありからっ風ありの土地柄も反映した群馬県警、多様な事件に関わっていく。

  • 群馬が舞台の警察ミステリ。群馬県民として読まないわけにはいかない!と意気込んで購入。たのしかった〜。よく知ってる土地で事件が起こりまくるのは複雑な気持ちだった笑
    葛警部の息を詰めてグッと推理し続けてる様子に読んでるこちらが息苦しくなる。最後にプハッと息継ぎをしたと思ったら、事件は鮮やかに解決している。

  • 米澤穂信らしい骨太なテイストの短編集。
    とにかく主人公の眼力が神がかってるし他の警察官も有能だしで、本物の警察もこんなに優秀なんだろうかと思ってしまった。
    主人公のストイックなプロ意識も読んでいて心地よかった。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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