可燃物 (文春e-book) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
3.72
  • (37)
  • (104)
  • (74)
  • (12)
  • (1)
本棚登録 : 721
感想 : 104
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (257ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 刑事の方の目線、考え方(思考法)などが、とてもよく分かった。普段、すれ違う人の見方が変わってしまうかも…。(そもそもあまり見ていなかったけど…。)

  • 群馬から埼玉県北部の警察小説。躍動感を出さずに冷静で距離を置いた感じの主人公が印象的でした。

  • 面白かった^_^
    「黒牢城」の荒木村重の謎解きに近い感じで、米沢ワールドって感じでした。
    シリーズ化してほしい作品

  • 推理に重点が置かれた作品でした。葛警部がどんな情報から、どんな考えをし、推理していくのか、その理論的思考が素晴らしかったです。

  • 連作短編集。本のタイトルの「可燃物」よりも最終話の「本物か」が手に汗握った。立てこもり事件なだけに臨場感を味わって読むことができた。事件にフォーカスして書き進められ、葛警部と一緒に推理を楽しんだ。頭脳明晰で経験豊富な葛警部に引っ掛かかる違和感が、事件を解決に導く。

  • 群馬県警を舞台にしたミステリー短編集
    「崖の下」「命の恩」「可燃物」が印象的でした。

    捜査過程と主人公の葛警部の推理が現在進行形で書かれているので、共に推理していく気持ちになった。
    葛警部の人間性や生活感などは一切排除されているのも深みないと思う人もいるかもしれないが
    私は良かった。

    捜査で得た数々の材料から
    葛警部が一気に隠れた真相に辿り着く。
    葛の脳内を一緒に駆け巡る気がした。

    ドラマ化してほしい。
    俳優さんは誰がいいかな。

    • 1735さん
      ドラマ化してほしいですよね。読み進めているうちに、葛警部の顔が沢村一樹さんに変換されてました。
      ドラマ化してほしいですよね。読み進めているうちに、葛警部の顔が沢村一樹さんに変換されてました。
      2023/11/05
    • キャロミさん
      1735さま
      コメントありがとうございます^ ^
      沢村一樹さん、いいですね!!
      1735さま
      コメントありがとうございます^ ^
      沢村一樹さん、いいですね!!
      2023/11/05
  • 良かった。全て鮮やか。
    まさしく帯の「彼らは葛をよい上司だとは思っていないが、葛の捜査能力を疑う物は、1人もいない。」に尽きる。
    事件以外の会話や描写は全くていっていいほど書かれず、事件に必要なことのみの情報は、読者への挑戦も兼ねてるように感じた。
    探偵役の人物の頭の中だけで突如事件が解決するのではなく、探偵役と同じ情報量で読者にもヒントが与えられて犯人を追い詰める、そんな構成になっている。本当に無駄のない内容だった。
    どれも良かったが、最後の「本物か」が一番、なるほどー!と唸った。

  • 連続放火事件が発生し、県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに犯行がぴたりと止まってしまう。捜査は行き詰まるかに見えたが…。葛警部の鮮やかな推理が光る全5編。

    いつも通り米澤穂信の巧みなペンさばきでスイスイ読まされてしまう。いずれもひとひねりある連作短編集だけど、何となく深みに欠けている気がした。短編だから仕方ないか。
    (B)

    • g2altさん
      確かにスイスイ読める。
      確かにスイスイ読める。
      2023/10/06
  • 今までの作品と比べると少し物足りなかったかな。
    米澤さんには期待しすぎちゃうのかも。

    「命の恩」はなんだかやるせなかった。同じ命なのに、人によって考え方がこうも違うのかと思った。
    「可燃物」は最後まで読んで「ん?」と思いもう一度ページをパラパラと戻した。犯罪って案外こんなきっかけなのかもしれないと…身近にあってはいけないのだけれど。

    全編通してそういう共通の訴えみたいなものは感じました。
    でも次回は長編をお願いしたいです!

  • 黒牢城で直木賞を受賞した米澤穂信はどうやら最もノっている時期に入ったらしい。最新作のこの『可燃物』では、いわゆるミステリ3冠(「このミステリーがすごい!」第1位、「ミステリが読みたい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位)を達成してした作品だ。いずれもミステリ好きには評価が高い年末のランキングだが、微妙に賞の志向が異なることもあり3冠を取るのは誰がみても傑作と呼べるような作品に限られる。ただし著者にとっては、3冠はすでに3回目の達成であり、名実ともに現在日本最高のミステリー作家の一人と言って良いだろう。

    その2023年末に3冠を達成したこの『可燃物』は5つの中編からなる警察小説だ。舞台となるのは群馬県警の捜査一課で、主役となるのはその捜査一課を実質的に率いている葛警部。有能だが余計なことは一切喋らず、上司からは疎まれ、部下からも慕われているわけではない。それでも彼にしか見えない世界があり、有能な刑事として誰からも一目置かれている。

    本作はこの設定と余計なことを一切書かない文体、そして硬質な世界観に魅了されてあっとういう間に読み終わってしまった。警察小説というと、警察という独特の世界を描くタイプの作品を想像するが、本作の場合は組織としての警察を描くというのはほとんどなく、それぞれの中編はミステリー黄金期の探偵小説に近い形で謎が提示される。

    ほとんど全く感情を見せることのない葛が次々と謎を解いていくスピード感と手際の良さは素晴らしく、おそらく多くの読者がシリーズ化を望んでいることは間違いないと思う。警察小説という方向性に進めば警察内の暗闘を描いていくだろうし、ミステリという形を取るのであれば広域捜査の案件が出てくるかもしれない。いずれにしても、続編が出てきた際には買ってしまうことは間違いない。

全104件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

米澤穂信の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×