可燃物 (文春e-book) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 刑事もの短編集。
    各短編ごとに、少しづつ謎が残される、、
    これは最後にくるのか?

    …こない。

    期待しすぎたのか?
    パサパサした文章ということもあり、あっさりした印象。
    証言が一致しすぎで疑うのは警察らしいな。
    主人公もパサパサしてるけど甘党なのがオモロい
    菓子パンとカフェオレ食いすぎ。

  • 五つの短編。信じられない凶器や目撃証言のうそなど、どんでん返しの連続。明らかに犯人だと示しているかに思える証拠や証言のわずかな違和感から真実を見つける葛警部。しかも、それが無理に読者を陥れようとする姑息なところがないのがすごいところ。

  • オーディブルで聴いてすごくハマった。
    淡々としつつも設定に細部まで異様なリアリティがあり、くっきりと映像が浮かぶ。
    葛警部と一緒に唸りつつ捜査をしている気分だった。

  • 警察小説、というジャンルのせいか情緒を廃し、報告書のように淡々と進んでいく雰囲気はあった。だからといって面白みがなかったわけではなく、すごく面白かった。過酷な勤務で疲労感は伝わるものの、笑いや愚痴のような情緒的な描写は少ない。一方で、上司の上の人がイエスマンを好みながら、同時に有能な人間をまわりに置きたいものだから葛を排除できない、とか、複雑な機微を感じさせる。どの話も面白かったんだけど、好みとしては最後のエピソードの、犯人がわかっていたようでいて、実は・・・というどんでん返しが印象深い。

     推理のプロセスが丁寧で、何か見落としていることはないか、とか葛が気づく場面が描写されていたり、ミステリとしての楽しさも満喫させてくれたな。

  • 年内の読み終えてホッとしている。
    このミスの1位だから読んだ感じ。そつなく、ミステリーを熟知している作家である事は間違いではない。そう、何度も1位なんて取れない。
    ミステリーを読まない人にはオススメの作家。
    初の警察物だとは知らなかったが、設定が他の作家とは違う視点で書かれているのが新鮮だった。

  • 状況を分析して真実を導く天才ということでよいですか?カフェオレと菓子パンだと早死にします。

  • 推理小説の楽しみ方は人それぞれ異なる。犯人当てに全力を注ぐひともいれば、探偵の"キャラ"を楽しむひともいる。
    自分はというと『舞台』を楽しむタイプの人間だ。犯行が起きた現場、凶器、動機やトリック、もちろん探偵のキャラも見逃せない。要するに全て込みで楽しんでおり、逆にどこか作り込みに"抜け"があると気になってしまい楽しめなくなる。

    そんな自分と似たタイプの方には、この『可燃物』をぜひお薦めしたい。

    主人公は群馬県警の葛警部。冷静沈着を絵に描いたような人物で、よくある探偵モノのように突飛な行動も奇抜な容姿も不遜な言動も一切しない。THE 警察官と呼んでも差し支えない人物像だ。
    鑑識の調査、刑事の聞きこみ、証言者の様子。どれもないがしろにすることはなく、徹底的に調べ上げた上で真実を突き止める。"地に足がついた推理"とでもいおうか、『舞台』に登場する全てが現実であり、日常の延長線にある話ばかりだ。そこがとても好ましい。
    ★4にしてあるが、小数点までつけられるなら4.5つけたい作品。

    推理の道筋が順を追って綴られているので、犯人当てを楽しみたい方は各短編の中盤ぐらいで一度手を止めて推理されるといいだろう。

  • ハウダニット、ホワイダニット系のミステリ短編集です。
    謎が解けると、タイトル(崖の下、ねむけ、命の恩、可燃物、本物か)の意味がじわじわくる。
    若干狙いすぎな感もあるが、それはそれで面白い。

  • 刑事物の小説が好きなので手に取った一冊。可もなく不可もなく、"普通"に面白い。続編も今後出てくるのかな?楽しみである。

  • 今回のこのミスの日本1位だそうで、たまたまKindleが半額(Pointバック)だったのと、米澤さんは地元だし、結構読んでるので、迷わず購入。とまるで言い訳のような読書きっかけ。
    5編の警察小説で群馬県が舞台。大変有能とされる葛という名の刑事が、事件の犯人の目星が大体ついてきたけれど、決め手となる証拠や動機を探し求め、意外な盲点を発見し、事件を解決するパターン小説。歴史小説の形をとった「黒牢城」と設定は違うけど雰囲気は似てる。
    まあ読み物として面白いので、それでいいのかもしれないけど、個人的にはがっかり感が大きい。なにより「すごくない」。ジャンルにおいても、ミステリにおいても、全体的に子供っぽいかなあ。
    ある意味最初の作品がスタイルがわからなかったので、一番よかった。表題作は、なぜこの短編が表題作になったのか理解に苦しむくらい、面白くない。
    半額での購入でよかった。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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